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為替相場展望 [為替情報]

今週の為替相場は、リスク回避の円高、対円以外のドル高の激化と短期的なクライマックスによる揺り戻しをにらんだ展開となる。

欧州財政危機は世界的な信用不安や金融不安に伝染しつつあり、14日には仏ユーロ離脱の思惑報道までユーロ安材料となった。

その中で米国株も、昨年3月からの長期上昇に反動調整が本格化。

信用不安によるリスク資産圧縮の他
・決算改善や景気回復の織り込み
・景気刺激策の剥落と先行きの財政引締め(増税など)懸念
・金融規制や相次ぐ摘発での金融機関叩き
・対ユーロなどドル全面高による米輸出の圧迫
・リスク回避の資源安
などが悪材料

さらに欧州各国の緊縮財政プランは、一時こそ信用不安の後退となる場面もあったが、「先行きの景気下押し」や「財政不況回避のための金融緩和と通貨安の政策長期化」という思惑に作用。
リスク回避とユーロ安に拍車を掛けている。

巨額な財政赤字を抱える英国でも、同じような連想からポンド安の圧力が高まってきた。

円相場は引き続きリスク回避の円高や、ユーロ/円やポンド/円が主導する円高が警戒されることになる。

もっとも「万人が総弱気」になった時に、転換点を迎えるのが相場の歴史でもある。

欧州当局内では危機対応が本格化してきたほか、G7閣僚が2週にわたって電話会議を開催するなど、政策協調による混乱回避の芽も生まれ始めた。

日本でも20-21日に日銀の金融政策決定会合が予定されており、「年内のデフレ脱却」を果たすための株安・円高阻止対応が注目されるだろう。


トレーダーズマーケット また、米株投資家の不安心理を示すVIX指数(ボラティリティー指数)は約1年ぶりの高水準(=信用不安)で高止まりしているが、リーマン・ショック時を除くと、過去のVIX急上昇を伴った株安局面は20-25日間程度の持続パターンが見られてきた。 今回はゴールドマン・サックスが摘発された4月27日から始まっており、5月14日で約14営業日となっている。テクニカルな日柄調整としては、あと1-2週間が混乱ピークの焦点となる。 さらに株安・資源安・円高に拍車をかけたのが、ヘッジファンドなどの6月半期末に向けた「45日ルール」であった。 解約対応などの受け付けを決算期末の45日前までに行うというもので、ちょうど5月半ばが期限となっている。 今週からはこうした特殊事情による現金化やヘッジ対応、ポジション整理などは一段落しそうだ。 その他、現在はリーマン・ショック直後と同じように、リスク回避の円高・ドル高と、ドル高を上回る円高による円全面高の激化が警戒され始めた。 しかし、当時と異なり ・米国を始めとして世界景気は回復軌道にある ・ドルの信認が回復している ・円調達キャリー取引の根っこのポジションが解消された(円買い戻し限定) ・日本に財政リスクと政局不安が残る ・日本の財政不安は国内マネーの対外流出を促す といった円高抑制要因も指摘されている。 経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む) <17日・月> 08:50 日3月機械受注統計(外需主導で改善傾向、着実な景気回復がリスク回避を抑制も) 21:30 米5月ニューヨーク連銀製造業景況指数(最新5月分だけに注目が集まる。株安などの悪影響と持続的な回復軌道をにらむ) 26:00 米5月NAHB住宅市場指数(4月までの税控除もあり、住宅市場は着実な回復傾向) <18日・火> 07:45 NZ・1-3月期生産者物価(最近のNZ指標は強弱混在。上振れなら改めて利上げ期待を支援) 16:30 EU財務相会合(欧州財政危機の泥沼化に対する政策信認の回復策が焦点) 21:30 米4月生産者物価指数(資源高の一服やドル高などがインフレを抑制。金利低下とドル安要因にも) 21:30 米4月住宅着工件数(税控除の期限が4月末であり、駆け込み需要が焦点。住宅ローン金利も低下)ユーロ圏財務相会合 <19日・水> 10:45 ボルカー元FRB議長、スタンフォード大で講演(米国株は金融規制改革法案が悪材料に。一段の規制警戒と過度な懸念後退の両にらみ) 17:30 イングランド銀行、NPC議事録公表[5月10日分](前週は総裁が追加の資産買い取りを示唆。今後の財政危機対応がポンド安材料に) 21:30 米4月消費者物価指数(資源高止まりなどが物価の抑制に寄与。ガソリン小売価格の上昇が上振れ波乱) 27:00 FOMC議事録公表[4月27、28日分](FRBによる住宅ローン担保証券の売却論議がドル高材料に。出口慎重姿勢なら株高・円安にも)米決算発表=ホーム・デポ、ウォルマート、ヒューレット・パッカード(米国株は過熱調整が進展してきただけに、自律反発の材料となるかに注目) <20日・木> 08:50 日1-3月期国内総生産[1次速報](高成長に期待感。安全逃避の円高助長と株高・円安の両リスク) 14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[21日まで] 17:30 英4月小売売上高指数(英国の経済指標自体は改善傾向。ポンドを下支え) 23:00 米5月フィラデルフィア連銀景況指数(株安による景況心理への悪影響と回復軌道の持続をにらむ) 23:00 米4月景気先行指数(同じ先行指数のISM指数は4月に大幅上昇。回復モメンタムは持続) <21日・金> 09:00 日銀金融政策決定会合[2日目、終了後直ちに結果公表](成長企業支援などの追加対応が焦点に。新型オペ増額なら株高・円安の波乱も) 17:00 独5月Ifo景気動向指数(ユーロ安や金融緩和の長期化見通しが独製造業には追い風) 17:00 ユーロ圏5月非製造業PMI[暫定値](ユーロ安の恩恵を受けない非製造業は、信用不安や緊縮財政などがマイナスに) 17:30 英4月住宅ローン承認件数(金利低下などが英住宅市場を支援。銀行融資に伸び悩み兆候なら波乱) 20:00 加4月消費者物価指数 21:30 加3月小売売上高(カナダ経済は比較的底堅さ。利上げ期待の支援がカナダ・ドル高の材料にも) トレーダーズマーケット
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