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為替相場展望 [為替情報]

今週の為替相場は、リスク回避の円高・ドル高(対円以外)後退の持続性と、信用不安のぶり返しリスクをにらんだ神経質な展開が続く。

前週は過度な不安心理が後退した。

背景には
・日米独中での基本的なマクロ指標の改善持続
・欧州中銀(ECB)によるユーロ安定化の口先介入や資金供給の延長
・スペインやイタリアなどでの国債入札消化
・バーナンキFRB議長による景気2番底の否定発言
・欧州危機の東欧伝染や米原油流出事故の被害拡大
といったリスクのいったんの織り込み、といった要因がある。

さらにリスク回避を加速させてきた欧州金融機関による6月期末越えの資金繰り問題や、海外金融機関とファンドなどの6月決算対策なども、最悪の混乱期を脱しつつある。

いずれもユーロの下げ止まりや、クロス円を中心とした円安を支援するものだ。

一方で中長期的には、欧州発の財政金融危機への警戒感は根強い。

日本の「失われた10年」のような負のデフレ・スパイラルを招くリスクが残されている。

緊縮財政が景気を冷却させ、それが不良債権を増大させ、金融不安が助長されるという悪循環を回避させるためにも、「欧州はユーロ安是認による外需底上げで時間稼ぎをするしかない」という見方が広がっている。


fx シグナル配信 さらに新たな悪材料としては ・米中の通商摩擦再燃と人民元の切り上げ問題 ・中国のインフレ懸念と引き締めリスク ・欧州での金融規制の強化と米国の規制法案の不透明感 ・資源安による資源国の成長鈍化や利上げ余地縮小 ・リスク回避後退の場合の対円以外でのドル反落など いずれも潜在的な円高材料となり得るものだ。 今週のイベントしては ・14日から国内で増加する外貨建て投信の新規設定が円安 ・15日のドイツZEW景況指数の改善期待がユーロ高、16日の米住宅着工が反動減によるドル安、同日の米鉱工業生産が大幅改善によるドル高 ・17日の米消費者物価指数(CPI)が低下によるドル安 ・17日のEU首脳会議が危機対応での協調確認によるユーロ高 日々の材料に一喜一憂の展開が見込まれている。 また、テクニカルの一目均衡表では、ドル/円、カナダ/円などで先行スパンの雲の上抜け定着か、失敗かというトレンド左右の重要分岐点に直面してきた。 同様に米株投資家の不安心理を示すVIX指数(シカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数)も、雲の下抜け(=リスク回避後退の株高・円安)か、雲の下抜け失敗による再上昇(=リスク回避の株安・円高)かを巡る首の皮一枚の攻防を迎えている。 今週前半に出てくる材料が、6月後半相場の行方を左右しそうだ。 経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む) <14日・月> 08:50 日4-6月期法人企業景気予測調査 (7月短観の参考指標に。ギリシャ危機の影響などが焦点) 18:00 ユーロ圏4月鉱工業生産 (ユーロ安効果などで底堅さも) 21:30 加4月新車販売台数 (カナダの経済指標は総じて順調な回復傾向) 国内で外貨建て投信の新規設定がスタート (月末にかけて継続。ボーナス資金の需要があれば円安・外貨高要因) <15日・火> 09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[2日目、終了後直ちに結果公表] (成長分野への資金供給の具体策や期間、規模などが焦点) 10:30 豪中銀6月金融政策決定会合の議事録公表 (欧州危機の影響分析が焦点。利上げ終盤が示唆されると豪ドル安、夏の再開示唆なら豪ドル高) 15:30 白川日銀行総裁、記者会見 (欧州危機の影響や菅新政権の「緊縮財政+超金融緩和+円安」強化思惑への反応焦点) 17:30 英5月消費者物価指数 (構造的な物価高体質もあり、デフレ圧力が限定。ポンドを下支え) 18:00 独6月ZEW景況感指数 (ユーロ安効果や資金供給の拡大などで底堅さも。財政危機による心理悪化は悪材料) 18:00 ユーロ圏4月貿易収支 (ユーロ安効果による黒字改善の度合いをにらむ) 21:30 米6月ニューヨーク連銀製造業景況指数 (最新6月分の最初の指標。底堅さを維持なら過度な不安後退) 23:00 米6月NAHB住宅市場指数 (緩やかな下げ止まりの流れ。4月末での税控除打ち切りの影響が波乱) <16日・水> 17:30 英5月雇用統計 (英国の雇用指標自体は改善傾向に) 21:30 米5月生産者物価指数 (資源相場の反落が押し下げ要因。米債金利の低下とドル安にも) 21:30 米5月住宅着工件数 (税控除の期限が4月末のため、反動による急減を警戒) 21:30 米5月建設許可件数 (着工の先行指標。税控除終了を住宅ローン金利の低下が相殺できるかが焦点) 22:15 米5月鉱工業生産 (5月自動車販売の好調さや原油流出事故の処理作業などで上振れの可能性) 30:45 バーナンキFRB議長、ニューヨークで講演 (過度な不安心理を払拭させるような発言に注目が集まる) <17日・木> 16:30 スイス中銀、政策金利発表 (改めて通貨高阻止への姿勢を示すとスイス安・ユーロ高の波乱) 17:30 英5月小売売上高 (欧州不安による伸び悩みリスクに警戒感) 21:30 米5月消費者物価指数 (資源価格の下落が下振れ要因。米債金利の低下とドル安材料にも) 23:00 米6月フィラデルフィア連銀景況指数 (欧州不安や株安による心理悪化と、内需改善や資源下落の強弱材料が混在) 23:00 米5月景気先行指数 (前月は13カ月ぶりに前月比で低下。景気刺激策の剥落などで先行きは成長鈍化の懸念) EU首脳会議 (財政危機に対しての結束確認ならユーロ高。失望のリスクも排除は出来ず) <18日・金> 17:30 英5月公共部門純借入所要額、公共部門ネット負債 (英国も潜在的な財政危機のリスクをはらむ) 21:30 加5月景気先行指数 (欧州危機や資源安による先行きの成長ペース鈍化に警戒感) fx シグナル配信
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