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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週12月3日-7日週の為替相場は、基本的な円全面安のトレンド持続と過熱調整による円高をにらんだ展開となる。

前週は前半に調整円高のあと、再び円が戻り売り(外貨の押し目買い)に押される展開。

米国の財政の崖の打開協議に対する不透明感や、欧州でのギリシャ支援を巡る細部の意見対立、先行きのユーロ圏諸国の損失負担の拡大懸念、FRBによる来年以降の債券買い入れの継続観測などを受けて、ドル安やユーロ安、円の買い戻しが進む場面もあった。

しかし、日本では自民党の安倍総裁が日銀への緩和圧力を持続。

同時に日本の物価指標の低迷や貿易赤字の拡大、ボーナス資金の外貨建て投信への流入思惑などもあり、ポジション調整やスピード調整の範囲を超えた円の買い戻し(外貨反落)は抑制されている。

今週は引き続き財政の崖協議に一喜一憂の展開が続きそうだ。

最終的には何らかの妥協が想定される一方、与野党が互いのメンツをかけた「チキンゲーム」の様相を呈しており、日々のニュースでリスク選好の円安、リスク回避の円高に振れる不安定さが続く。

さらに今週は7日に11月の米雇用統計が予定されている。

ハリケーン被害や前月までの改善の反動調整などにより、下振れを警戒する予想も見られ始めた。

ただし、年末商戦やハリケーン復興需要による臨時雇用が下支えに作用。

例え悪化となっても来年にかけての雇用回復期待は残るため、よほどの大幅減速でない限りはドルの押し目買い(円の戻り売り)がサポートされやすい。

また、今週は4日に豪中銀、6日に英欧中銀が金融政策会合を開催する。

それぞれ事前には利下げや緩和地ならしへの警戒感が各国通貨の下落材料となる反面、実際の結果発表後には「材料出尽くし」による買い戻しという上下動が注視されるだろう。

一方、円に関しては12月16日の衆院総選挙や19-20日の日銀金融政策決定会合までは、日銀への緩和圧力が基本的な円安トレンドをサポートしやすい。

前週には米財務省による韓国のウォン高阻止介入への牽制や、ブラジル中銀の「インフレ警戒」による利下げ見送りなどがあり、これまでの円の独歩高を是正させる材料が目立ち始めた。

また、短期調整的な円高・外貨安に振れても、長期トレンドラインを示す月足チャートでは、ドル/円、クロス円ともに2007年以降の長期円高トレンドの終幕が示唆されつつある。

まだ先行き予断は許さないものの、ポジション調整やスピード調整による短期円高をこなしつつ、来年にかけての円安トレンドの基盤固めを見極める展開が続きそうだ。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<3日・月>
09:30 豪7-9月期企業営業利益、豪10月小売売上高
(豪州の指標は改善傾向。中国の景気も短期的に底入れ機運)
10:00 中国11月非製造業PMI
10:45 中国11月HSBC製造業PMI[確報]
(中国の景気減速は一服。ただし、中国株の下げ持続が不穏なシグナル)
17:55 独11月製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏11月製造業PMI[確報]
(速報ベースは総じて改善。政策対応の進展などが下支え)
24:00 米11月ISM製造業景況指数
(シカゴPMIの11月分は小幅な上昇。ハリケーンの被害と復興需要が強弱材料)

<4日・火>
09:30 豪10月住宅建設許可件数、09:30 豪7-9月期経常収支
(豪州の指標は改善傾向。中国の景気も短期的に底入れ機運)
12:30 豪中銀、政策金利発表
(利下げとの見方も。事前の利下げ警戒の豪ドル安と、材料出尽くしの豪ドル高焦点)
18:30 英11月建設業PMI
(五輪特需の反動剥落を経て下げ止まりの流れ)
23:00 カナダ中銀、政策金利発表
(声明での先行き利上げスタンスが維持されると、カナダ・ドルを下支え)
 衆議院議員総選挙が公示[16日投開票]

<5日・水>
09:30 豪7-9月期GDP
(7-9月は中国減速や欧州債務不安、資源下落などが重石)
10:45 中国11月HSBC非製造業PMI
(中国経済は短期循環的な底入れ機運。ただし、中国株の下げ持続が不穏)
17:55 独11月非製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏11月非製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏11月総合PMI[確報]
(最近の景況感指数は下げ止まり傾向)
22:15 米11月ADP雇用統計
(ハリケーン被害による下振れと、年末商戦向け雇用との綱引き)
24:00 米11月ISM非製造業総合指数
(ハリケーン被害が下振れ要因。ただし、住宅回復や年末商戦の期待感が下支え)
24:30 EIA週間石油在庫統計
27:30 アスムセンECB理事、講演[ブリュッセル]

<6日・木>
05:00 ニュージーランド中銀、政策金利発表
(金利据え置きがNZドルを下支え。通貨高牽制なら短期調整のNZドル安にも)
09:30 豪11月雇用統計
(豪州の指標は改善傾向。中国の景気も短期的に底入れ機運)
21:00 英中銀、政策金利発表
(当面の追加緩和伊送りがポンドを下支え)
21:45 欧州中銀、政策金利発表
22:30 ドラギECB総裁、記者会見
(国債買い入れの始動を含めた政策対応を示唆ならユーロをサポート)
22:30 米新規失業保険申請件数
(年末商戦向けやハリケーン復興事業による臨時雇用が支援材料)

<7日・金>
09:30 豪10月貿易収支
(中国の減速一服や資源下げ止まりなどが収支改善と豪ドルの支援材料)
18:30 英10月鉱工業生産
20:00 独10月鉱工業生産
(10月は世界的に減速の懸念が強まる)
22:30 加11月雇用統計
(資源下げ止まりや米中経済の復調などが支援材料)
22:30 米11月雇用統計
(ハリケーン被害が下振れ要因。年末商戦向け雇用が過度な悪化を抑制)
23:55 米12月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(年末商戦の出足は好調。ただし、財政の崖への懸念や株価の頭打ちが悪材料)

<9日・日>
10:30 中国11月消費者物価指数
10:30 中国11月生産者物価指数
14:30 中国11月小売売上高
14:30 中国11月鉱工業生産
14:30 中国1-11月固定資産投資
(物価の落ち着きと経済活動の減速一服が、資源通貨高とリスク選好の円安をサポート)



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macinu

本日はオセアニアに関係ありそうな指標発表が目白押しですね~!!早めに起きて準備致します~。
by macinu (2012-12-03 02:53) 

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