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性格に合った投資法を考える [投資の心得]

株式の投資行動はそれぞれの性格に影響されることが大きく、自分の性格にマッチした投資方法を探し出すことが大切だと以前に申しました。

性格的に儲けることに結びつき易いタイプ、損することに結びつき易いタイプがありますが、人間の性格というのは変えようと考えても、なかなか変えられるものではありませんので、損するタイプの性格だから儲かるタイプの性格に変えるというわけにはいかないのです。

性格は持ち前のものだからやむを得ないと考えて、自分の性格にマッチした投資行動をとることが大切だということです。

相性という言葉があります。

男女の相性が結婚生活でも大きく影響するといいます。

友人の間でも、あいつはウマが合うが、気に食わないということがあります。

株式投資でも投資方法に相性があり、相性の悪い投資方法だと失敗につながることが多くなるのです。

どのような投資方法が相性がよいか、また悪いかは経験によって認識していくものですが、自分の性格をよく理解しておけば、最初から回り道をしないでも済むことになります。

例えば、非常に短気な性格の人の場合、株価の動きが悠長なものでは我慢できなくなり業を煮やして動き出す前に売却してしまうといった行動をとりがちです。

このような性格の人には、株価の動きが緩慢な大型株や低位株は投資対象として向かないことになります。

株価がダイナミックに動く小型株や値嵩株への投資が向いていることになります。

性格的にのんびり屋の人は逆です。

値動きの激しい銘柄に投資したのでは、売買のタイミングは合わずに失敗することになるわけです。

自分の性格がわかっていれば、最初からこうした投資方法をとることもないことになります。

このように投資確率を高めるためには、まず自分の性格を見極めておく必要があるのです。

短気なのかのんびり屋なのか、手堅い性格なのか、投機好みの性格なのか、付和雷同型か自尊心が強い方か、自分の性格を細かくチェックしてみることです。

手堅い性格なら投機的銘柄は避けるべきでしょう。

常に不安に苛まれることになります。

投機好みの人は安定株では面白みがないと考えるでしょう。

付和雷同型の人は、その性格を熟知していれば、流れに掉さす時にワンテンポ考えてみる習慣を身につけることで修正することができます。

自尊心が強い人は他人の意見を聞く習慣を身につけることによって性格の欠点を修正することが可能になります。

性格を認識したうえで、性格に適合した投資法や投資対象に「合理的」に投資すれば、成功確率を高めることになるわけですが、この「合理的」ということも非常に重要なのです。


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株式投資に成功法則はあるのか [投資の心得]

