今週の為替相場展望 [為替情報]
今週7月11-15日週の為替相場は、米国景気の不安再燃を受けたドル安やリスク回避の円高の持続性をにらんだ展開となる。
前週末8日には円が全面高。
米国の6月雇用統計や失業率が予想を超えた悪化となり、改めて米国の長期低迷が不安視された。
米国債金利も急低下(債券価格は下落)しており、ドル/円は80円割れリスクが警戒されつつある。
その中で13-14日には、バーナンキ米FRB議長が半年に1度の議会証言を行う。
再び景気判断を下方修正させたり、追加緩和の選択肢を示唆するようなら、ドル安が加速されかねない。
もっとも8日にNYダウは最終的に下げ幅を縮小させた。
雇用や賃金の伸び悩みは裏表で企業のリストラ努力を表すもので、企業収益にはプラス要因となる。
日本でも03-07年にかけては企業収益の改善と株高が続く一方、家計や雇用は停滞。
格差批判が広がった。
米国も09年以降の「ジョブレス・リカバリー(雇用なき回復)」や「景気低迷下の株高」が持続する可能性も消えていない。
ちょうど今週は11日のアルミ大手アルコアを皮切りに、米国では決算発表が相次ぐ。
改めて底堅い収益見通しが示されると、過度な悲観マインドが後退。
米国の株高と緩やかなペースによる「リスク選好の円安」に戻る余地も残されている。
同時に雇用統計はあくまで遅行指標だ。
今週の12日FOMC議事録、15日の最新7月NY連銀製造業景気指数、6月鉱工業生産などで反動改善が再確認されると、今後の時間差を経た雇用の持ち直しにも期待感が生まれてくる。
中長期スパンでのドルの下値拾いをサポートするものだ。
バーナンキ氏の議会証言でも、あくまで「特殊要因による一時的な減速」と説明される可能性がある。
一方でユーロは欧州の債務金融不安が重石となる。
相次ぐ格下げや欧州系金融機関に対するストレステストの結果公表、それによる資本不足懸念、将来的な保有ギリシャ国債などの焦げ付き不安が、ユーロの戻り売り要因となりやすい。
さらに前週末には米雇用統計の悪化により、NY原油先物が下落した。
今週の米経済指標や世界の株価次第では、資源安と資源国通貨の下落(豪ドル、NZドル、カナダ・ドル、南アフリカ・ランド)リスクも警戒されそうだ。
テクニカルではドル/円、クロス円ともに21日移動平均線や25日線を意識した神経質な展開が続く。
21日線や25日線の上抜けを保ち、両ラインの方向性が明確な上向き化となっていれば、外貨の下値切り上がりへ(円の戻り売り)。
反対に下抜けや下向き化が定着すると、外貨の下値トライ(円の押し目買い)という手探り相場が想定される。
経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)
<11日・月>
10:30 豪5月住宅ローン約定件数、投資貸付
(豪州の5月の住宅指標は軒並み悪化していた)
14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[12日まで]
(生産の復旧や米国の雇用低迷などへの判断焦点)
15:00 日6月工作機械受注[速報]
(6月短観では設備投資計画が上方修正。底堅さを示すと株高・円安に寄与)
21:15 加6月住宅着工件数
(カナダの6月景況指数はやや悪化)
米企業決算 アルコア[市場終了後]
(決算発表の先頭バッター。過度な悲観論の払拭の鍵を握る)
<12日・火>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[2日目、終了後直ちに結果公表]
(景気判断を上方修正なら追加緩和期待が後退。直前の市場動向次第では円高材料に)
10:30 豪6月NAB企業景況感指数、企業信頼感指数
(6月は雇用指標が改善するも、その他の統計は伸び悩み。米欧中の不安が重石)
17:30 英6月消費者物価指数
(資源反落の影響焦点。高止まりならポンド安を抑制)
21:30 米5月貿易収支
(輸出の底堅さがドルを下支え)
