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原発ストレステスト [ニュース]

ストレステスト(耐性検査)の最終報告が越年した場合の電力不足は、冬まで続くことが確実な情勢だ。

最終報告が出るまでは定期検査を終えた原発の再稼働が困難なためで、今夏と同様、電力需要の旺盛な冬についても電力使用制限令などの厳しい節電を迫られかねない。

復興を目指す日本経済にさらなる打撃を与える可能性がある。

一年で夏の昼間に次いで電力需要が高いのは暖房器具のスイッチが入り照明がともる冬の夕方だ。

電力10社の今年初めの最大電力需要は1月31日午後6時台の1億5726万キロワットで、昨夏最大だった1億7775万キロワット(8月23日午後2時台)に迫る高い水準だ。

一方で冬の節電策には夏とは違う難しさがある。

夏は企業の土日操業やサマータイムなど、電力使用を平日昼間から休日や朝夕にずらすピークシフトが中心だが、冬は夕方のほか冷え込んだ朝も需要が増える。

ピークシフトは難しく、一日を通じた節電で経済活動のレベルを落とさざるを得なくなる可能性もある。

これに対し供給力回復には課題が多い。

政府はストレステストを踏まえて自治体に原発再稼働を求める構えだが、政府と自治体の信頼関係が決定的に崩れた現状では、中間報告段階はもとより、最終報告後も自治体が即座に再稼働に応じるとは限らず、稼働はさらに遅れる懸念もある。

今後は東京電力柏崎刈羽原発1、7号機や関西電力大飯原発4号機など15基も来年1月末までに定期検査に入る。

そうなれば全国で稼働する原発は54基中2基だけで、来春にはゼロとなる。

経済産業省の試算では、原発が再稼働しなければ、今年12月から来年2月ごろ、東北、関西、北陸、四国、九州の5電力会社が4~20%の供給力不足に陥る。

火力発電頼みの対応にも限界がある。

被災した東電と東北電は早くから火力復旧とガスタービン設置で能力増強を図ったが、中部電力浜岡原発の停止が決まった5月以降に電力不足が表面化した他社は、夏の火力発電所の定期検査をずらしたりして急場をしのいでいる。

このため「秋以降に停止して定期検査をしなければいけない」(電力会社幹部)状況だ。

今月2日には関電姫路第2火力発電所5号機が不具合で運転停止。

規模の小さな電力会社は「火力発電所が1基でも止まると需給はたちまち厳しくなる」(西日本の電力会社)。

これでは冬場に十分な火力発電を維持できる保証もない。


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