株式投資は成功しなければ意味がありません。

株式で儲けるタイプ、損するタイプについて紹介しましたが、これが決定的なものであるなら、損するタイプの人は株式投資に手を染めない方がよいということになります。

しかし、どんな人でも株式投資で成功する可能性はあります。

ただし、株式投資で成功する絶対的な法則があるわけではありません。

よく株式必勝法と称する書籍にお目にかかりますが、必勝法があると語る人は恐らく「嘘つき」か「詐欺師」に違いありません。

必勝法が事実とするならば、それを説く人は大金持ちになっているはずです。

しかし、株式評論家で資産家になったという話は聞いたことがありません。

一度や二度の成功経験だけで必勝法だと考えたら大きな間違いなのです。

株式というのは、その商品特性から考えて必勝法が存在することを許さないためです。

極端な例を挙げてみましょう。

ご承知のように株式の売買は売る人と買う人があって成立します。

ある必勝法と称する手法で買い信号が出たとします。

この時売り物が出てくる保証はありません。

売り物のないままに買い気配で必勝法が示す株価まで上昇してしまい、売り物が出た時は天井圏ということになりかねません。

これでは必勝の可能性は下がり、成功するかしないかは運次第ということになります。

結局、株式投資には必勝法はなく、成功する確率を高めることしかないわけです。

したがって、成功確率を高くすることこそが成功法則と考えればよいでしょう。

問題は確率を高めるだけの成功法則ですら絶対的なものはないのです。

各人それぞれに自分に合った成功法則を見つける必要があるのです。

これも試行錯誤の繰り返しのなかで自分なりの法則を作り上げていくことになります。

試行錯誤の過程では当然損することもあります。

株式投資でも授業料が必要だと古老は語りますが、こうしたことを指しているのです。

成功例と失敗例を、ただ運の良し悪しで片付けてしまうことなく、その原因を整理していけば、だんだんに自分に合った投資法則が読み取れるようになるのです。

株式の投資行動はそれぞれの性格に影響されることが大きいことは、儲けるタイプ、損するタイプにみた通りです。

それだけに自分の性格にマッチした投資方法を探し出すことが大切なのです。

これが成功確率を高めるための第1のステップと考えて下さい。

この自分の性格にマッチした方法によって「合理的」に行動する。

この「合理的」ということも重要なのです。

これが成功確率を高めることにつながります。

具体的には後日にお話いたします。


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損をしやすい投資家のタイプ [投資の心得]

流れに引っ張られない勇気と決断力、感情に流されない冷徹さ、損得の計算を忘れる遊び心などが、相場に勝利するための心の条件であり、こうした資質を身につける必要があると前にお話しましたが、今回は逆に損をしやすい投資家のタイプを考えてみましょう。

損をしやすい投資家は三つのタイプに分類できます。

第一は天井圏で超強気になるタイプです。

相場が人気沸騰して上げ切った局面で、超強気になって買わなければ取り返しがつかなくなると、焦りにも似た気持ちになって大量に買い込んでしまう、後になってどうしてそんな馬鹿げたことをしたのだろうと反省しても後の祭りというわけです。

どうして、このような行動をとってしまうのでしょうか。

このような行動を取る人は、一度の失敗に懲りずに何度も同じ過ちを繰り返しているケースが多いようです。

周囲の話やマスコミの意見などで居たたまれなくなる人、上昇が続いていると我慢して見送ることができなくなる人に象徴される「衝動的投資」を行なう人が、このタイプにあたると考えればよいでしょう。

衝動的に行動する性格を直さないと同じことを繰り返すことになります。

このようなタイプでは、衝動的に動く前に冷静さを取り戻す訓練が必要になります。

第二は逆に安くなればなるほど弱気になり、大底圏で超弱気になり、底値で叩き売ってしむようなタイプです。

高値を買い、下落過程でも戻りを期待して投げることができずに下にもっていかれる、完全に下げきった大底圏で弱気の極限に到達して投げてしまい、その後の反発に臍を噛むというタイプです。

思い切りが悪く、行き着くところまで行ったら腹を括ってとことん付き合うという開き直りができない性格であり、「優柔不断型」、臆病感覚の人とみればよいでしょう。

「見切り千両」というように思い切りは損を大きくしない条件なのです。

第三は主体感覚のないタイプです。

金融機関の営業員の勧めで買って損した、投資レポートを読んで買って損した、友人に聞いて買ったが損したという話が日常茶飯事のように聞こえてきます。

損をこぼす人の共通点は主体性がないことです。

投資に当たっては「他力本願型」、そして損も他人の所為にしていることです。

投資行動は大切な資金を投じて儲けようという行動です。

それだけに自ら研究するという自主的な努力が必要です。

自らが研究した対象だから、売り・買いのタイミングも自ら判断できます。

他力本願では買い時期から売り時期までいちいち聞かなければいけないわけで、高値を買ったり、売り時を逃してしまうということにもなるのです。

自分が、この三つのタイプに入っているかいないかを確認してみましょう。


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損得に影響する精神面の違い [投資の心得]

