SSブログ

今週の為替相場展望 [為替情報]

今週2月6日-2月10日週の為替相場は、リスク回避の一服によるドル/円、クロス円での円全面安の持続性をにらんだ展開となる。

前週末3日のNY市場ではドル/円、クロス円で円全面高に歯止めが掛かった。

米雇用統計の改善を浮けて米国株が上昇し、通貨ごとにバラつきはあるものの、リスク選好の流れが円安・外貨高を後押ししている。

しかも米国の株高によるリスク選好の場合、これまではドル全面安がドル安・円高による円高要因となってきた。

しかし、3日は米国債金利が上昇(債券価格は下落)に転じ、ドル/円ではドルが下支えされたことで円高が抑制されている。

今週はこのまま米国株の底堅さと米国債金利の下げ止まりが続くと、緩やかながらもドル/円、クロス円での円全面安(外貨高)が支援されやすい。

もっとも2-3月には日本企業の3月決算対策が本格化していく。

海外収益の円転や外貨建て資産の取り崩しが、本国回帰(リパトリエーション)による円高材料となってくる。

東京市場では引き続きドル/円、ユーロ/円などで外貨戻り売り(円買い)圧力が根強い。

目先も2月中旬には米国債の満期償還とクーポン利払いが迫っており、国内の機関投資家による償還資金や利息収入の円転・ドル売りがドルの上値を抑えそうだ。

さらに2-3月には欧州で国債の大量償還と、アクシデント的なギリシャのデフォルト(債務不履行)リスクが残されている。

今週のユーロ圏財務相会合や独仏首脳会談、欧州中銀(ECB)理事会などでは、新たなユーロ安材料が浮上してくる可能性も排除できない。

かたや米国では景気回復の持続性に対する懸念や、米国株の高値警戒感、FRBの低金利長期化の見通しなどが残存したままだ。

引き続きユーロ安やドル安の「ぶり返し」による円高リスクには注意が必要だろう。

加えて今週は豪英の中銀政策会合が予定され、それぞれ短期的な豪ドル売りやポンド売りを招く波乱リスクも秘めている。

反対に円に関しては、8日の12月国際収支で日本の経常黒字急減が再確認される。

中長期スパンでの円高歯止め要因となるものだ。

続いて2月13-14日には日銀の金融政策決定会合が予定されており、それまでに円高が激化しているようなら、円高阻止の追加緩和が争点となってくる。

同じく2月中旬にかけては、消費税国会の混迷などを受けた日本の格下げリスクも取り沙汰され始めた。

為替需給面では期末円高の一方、国内保険会社によるタイ洪水被害の保険金支払い(日系現地法人向けの送金)が、特殊な外貨買い・円売り要因として注目を集めている。

結果、今週以降は引き続き根強いドル安、ユーロ安を警戒しつつ、昨年までの「リスク回避の円全面高」のエネルギー後退と、一進一退を経ながらの円高トレンドの変調を見定める展開となりそうだ。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<6日・月>
09:30 豪12月小売売上高
(年末商戦などが下支え。ただし、豪ドルは高値警戒感により、調整の戻り売り圧力も)
20:00 独12月製造業受注
(ユーロ安やECBの金融緩和強化などが下支え要因)
25:00 ユーロ圏財務相会合(週内に変更) 、独仏首脳会談
(政策期待のユーロ買いと失望や材料出尽くしのユーロ売りの両にらみ)

<7日・火>
06:45 NZ・10-12月期民間賃金、平均時給
(震災の復興需要などが下支え)
12:30 豪中銀、政策金利発表
(先行きの利下げ示唆や通貨高牽制が豪ドルの調整下落材料に。事前に豪ドル下落の場合は材料出尽くしで買い戻しも)
18:30 南ア10-12月期失業率
(ランドの続伸と調整下落を左右)
20:00 独12月鉱工業生産
(ユーロ安やECBの金融緩和強化などが下支え要因)
22:30 加12月住宅建設許可
(12月の失業率は悪化。欧州債務金融危機や中国減速などが重石)
29:00 米12月消費者信用残高
(年末商戦でカード・ローン消費などが活発化。個人の信用改善も)

<8日・水>
08:50 日12月国際収支統計
(貿易赤字の定着で経常黒字が減少。中長期的な円高歯止め要因)
09:30 西村日銀副総裁、講演[OECD・アジア開発銀行共催]
(円高・デフレ阻止に向けた追加緩和のスタンス焦点)
16:00 独12月貿易収支/経常収支
(ユーロ安効果を見極め。黒字が増加なら需給面でユーロを下支え)
18:30 南ア1月SACCI景況感指数
(ランドの続伸と調整下落を左右)
22:15 加1月住宅着工件数
(米国経済の復調を受けた持ち直し焦点)
英中銀金融政策委員会[9日まで]
(追加量的緩和の可能性がポンドの戻り売り材料に)

<9日・木>
06:45 NZ・10-12月期雇用統計
(震災の復興需要などが下支え)
10:30 中国1月消費者物価指数
(資源下落や景気減速でインフレ低下。金融緩和への期待が欧州通貨高や円安を支援)
18:30 英12月鉱工業生産指数、製造業生産指数
(欧州債務危機や英国の財政緊縮などが重石)
21:00 英中銀、政策金利発表
(追加量的緩和の可能性がポンド安要因。事前にポンド安が進んでいれば買い戻しへ)
21:45 欧州中銀、政策金利発表
22:30 ドラギECB総裁、定例記者会見
(2月下旬に3年物資金供給オペの第2弾を予定。政策変更は見込まれず。総裁発言には一喜一憂)
22:30 米新規失業保険申請件数
(12月と1月に雇用は連続改善。回復の持続性が重要に)

<10日・金>
09:30 豪中銀、四半期金融政策声明
(先行きの利下げ示唆や通貨高牽制が豪ドルの調整下落材料に)
16:00 独1月消費者物価指数[確報]
(インフレの落ち着きがECBの追加緩和支援。ユーロの上値抑制)
22:30 米12月貿易収支
(原油上昇と消費復調で輸入が増加。赤字減の一服がドルの上値抑制も)
23:55 米2月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(雇用回復や株高が下支え。ただし、2月は季節的に消費マインド統計が悪化しやすい)
時間未定
中国1月貿易収支
(旧正月で輸出が停滞。中国の減速懸念を後押しさせるリスク)


nice!(21)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:マネー

nice! 21

コメント 1

niki

こんばんは~^^
わ~い、またまたご近所さん発見!!
よろしくお願いしま~す♪
by niki (2012-02-06 00:24) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0