27:00 米連邦公開市場委員会[FOMC]M議事録公表[6月21、22日分]
(資源反落や日本からの部品供給再開などが景気判断のプラス要因)
<13日・水>
11:00 中国4-6月期国内総生産、6月小売売上高、鉱工業生産
(減速に警戒も一定の悪化は織り込まれる。底堅さを示すとリスク回避の円高を緩和)
17:30 英6月雇用統計
(企業のリストラ・ニュースが続いており、低迷警戒が根強い)
23:00 バーナンキFRB議長、半年に一度の議会証言
(6月雇用統計が悪化。あくまで一時的減速と見なすか、景気判断を再び下方修正させるか)
<14日・木>
18:00 ユーロ圏6月消費者物価指数[改定値]
(資源反落が物価高を抑制。水準は高止まりが続くことでユーロを下支え)
21:30 米6月生産者物価指数
(資源反落が前月比でのマイナス要因。米債金利の低下とドル安要因に)
21:30 米6月小売売上高
(ガソリン反落や自動車生産・販売の正常化などがプラス材料)
21:30 米新規失業保険申請件数
(日本からの部品供給再開の「時間差」を経た遅行回復をにらむ)
23:00 バーナンキFRB議長、半年に一度の議会証言[上院]
米企業決算 JPモルガン・チェース[20:00]、グーグル
(収益の伸びは鈍化も、底堅さを示すと過度な悲観を払拭)
<15日・金>
21:30 加5月製造業出荷
(カナダも5月指標は低迷)
21:30 米6月消費者物価指数
(資源反落もコアベースは「4月までの資源高」の累積効果で上昇傾向。ドル下支え)
21:30 米7月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(最新7月指標の先頭バッター。資源反落や株高による心理改善がプラス要因)
22:15 米6月鉱工業生産
(日本からの部品供給再開で自動車生産などが正常化)
22:55 米7月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(資源反落や株高による資産効果がプラス要因。雇用低迷が重石)
米企業決算 シティグループ[21:00]
前週末8日には円が全面高。
米国の6月雇用統計や失業率が予想を超えた悪化となり、改めて米国の長期低迷が不安視された。
米国債金利も急低下(債券価格は下落)しており、ドル/円は80円割れリスクが警戒されつつある。
その中で13-14日には、バーナンキ米FRB議長が半年に1度の議会証言を行う。
再び景気判断を下方修正させたり、追加緩和の選択肢を示唆するようなら、ドル安が加速されかねない。
もっとも8日にNYダウは最終的に下げ幅を縮小させた。
雇用や賃金の伸び悩みは裏表で企業のリストラ努力を表すもので、企業収益にはプラス要因となる。
日本でも03-07年にかけては企業収益の改善と株高が続く一方、家計や雇用は停滞。
格差批判が広がった。
米国も09年以降の「ジョブレス・リカバリー(雇用なき回復)」や「景気低迷下の株高」が持続する可能性も消えていない。
ちょうど今週は11日のアルミ大手アルコアを皮切りに、米国では決算発表が相次ぐ。
改めて底堅い収益見通しが示されると、過度な悲観マインドが後退。
米国の株高と緩やかなペースによる「リスク選好の円安」に戻る余地も残されている。
同時に雇用統計はあくまで遅行指標だ。
今週の12日FOMC議事録、15日の最新7月NY連銀製造業景気指数、6月鉱工業生産などで反動改善が再確認されると、今後の時間差を経た雇用の持ち直しにも期待感が生まれてくる。
中長期スパンでのドルの下値拾いをサポートするものだ。
バーナンキ氏の議会証言でも、あくまで「特殊要因による一時的な減速」と説明される可能性がある。
一方でユーロは欧州の債務金融不安が重石となる。
相次ぐ格下げや欧州系金融機関に対するストレステストの結果公表、それによる資本不足懸念、将来的な保有ギリシャ国債などの焦げ付き不安が、ユーロの戻り売り要因となりやすい。
さらに前週末には米雇用統計の悪化により、NY原油先物が下落した。
