今週の為替相場展望 [為替情報]
今週の為替相場は、根深いドル全面安の継続と過熱調整をにらんだ展開となる。
8日の米雇用統計は予想を下回り、改めて米国の低迷長期化観測が広がった。
11月FOMCでの追加緩和観測が全般的なドルの戻り売りを招きやすい。
ドル/円は9月の介入レベルを下回っており、「過去最安値の79.80-90円方向を試さないことには達成感が出てこない」という見方が広がる。
すでにドルは対ユーロや対豪ドルなどで、節目の安値を更新してきた。
こちらもドル安継続が想定される反面、過熱調整による短期的なドル買い戻しも波乱材料となっている。
ただでさえ、世界的にドル調達による欧州通貨高、資源通貨高、新興国の株高、資源高などには過熱バブルも警戒され始める。
何らかの材料による調整巻き戻しが、潜在的なドル全面高と欧州通貨安、資源通貨安となる潜在マグマが増幅されてきた。
ドル/円ではドルを支援するものの、クロス円主導で円全面高となるリスクは消えていない。
一つの焦点は日本の介入だ。
週末G7で「通貨安競争の回避」で合意されると、介入は実施しにくくなる。
中国人民元への切り上げ圧力も、同じアジア通貨の円を連れ高とさせるものだ。
一方で「為替の安定化」で合意されると、ドルや円の安定化につながるという期待感もある。
米国に対しても基軸通貨国の責務として、実質ドル安誘導やドル安放置の見直しを迫る契機となる。
すでにトリシェECB総裁などはドル安・ユーロ高牽制を行っているほか、ドルキャリーの過熱による世界的なバブルのリスクも警戒され始めた。
今後は「通貨切り下げ競争の一因」であるドル安の修正も焦点となりそうだ。
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