スポーツの世界で、「心・技・体」という言葉がよく使われています。

この充実こそが勝利の条件といわれています。

如何に技が優れ体力が充実していても、心理面のたくましさがなければ勝てないというのです。

この考え方は株式投資にも通用することです。

技は投資技法や投資に関する研究心と考えればよいでしょう。

体は投資力ということになるでしょう。

普通は投資力が十分で研究熱心ならば、勝利は間違いなしと考えてしまいます。

ところが、この二つの条件が整っているのに、なかなか成果が上がらないケースが多いものです。

その理由は心の部分が欠落しているためです。

心とは精神面を指しています。

多くの投資家をみていますと、投資経験は豊富なのに儲かったケースがあまりみられない人もいます。

一方で投資経験からすれば1軍半並みでしかないのに、好成績を上げている投資家もいます。

株式投資では儲かるタイプと損をしやすいタイプがあるということです。

この二つのタイプにはそれぞれ共通している点があり、これを左右しているのがまさに心の部分なのです。

儲かるタイプの人をみますと、共通点の第一として挙げられるのが、悲観が強い時に逆に強気の感覚を持てる人だということです。

「万人が弱気なら買いのタネを蒔け」と相場格言が語っていますように、総悲観の時は買いのチャンスです。

しかし、人間には弱気心があるもので、総悲観の時はやはり弱気になってしまいがちです。

このような時に強気になれるたくましい精神力の持ち主が成功しているのです。

過去を振り返ってみて、相場が底を打った時点での投資家一般の心理を思い出してみましょう。

そこでは弱気心理が充満しており強気になれた人は少なかったはずです。

しかし、そこで強気になっていれば成功したことは明らかです。

第二は第一の逆になりますが、万人が強気でマスコミも買い信号を鳴らしているような買わなければ損という空気が充満している時に、さっさと利食いする勇気がある人です。

皆が強気ですから、もう少し持ち続けてみようと考えるのが人情というものです。

ところが、こうした時が相場の転換点になりがちなのです。

売り損ねて儲けを少なくし、状況によっては損に転換することになりかねません。

IT人気のピーク時点を思い出せば納得できることです。

この二つの例にみるように、流れに引っ張られない勇気と決断力こそが相場に勝利するための心の部分と考えればよいでしょう。

これに加えて感情に流されない冷徹さ、損得の計算を忘れる遊び心などが挙げることができます。

こうした共通点と自分の心の部分を照らし合わせて、十分に儲ける適性を備えていると考えれば自信を持つべきですし、欠ける面があれば何に注意すべきかを考えてみることが重要です。

こうした認識を持つことだけでも成果は違ってくるはずです。


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株式投資にも通じる「孫子の兵法」 [投資の心得]

孫子の兵法書は、古くから日本の戦国武将に愛読されたと伝えられています。

武田信玄の「風林火山」が孫子の軍争篇を土台にしたことは有名な話です。

林羅山、山鹿素行、新井白石、吉田松陰など江戸時代の学者も孫子研究の書物を残しています。

またナポレオンが孫子の兵法書を座右の指南書としたこともよく知られていることです。

第1次世界大戦を引き起こし敗れたドイツ皇帝ウイルヘルム二世は敗戦後に孫子の兵法書を読んで、「20年前にこの本を読んでおれば」と残念がったというエピソードも残っています。

現在は孫子の兵法書はビジネス社会で多くの経営者の愛読書になっています。

戦争の指南書というだけでなく、経営の戦略にも通じるものがあるためです。

企業戦争も戦争に変わりはありません。

通常の戦争とは武器を持つか持たないかだけの違いでしかありません。

それだけに孫子の兵法は経営戦略にも有効なわけです。

考えてみますと株式投資も戦争といえます。

株式市場という場で見えざる敵と知恵比べの戦争を行なうものと考えることができるからです。

孫子の兵法は、勝敗を左右する戦法から、戦略、人間関係、心理などを詳しく述べていますが、このようなことは株の世界でも重要であり、孫子の兵法が有効であることは当然です。

ここで孫子の兵法を詳しく述べるつもりはありません。

関心がある方は専門書で研究したらよいと思いますが、参考までに紹介しておきたいことを挙げておきます。

「敵を知り己を知れば百戦あやうからず」、「敵を知らずして己を知れば一勝一負す」と語っています。

相場や投資対象のことを十分に知り、自分の資金量、経験や技量の程度を知ったうえで相場に対応できれば損することはない、相場のことはともかく己の資力や技量の程度を知っていれば2回に1度は儲けにつながるという意味と考えればよいわけですが、相場や企業の勉強もせず、自分の資力や知識をわきまえもせず、相場に挑んでも失敗するだけだと戒めていると考えればよいでしょう。

