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東証アローヘッド [東京市場]

東京証券取引所の株式売買システムが約10年ぶりに刷新され、世界標準に準拠した新システム「arrowhead(アローヘッド)」が2010年1月4日から稼動する。
従来のシステムより売買スピードがおよそ100倍速くなるほか、売買の際の株価の刻みが細かくなるなど利便性が増し、日本株の売買をしてこなかった市場参加者が新たに参加するようになるとの期待感が高まっている。
ニューヨークを本拠地とするある大手ヘッジファンドが「東京オフィスを開設するようだ」と話題を呼んでいる。

その理由はただ1つ。
アローヘッドの稼動により、東京の株式市場で直接売買するメリットが大きいとみているためだ。

そのヘッジファンドは、運用資産残高280億ドル(約2兆5200億円)を持つ大手。
現行の東証システムはスピードが遅く、超高速のプログラムトレーディングなどを行う市場参加者からすれば、時代遅れの代物だった。

しかし今後は他の取引所や証券会社が運営する社内システムとの相関で、株価の格差を利用したアービトラージ取引などが活発にできるようになるという。


そんな新たな市場参加者を呼び込む新システム、アローヘッドとは、いったいどんなものか。

アローヘッドでは、市場参加者が売買の注文を出した後、取引が成立して受付通知が取引所から来るまでの応答時間が5ミリ秒(ミリ秒は1秒の1000分の1)に短縮される。
東証から各ユーザーのコンピューター画面に表示される株価や気配値といった取引に欠かせない情報が表示されるまでの配信時間も、3ミリ秒しかかからない。
現行システムに比べ「ざっと100倍の速さのシステムになる」というのが、証券界や投資家の共通認識。
これまでのように値動きを人間の目では追えなくなり、新たな世界が形成される。
実は、ミリ秒級のスピードは、国外の主な証券取引所ですでに導入されており、東証は後発組。
東証は、世界標準への脱皮を図るべくハードウエアにとどまらず、ソフトウエアも更新。
約10年ぶりとなる抜本的なシステム投資のコストは、初期投資が130億円、今後5年間の運営コストを含めると総額300億円に上る大規模プロジェクトになる。

変わるのはスピードだけではない。
スムーズな約定を促し、価格形成を円滑にするため、呼び値の刻みを細分化する。

株価によって該当しない場合もあるが、呼び値の制限値幅や気配値の更新値幅は拡大し、売買しやすくする。
年金などの機関投資家が、理想の株価で売買し、資産運用の成績を向上させたいという最良執行の意識を高めていることも、ニーズ拡大を見込める背景だ。


一方、懸念も残る。

いくら証券取引所の売買システムが最先端になっても、目先期待できるのは、コンピュータープログラムを作り込んで極めて高速な売買を繰り返すハイ・フリークエンシー・トレーダーと呼ばれる人々の売買。

彼らのマネーは、短期間で入っては抜け、抜けては入りを繰り返す。

流動性は高まっても、年金の運用資金のように長めのおカネが流入しなければ、日本の株式市場の活性化にはつながらない。


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