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日本株週間展望 [株式展望]

2011年を締めくくる12月4週(26-30日)の日本株は、欧州債務問題が小康状態となる中、年末商戦さなかの米国景気の堅調さを評価する格好で上昇しそうだ。

過去の経験則から、来年のえとである辰(たつ)年相場は最もパフォーマンスが良く、これまで弱気に傾き過ぎた持ち高を修正する動きも出やすい。

第3週の日経平均株価は週間で0.1%安の8395円と、小幅に3週続落。

週初は北朝鮮の金正日総書記死去のニュースで韓国総合株価指数が急落し、東京市場も朝鮮半島情勢の緊張化を懸念する売りに押された。

ただ、現段階では北朝鮮国内で異常な動きは確認されず、米経済統計の堅調さにも支えられ、その後は底堅い展開となった。

全米ホームビルダー協会などが発表した12月の米住宅市場指数は21と前月の19から上昇し、10年5月以来の高水準を記録。

米労働省がまとめた州別の雇用統計では、11月は29州で雇用が増え、43州で失業率が低下した。

全米小売業業界(NRF)は、ことしの年末商戦の小売売上高を前年比3.8%増の4691億ドル(約37兆円)と過去最高水準に設定、従来の4656億ドルから上方修正している。

世界経済のけん引役である米景気の現況に投資家の目が向くようになったのは、ユーロ圏政府、欧州中央銀行(ECB)の政策で債務問題が小康状態にあることも影響している。

ECBは8日の理事会で、政策金利を0.25ポイント下げ過去最低に並ぶ1%とし、導入する3年物オペでの無制限の資金供給やオペ担保の基準緩和などを施した。

欧州の落ち着きによる信用リスク不安の後退を示すように、スペイン政府が20日に実施した入札では、目標上限を上回る証券が発行され、利回りは前回11月の入札時から低下した。

米国株オプションの指標で、世界の投資家の不安心理を表すとされるシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)も8日の30.59を直近高値とし、21日には21.43と7月26日以来の水準にまで下がった。

米バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによる12月の世界ファンドマネジャー調査では、日本株をオーバーウエートしている比率からアンダーウエートを引いたネットでマイナス20%とアンダーウエートとなっており、今後1年間に最もオーバーウエートしたくない市場でも日本は欧州に次いで2位。

しかし日本経済への見方では、強くなるから弱くなるを引いた比率が11月の25%から45%に大きく改善しており、弱気修正の余地はありそうだ。

11年の日経平均は、年初の堅調で2月17日に高値1万891円を付けたものの、3月11日の東日本大震災と福島第1原子力発電所の事故で8227円まで急落。

その後持ち直したが、欧州情勢や円高、タイ洪水による業績悪化への懸念が追い打ちを掛け、11月25日に年初来安値の8135円を付けた。

日経平均がことしの高値から安値まで24%下げた間の東証1部33業種の騰落状況を見ると、海運が60%、証券・商品先物取引が55%、鉄鋼が43%、非鉄金属が39%下げており、これらが目先リターン・リバーサルの対象になる可能性がある。

兜町の年末の風物詩、えとと日本株の関係で見ると、12年の辰年は十二支中、最も良いパフォーマンスを残している。

東京証券取引所が再開された1949年以降の日経平均の平均騰落率で、辰年はプラス29%と上昇率1位。

他方、「辰巳(たつみ)天井、午(うま)尻下がり」の相場格言にもあるように、好成績を残した反動からこの年、あるいは翌年に相場のピークを付けたこともしばしばで、89年(巳年)に史上最高値の3万8915円(終値ベース)、2000年(辰年)にITバブル高値の2万833円をそれぞれ付けた。

また、過去の辰年には明治維新(1868年)、日露戦争(1904年)、サンフランシスコ平和条約(52年)、東京オリンピック(64年)などがあり、国際社会との関わり合いが多い年だった。

野田政権が交渉参加を表明した環太平洋経済連携協定(TPP)の行方は、国際社会と関わる材料として後世が評価を下すことになる。

第4週の日本株市場に影響を与えそうな材料は、国内では28日に11月の鉱工業生産や家計調査が発表予定。

米国では27日に12月の消費者信頼感指数の公表がある。

また、東京市場は30日が大納会、海外は週初26日が米国、ドイツ、英国、香港などで祝日休場になる。



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ケイ

震災後初のクリスマスですね。☆
by ケイ (2011-12-24 18:49) 

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