孫子の戦い方の基本は

①臨機応変であること
②兵力に応じた戦い方

株式投資では臨機応変な姿勢が重要であることは、前回にも「君子豹変も必要」と紹介しましたが、孫子もこれを語っています。

買うつもりでいたが、相場の流れがおかしいと考えれば買いから売りに方針を一転させることが必要だということです。

兵力に応じた戦い方というのは資金量といえます。

資力をはるかに超えた投資を信用取引、デリバティブを活用して行なうことは、取り返しのつかないことにつながる可能性があります。

また、資力一杯の時でも機敏な行動によって大ケガをしないようにすることが大切です。

大ケガは再起不能につながります。

資力を超えた無理な戦いは避けなければいけません。


超訳孫子の兵法

超訳孫子の兵法

  • 作者: 許 成準
  • 出版社/メーカー: 彩図社
  • 発売日: 2011/03/24
  • メディア: 単行本




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「君子豹変」も必要な知恵 [投資の心得]

「バカの一つ覚え」という言葉があります。

何か一つのことを覚えると、これをどんな場合にでも使おうとすることを指した言葉です。

人間、生きていく過程で、様々な状況や場面に遭遇しますが、その時にはそれにマッチした判断を下して対処していかなければいけません。

その結論や行動はケースバイケース、現代のように変化の激しい時代には臨機応変であることが求められます。

いつも同じ行為の繰り返しでは「バカの一つ覚え」と言われかねませんし、これによって落とし穴にはまってしまいます。

このことは株式投資でも当てはまるのです。

株式投資に当たって最もいけないことは、「こだわり」だといわれます。

投資方法へのこだわり、銘柄へのこだわり、投資尺度へのこだわりなどです。

どうしても人間は自分が良いと考えたら、良いと思い込んでしまうものです。

これこそが「こだわり」であり、「過信」にほかなりません。

過信は何事においても危険と背中合わせです。

典型的なのがドライブテクニックへの過信、これが自動車事故の大きな原因になっています。

同じ銘柄に対する考えが、午前は強気であっても、午後には弱気になっても何ら構わないのです。

日常の生活で朝と夜で言うことが違っていたら、「彼の言うことはまったく信用できない、言うことがころころ変わるのだから」と批判を浴びることになります。

しかし、投資の世界ではこんなことにこだわってはいけません。

投資判断が時間の経過で変わっても何の不思議ではないのです。

これは材料の判断ミスのケースもありますし、材料自体に変化が生じることもあるためです。

突然、増益予想が減益予想に変化するといったようなことが起こるのです。

株式市場は世の中の変化を敏感に察知して動くものです。

しかも、最近は変化の動きも急です。

ですから今日は買いの材料とみられたニュースが、翌日には逆に評価が売りに変わることがあるものです。

買いだと考えて購入した銘柄について、判断を間違えたと思ったら直ちに売却することが必要なのですが、自分の判断は間違っていないとこだわって、売り損ねてケガが大きくなります。

ですから、株式投資においては、こだわりを棄てて臨機応変に対処する姿勢が重要なのです。

考えや意見をころころ変えてしまうことを「君子豹変」と言います。

冷やかす言葉のように聞こえますが、君子たるもの豹変しなければならない時はそれを恐れてはいけないという意味が含まれているといわれています。

株式投資では、この「君子豹変」のスタンスこそが、「こだわり」よりもずっと重要な姿勢です。

これが損失を小さくする知恵と考えてください。


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大きく儲けて小さく損する [投資の心得]

株式投資で財をなすには、「大きく儲けて小さく損する」ことが鉄則だと、昔から言われています。

投資機会が百戦百勝ということは、株式投資では考えられないためです。

可能な限り勝率を高めることが必要なのですが、仮に勝率が7割でも勝利した時の儲けがいずれも小幅で、負けの3割のうち1割分だけでも大きく損すれば何にもなりません。

大きく儲けて損は可能な限り小さくすることが重要なのです。

具体的にみてみましょう。

100万円ずつ投資して7勝した分はすべて10万円の利益だとすれば儲けは合計して70万円です。

3敗したとして、そのうち2敗はいずれも10万円の損でしたら、まだ50万円残ります。

ところが、最後の1敗で株価が半分以下になって60万円も損したとすれば、7勝しながらトータルで損ということになります。

だから勝率も重要ですが「大きく儲けて小さく損する」心構えが重要なのです。

ところが、これが簡単なようにみえて難しいのです。

多くの人は「小さく儲けて大きく損する」ことが多いと思います。

何故でしょうか。

株価が上昇すると、何時反落するかと言う不安が先に立ち、利益を確実にしようと早めに売却してしまう一方で、下落すると回復を待って持ち続けるために、ケガが大きくなってしまうからです。

