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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週2月13日-2月17日週の為替相場は、ギリシャ債務問題の泥沼化による円全面高と、当座の危機回避による円全面安の再開をにらんだ展開となる。

前週はドル/円、クロス円で円全面安が進展したあと、週末10日には円全面高へと振れた。

EUによるギリシャ向け追加支援の最終合意が15日まで遅延されたほか、ギリシャの連立与党内で財政再建策への反対論が出てきたことなどで、先行き不透明感が再燃している。

今週もEUとギリシャのチキンゲームのような駆け引きに一喜一憂の展開が続く。

最終的に追加支援が実施されると、ユーロ高やユーロ/円主導の円全面安。

反対に3月20日のギリシャ国債大量償還向けて、ギリシャのデフォルト(債務不履行)やユーロ離脱が現実化してくるようなら、ユーロ安と円全面高の波乱を招きかねない。

基本的には最悪の事態は回避されるとの見方が強い。

2月下旬にはECBによる3年物資金供給オペの第2弾が予定されており、万一、ギリシャ危機が深刻化しても、周辺国への伝染や欧州全体への金融危機波及が隔離・遮断できる「防火壁」増強への安心感も高まってきた。


さらに円相場に関しては、米国の景気回復、日本の経常黒字急減と消費税国会の混迷による格下げリスク、日本の当局の「国益第一」介入継続姿勢、世界経済の循環的な底入れ期待などにより、中長期スパンで円全面高のトレンドに歯止めが掛かりつつある。

一方で短期的には米国株や豪ドル、NZドル、その他の高金利通貨などに、高値過熱感が警戒され始めた。

今週はギリシャ問題や米独の経済指標などをにらみつつ、リスク選好を受けた円全面安・外貨高の過熱調整(円高・外貨安)の度合いが注視されるだろう。

国内でも13-14日の日銀金融政策決定会合での追加緩和見送りによる失望の円高や、15日の米国債の満期償還・クーポン利払いに伴う国内機関投資家の円転・ドル売りなどが、円高リスクとして無視できない。

何より2-3月は、国内企業の決算対策に伴う海外収益の本国回帰による円高圧力が残されている。

引き続き根強い円高、ドル安、ユーロ安などの「ぶり返し」リスクと、4月以降の円高後退をにらんだ円の戻り売り(外貨安値圏での仕込み買い)の綱引き相場が想定されそうだ。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<13日・月>
08:50 日10-12月期GDP[1次速報値]
(タイ洪水や円高などで下振れ警戒。安全全逃避の円高の後退要因に)
09:30 豪12月住宅ローン約定件数、豪12月投資貸付
(12月は欧州債務危機や中国減速などが重石に)
15:00 日1月投信概況[投信協会]
(外貨建て投信の資金流出や純資産減少の「一服」焦点。新規流入が増加なら円安材料)
20:00 OECD12月景気先行指数
(世界減速の循環的な底入れ時期のメドの参考に)

<14日・火>
06:45 NZ・1月食品価格指数
08:00 NZ・1月QV住宅価格
(1月のNZ商品価格指数は上昇。NZドルを下支えも)
09:00 日銀、政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
(3月期末の円高・株安の阻止に備えた追加緩和の地ならし焦点。緩和なら円安。見送りなら円高にも)
09:30 豪1月NAB企業景況感指数
(1月は世界的に景況感指数が改善の傾向)
18:30 英1月消費者物価指数、英1月小売物価指数
(前週末の生産者物価指数は上昇で一時的にポンド高材料に)
19:00 独2月ZEW景況感指数
(ユーロ安やECB緩和などで高止まりも。前月の大幅改善の反動減がリスク)
22:30 米1月小売売上高
(既存店売上高は予想を上回る。自動車販売も底堅さを維持)
オバマ米大統領、中国の習近平国家副主席と会談
(米国による人民元の切り上げ圧力が間接的な円高要因にも)
ファンロンパイEU大統領、バローゾ欧州委員長、中国指導者と会談[北京]
(中国による欧州支援姿勢がユーロを下支え)

<15日・水>
06:45 NZ・10-12月期小売売上高指数
(震災後の復興需要などで底堅さ)
15:30 仏10-12月期GDP[速報]
16:00 独10-12月期GDP[速報]
18:00 伊10-12月期GDP[速報]
19:00 ユーロ圏10-12月期GDP[速報]
(債務金融危機で低迷。直前までユーロ高なら下落、ユーロ安なら材料出尽くしで買い戻しも)
18:30 英1月雇用統計
(米独の雇用改善に追随した下げ止まり焦点)
19:30 英中銀、四半期インフレ報告
(インフレ見通しの落ち着きが追加緩和観測でポンドの上値を抑制も)
22:30 米2月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(雇用回復や株高などが支援材料。前月までの改善の反動や原油高などが下振れ波乱)
23:15 米1月鉱工業生産
(自動車生産などは底堅さ。暖冬による電力関連の生産低下や原油高などが伸び悩みの波乱)
24:00 米2月NAHB住宅市場指数
(雇用改善や住宅ローン金利の低下などで住宅市場は底入れ傾向)
28:00 FOMC議事録[1月24、25日分]
(先行きの景気慎重見通しや低金利長期化の主張がドルを圧迫)

<16日・木>
09:30 豪1月雇用統計
(求人広告件数は増加。前月の雇用悪化の反動改善も)
22:30 米1月生産者物価指数
(原油上昇や景気改善などで小幅な上振れも。米国債金利とドルの下げ止まりを支援)
22:30 米1月住宅着工件数
(暖冬や雇用改善などによる持ち直し焦点)
24:00 米2月フィラデルフィア連銀景況指数
(雇用回復や株高などが支援材料。前月までの改善の反動や原油高などが下振れ波乱)

<17日・金>
16:00 独1月生産者物価指数
(インフレの低下がECBの追加緩和を支援。ユーロの上値を抑制)
18:30 英1月小売売上高
(既存店売上高は小幅な悪化も消費者信頼感などは持ち直し傾向)
21:00 加1月消費者物価指数
(原油高や米景気の改善などで物価下げ止まりも。カナダ・ドルを下支え)
22:30 米1月消費者物価指数
(原油高や内需回復などで小幅な上振れも。米国債金利とドルの下げ止まりを支援)
24:00 米1月景気先行指数
(株高、雇用改善、小売売上高の底堅さなどがプラス要因)


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