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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週の為替相場は、ドル/円でのドル高・円安とユーロ安の持続性を見極めつつ、全般的に世界的な株安と円高の一段落を模索する展開となる。
FRBによる18日の公定歩合引き上げは、実際の利上げを示唆するものではなく、あくまで市場の正常化を狙ったものという見方が強い。
24-25日にはバーナンキFRB議長の議会証言が控えており、議会からの「FRBの非伝統的手段が金融機関の儲け過ぎや、国債買い入れによる財政規律の悪化を招いた」という批判を封じ込めておく、という政治的な配慮も指摘されている。
そのため、ドル高の持続性には不透明感が残る。

とはいえ、市場の意表を突いたFRBの出口戦略始動は
・米国経済や米国株の回復軌道入りに自信を深めている
・昨年までのドル安放置が後退した
・次なる景気後退時に備えた政策手段の確保に動き始めた
といった点が注目されそうだ。

とくに今週は米国債市場で過去最大規模の入札が予定されている。
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かたやFRBによる国債買い入れは2月で終了するため、増発の続く米国債の消化には「新たな買い手」の確保が急務となってきた。

ましてやギリシャの財政危機により、世界的にソブリン・リスクが警戒されている。
その中にあって海外の公的・民間マネーの米国債への取り込みが重要性を増しており、米当局は「ドルの安定化を政策的な優先課題にシフトし始めた」という観測が浮上してきた。
IMFによる金の売却方針も、米当局のドルの安定化策を先取りした動きという思惑がくすぶっている。
さらにドルが安定化すれば、中国も人民元の切り上げに伴うドル急落リスクが後退。
巨額なドル外貨準備高の為替差損という返り血リスクが低減されるため、通貨改革に着手しやすくなってくる。
同時に米国経済については、刺激策が息切れする夏以降の再減速リスクが消えてない。
その際には政策手段が限られているため、景気が回復している現段階に、少しでもドルを持ち上げて次なるドル安政策のノリシロを確保しておく必要性が高まってきた。
一方、今週もユーロ安が波乱要因となる。
とりあえずのターゲットであった1.3500ドル割れを達成し、ユーロの下攻めに一服感が漂うが、調整的な買い戻しが一巡してくると、1.3300ドル、1.3000ドル、1.2800ドルなどを意識したユーロ安が再燃するという見方も強い。
ユーロ/円でのユーロ戻り売り(円の押し目買い)が、円高リスクとしてくすぶる。
その中で今週からは旧正月連休を終えた中国上海株市場がスタートする。
中国の預金準備率引き上げや米国の公定歩合引き上げといった悪材料を吸収し、上昇となればリスク選好の円全面安、反対に下落が続くとリスク回避の円全面高という波乱要因となる。
その他、東京市場では24日や26日などに、まとまった外貨建て投信の設定が予定されている。一定の資金が集まるようなら、クロス円を中心とした円安・外貨高を支援しそうだ。
経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<22日・月>
旧正月明けの中国株式市場が本格スタート
(米中の中銀「出口戦略」受けた反応焦点。上昇なら円安、下落なら円高)
25:00 イエレン・サンフランシスコ連銀総裁、米経済について講演
(出口戦略に前向きならドル高、慎重ならドル安の一方で株高・円安にも)

<23日・火>
18:00 独2月Ifo景気動向指数
(刺激策の剥落や欧州財政問題などが景況心理を圧迫。改善ならユーロ買い戻し波乱)
23:00 米12月S&Pケースシラー住宅価格指数
(米国の住宅市場は緩やかながら改善傾向)
24:00 米2月消費者信頼感指数
(個人消費は緩やかに改善。天候悪化や2月の季節的な消費低迷などが下振れリスク)
米決算発表=ホーム・デポ、シアーズ、ターゲット、メーシーズ
(小売大手だけに先行きの収益見通しが米国消費の先行指標に)
米2年債入札440億ドル
(入札前の需給懸念や実績の不調リスクが金利上昇とドル高、順調消化が金利低下とドル安)

<24日・水>
08:50 日1月貿易収支[通関統計]
(1月は正月要因などから赤字傾向。為替需給面では円安材料に)
09:30 豪10-12月期賃金コスト指数
(最近の雇用指標は予想を上回る。上昇なら利上げ観測と豪ドル高を支援)
10:30 山口日銀副総裁、出張先の金融経済懇談会で講演、午後に会見[鹿児島市]
(追加緩和策の可能性を示唆なら円安、新味なければ材料にならず)
野村アセットマネジメント・新エマージング債券投信の設定
(米ドル、豪ドル、南ア・ランドなどの通貨型、設定高水準なら対円での各通貨高を支援)
24:00 米1月新築住宅販売件数
(11月期限であった税控除が延長。先行きの金利上昇リスクによる駆け込み需要も焦点)
24:00 バーナンキFRB議長、下院金融委員会の公聴会で半期金融政策報告の証言
(出口戦略や景気見通しに前向きな発言ならドル高、利上げ慎重なら株高・円安)
米5年債入札420億ドル

<25日・木>
09:30 豪10-12月期民間設備投資
(根強い中国向け需要などから設備投資は底堅さ)
17:15 スイス10-12月期失業/雇用水準
(予想下回るとスイス中銀のスイス高阻止介入への警戒感を助長)
22:30 米1月耐久財受注
(1月のISM製造業景況感指数では「新規受注」が04年12月以来の高水準)
22:30 米新規失業保険申請件数
(3月上旬発表の雇用統計の参考に。回復ペースは一服も緩やかに失業は減少)
22:35 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁、商業会議所の朝食会で講演[オハイオ州デイトン]
23:00 バーナンキFRB議長、上院金融委員会の公聴会で半期金融政策報告の証言
27:15 ブラード・セントルイス連銀総裁、米経済見通しについて講演[テキサス州]
(いずれも出口戦略に前向きならドル高、慎重ならドル安の一方で株高・円安にも)
米7年債入札320億ドル

<26日・金>
08:30 日1月全国消費者物価指数
(低迷なら日銀の追加緩和策への期待感による円安材料に)
08:50 日1月鉱工業生産[速報]
(改善傾向も先行き予測での自動車リコール問題の影響が懸念材料)
国内投資家向けの外貨建て投信の設定集中
(資金流入の実績次第でクロス円を中心に円全面安)
22:30 米10-12月期国内総生産[速報]
(在庫要因などによる上方修正がドル高波乱)
22:45 米2月シカゴ購買部協会景気指数
(3月1日予定のISM指数の参考に。NY連銀やフィラデルフィア連銀の景況感指数は改善)
24:00 米1月中古住宅販売件数
(11月期限であった税控除が延長。価格下げ止まりや先行きの金利上昇リスクによる需要焦点)

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