こうした状況を避けるためには、どうすればよいでしょうか。

少なくも「小さく損する」ことを心掛けなければいけません。

この点で注目されるのが、米国では「10%プラン」、国内では「1割転換法」と言われている手法です。

これは「株価が1割下がったら売れ」というものです。

購入価格とは関係ありません。

高値から1割下がったら理由抜きにして売却しなさいと言うものです。

2000円まで上がった銘柄が1800円まで下がったらとにかく売るのです。

その代わり上昇過程で1割以下の下げだったら持ち続けることになります。

大きく儲けられるかどうかはともかく、1割下がったら売るのですから、仮に天井で買っても1割の損で済むことになります。

この手法を守れば半分以下になったとか、3分の1になったとかいうような大きな損につながることはないはずです。

また小さな動きのなかでは売却しませんから、大相場を取る可能性も高くなります。

この手法は、株価が1割変動することは、それまでのトレンドが変わったことを意味するものだとする考え方を基本にしています。

株価のトレンドが逆転すれば、暫くは同じ方向に進む傾向があります。

下げに転じれば下げトレンドがある程度は続くと考えて、早めに対処した方がケガは少なくて済むという考え方です。

この方法を利食いの手法、損切りの手法として利用することも一考に値すると思います。


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応援団の心意気が成功につながる [投資の心得]

ファン心理とは損得を考えたら理解できないものです。

プロ野球私設応援団の勝敗無関係の熱心な応援ぶり、サッカーJリーグのサポーターのスタンドを埋め尽くしての熱狂的応援、いずれも関心がまったくない人にとっては摩訶不思議なことだと思います。

まして勝敗に一喜一憂して、場合によっては仕事も手につかなくなるという話を聞けば、どちらが勝とうと損得につながるわけでもあるまいしと、冷めた目でみる人が少なくないようです。

ところが、ファンにいわせれば、このチームが好きだから応援したいだけの話、何事も損得勘定で考えてしまう人には理解できないかもしれないが、損得勘定だけでは世の中まったく無味乾燥な殺伐としたものになってしまうといいます。

このファン気質は「俺達の町」、「俺達の学校」といった誰にもある「心のふるさと」と共通したものではないでしょうか。

そう考えれば理解できることですし、ファン気質は大切なことだともいえます。

例えば、友人との付き合いも意識として欲得が先に立てば、自然と壊れてしまうものです。

損得抜きの付き合いが長い友情をはぐくむものです。

こうした理屈は株式投資でも同じことだと考えたらどうでしょうか。

儲けたいという一心だけが先にたって投資しても、必ずしも成功するものではありません。

損得を離れて会社に惚れてみることも大切なことだと思います。

このような会社なら長期に応援してみようと考えたら、これを短期の株価の上下には関係なく長期に持ち続けてみる。

まさに応援団の心意気です。

長期に応援しようというからには、当然それだけの理由があるはずです。

例えば、その事業の長期的展開への期待、経営者の先進性や人となり、株主や従業員・顧客を大切にする姿勢、地域に溶け込んで地域発展に貢献し続けている等々などが考えられます。

スポーツの場合と応援する理由は同じ、惚れさせる魅力があるか否かということです。

こうした投資家をファンとして惹きつける魅力のある企業の中には、不思議なことに短期的に上下波動をみせることがあっても、3年~5年単位、さらには10年単位といった長期的な動きでみるとその株価は右肩上がりのトレンドになっているものが多くみられます。

欧米の年金など長期投資を行っている資金は、これと思った企業はコア・ストックとして短期の株価動向は無視して長期に保有して、結果として好成果をあげているのです。

わが国の機関投資家は1年ごとの決算成績が問われる仕組みになっていますから、こうした長期の視点よりも短期の株価変動に目が奪われがちです。

個人投資家は機関投資家と違って1年ごとの決算に縛られないのが強みです。

惚れた銘柄はとことん長期に保有することも可能です。

これによって巨富を得た人が少なくないのです。

企業に惚れ、これを応援する心意気が、こうした成功につながることが多いことを忘れないでください。


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投資行動でも潮の流れが大切 [投資の心得]