今週の米経済指標や世界の株価次第では、資源安と資源国通貨の下落(豪ドル、NZドル、カナダ・ドル、南アフリカ・ランド)リスクも警戒されそうだ。
テクニカルではドル/円、クロス円ともに21日移動平均線や25日線を意識した神経質な展開が続く。
21日線や25日線の上抜けを保ち、両ラインの方向性が明確な上向き化となっていれば、外貨の下値切り上がりへ(円の戻り売り)。
反対に下抜けや下向き化が定着すると、外貨の下値トライ(円の押し目買い)という手探り相場が想定される。
経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)
<11日・月>
10:30 豪5月住宅ローン約定件数、投資貸付
(豪州の5月の住宅指標は軒並み悪化していた)
14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[12日まで]
(生産の復旧や米国の雇用低迷などへの判断焦点)
15:00 日6月工作機械受注[速報]
(6月短観では設備投資計画が上方修正。底堅さを示すと株高・円安に寄与)
21:15 加6月住宅着工件数
(カナダの6月景況指数はやや悪化)
米企業決算 アルコア[市場終了後]
(決算発表の先頭バッター。過度な悲観論の払拭の鍵を握る)
<12日・火>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[2日目、終了後直ちに結果公表]
(景気判断を上方修正なら追加緩和期待が後退。直前の市場動向次第では円高材料に)
10:30 豪6月NAB企業景況感指数、企業信頼感指数
(6月は雇用指標が改善するも、その他の統計は伸び悩み。米欧中の不安が重石)
17:30 英6月消費者物価指数
(資源反落の影響焦点。高止まりならポンド安を抑制)
21:30 米5月貿易収支
(輸出の底堅さがドルを下支え)
27:00 米連邦公開市場委員会[FOMC]M議事録公表[6月21、22日分]
(資源反落や日本からの部品供給再開などが景気判断のプラス要因)
<13日・水>
11:00 中国4-6月期国内総生産、6月小売売上高、鉱工業生産
(減速に警戒も一定の悪化は織り込まれる。底堅さを示すとリスク回避の円高を緩和)
17:30 英6月雇用統計
(企業のリストラ・ニュースが続いており、低迷警戒が根強い)
23:00 バーナンキFRB議長、半年に一度の議会証言
(6月雇用統計が悪化。あくまで一時的減速と見なすか、景気判断を再び下方修正させるか)
<14日・木>
18:00 ユーロ圏6月消費者物価指数[改定値]
(資源反落が物価高を抑制。水準は高止まりが続くことでユーロを下支え)
21:30 米6月生産者物価指数
(資源反落が前月比でのマイナス要因。米債金利の低下とドル安要因に)
21:30 米6月小売売上高
(ガソリン反落や自動車生産・販売の正常化などがプラス材料)
21:30 米新規失業保険申請件数
(日本からの部品供給再開の「時間差」を経た遅行回復をにらむ)
23:00 バーナンキFRB議長、半年に一度の議会証言[上院]
米企業決算 JPモルガン・チェース[20:00]、グーグル
(収益の伸びは鈍化も、底堅さを示すと過度な悲観を払拭)
<15日・金>
21:30 加5月製造業出荷
(カナダも5月指標は低迷)
21:30 米6月消費者物価指数
(資源反落もコアベースは「4月までの資源高」の累積効果で上昇傾向。ドル下支え)
21:30 米7月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(最新7月指標の先頭バッター。資源反落や株高による心理改善がプラス要因)
22:15 米6月鉱工業生産
(日本からの部品供給再開で自動車生産などが正常化)
22:55 米7月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(資源反落や株高による資産効果がプラス要因。雇用低迷が重石)
米企業決算 シティグループ[21:00]
コメント 0