ゲームにしろスポーツにしろ、何事にも潮の流れのようなものがあるようです。

プロ野球の実況中継のなかで解説者が語る話のなかで、「流れが相手に移った」とか、「流れを引き寄せた」という言葉をよく聞くことがあります。

一つのチャンスが訪れた時、これを無為無策でミスミス逃したような時、押し気味のゲームでありながら一つのエラーで相手にチャンスを与えてしまった時に語られるフレーズです。

この流れが変わる場合のきっかけは様々ですが、このような例が多いことは事実です。

或るシーズンの春先のタイガースとベイスターズの3連戦の最終戦でこういうことがありました。

7回まで双方投手が1安打ピッチングと緊迫した試合で0対0、投球数も少なく両投手とも崩れる気配はありませんでした。

試合も終局を迎え、動くか動かないか決断を要しますが、崩れる気配がなければ先に動いた方が流れを切ってしまうものです。

結果的にはやはり8回表に投手に代打を送って先に動いたベイスターズが、8回裏に代わった投手の連続四球で流れを相手にプレゼントして敗れました。

こんな話をしますのも株式投資でも、この流れというものを重視する必要があるためです。

投資経験のある人には理解できると思いますが、担当セールスマン、あるいは友人・知人に奨められた銘柄を深い考えもなしに買ってみたら思いもかけない成果につながることがあるものです。

これが2度・3度と続いたら、これは流れに乗っていると考えた方がよいのです。

相場格言にも「当たりやに付け」という言葉があります。

これを逆に考え過ぎて、こんなことが続くはずがないと、自ら流れを止めることは避けるべきです。

下手に流れに逆らう必要はありません。

失敗して初めて、流れが他に移ったと考えて休めばよいのです。

逆に投資する銘柄がことごとく上手くいかないケースもあります。

詳細に調べて下落するはずがないと考えたのに、下落するというケースもあるのは、株価は理屈だけではない融通無碍なところがあるためです。

このようにことごとく上手くいかない場合は、潮の流れが自分に向いていないということです。

このような時は行動自体を自粛し、流れが自分に向いてくるのを待てばよいのです。

この待つということが流れを引き寄せる手段になります。

上手くいかないと、あれこれ考えるものですが、流れがこないのに考えてみても、「下手な考え休むに似たり」で何の意味もないことと考えた方がよさそうです。

あれこれ考えるよりは、流れを引き寄せるにはどうしたらよいかを考えればよいでしょう。

このためには実戦は休み、模擬投資行動で流れを探り、これを自分の流れにすることが重要です。

プロ野球でも不振に陥れば2軍で実戦練習を積み、自分の流れを作って1軍に復帰しますが、株式投資でも考え方は同じだということです。


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無視してはいけない企業の血統 [投資の心得]

競馬の世界では、「サラブレッドは血で走る」といわれ、父親・母親の血統が重視されます。

株の世界で、血統が重要だといったら笑われるかもしれません。

ところが株の世界でも企業の血統がモノを言っている事実を見逃してはいけません。

血統というのは、長い歴史によって築かれるものです。

したがって、血統が良いということは、それだけの歴史を持っているということにもなります。

この間に築き上げた企業としての信頼性も高いはずです。

さらに血統を汚さないことが求められ、グループ内での経営に対するチェック機能も働いていると考えられます。

したがって、思わぬ不祥事で苦境に追い込まれるケースは相対的に少ないと考えられます。

企業をみる場合は、経営者をみることが大切だとお話したことがありますが、経営者の能力を一般の投資家が判断することは簡単ではありません。

世間の評判が良いから優れた経営者というわけでもありません。

逆に世間の評判を良くするため社外での活動に精を出し、会社のことがなおざりになっているというケースもあるのです。

経営の神様といわれた故松下幸之助氏は財界活動には一切目をくれませんでした。

経営者の能力判断が困難だとすれば、その会社の血統を見ることが重要になります。

血統が良い企業は、血を優先した企業同士の支援が十分に行なわれるでしょうし、経営に対するチェック、サポートも行なわれるからです。

旧財閥グループでは主要企業で定例的な社長会が開催され、様々な案件が議論されています。

銘柄選別にあたっては、リスク回避のためにも、企業の血統・素性といったものにも目を向けることも大切な場合があることがお分かりいただけると思います。


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