SSブログ

今週の為替相場展望 [為替情報]

今週12月31日-1月4日週の為替相場は、調整的な円高リスクと中長期スパンでの円の戻り売り(外貨の押し目買い)地合いを固めていく展開となる。

過去のパターンとして、日本勢の長期休暇の場合には隙を狙う形で投機的な円高仕掛けが入る例も見られてきた。

現在は投機的な円の売り持ち(円ショート・ポジション)が記録的な規模に膨張しており、ちょっとした悪材料の浮上でポジション調整の円買い戻しが進むリスクをはらむ。

とくに警戒されるのが米議会での財政の崖打開を巡るチキンゲームだ。

与野党によるチキンゲーム的な駆け引きが続いているが、現議会の実質的な最終日となる1月2日までの難航や、最終的な決裂と協議仕切り直しといったリスクは完全に排除できない。

さらに今週は米国で2日にISM製造業景況指数、4日に雇用統計が公表される。

同じ12月分ではシカゴPMIで生産指数が伸び悩み、雇用指数が大幅な悪化となっており、ハリケーン被害や財政の崖懸念などを受けた下振れの可能性も秘めている。

その他、欧州でも2月にイタリアで総選挙が迫るなど、局地的に債務金融危機が再燃する火種が残されたままだ。

いずれも調整的な円高、ドル安、ユーロ安の突発材料となり得る。

もっとも円相場は、ポジション調整やスピード調整の範囲を越えた円高リスクは後退してきた。

1月21-22日の日銀政策会合にかけては物価目標2%の協議余地が残るほか、3-4月の日銀正副総裁人事では「積極緩和派」の登用観測と官民・日銀による「外債ファンド」の始動思惑が円の戻り売り(外貨の押し目買い)要因となりやすい。

また、米国の経済指標についても、年末商戦向けの臨時雇用やハリケーン被害の復興事業などにより、粘り腰の底堅さを示す可能性がある。

さらにドル/円、クロス円ともに、国内外を外貨の買い遅れ(円を売り遅れ)ている市場参加者が増加してきた。

国内輸入企業によるドル買い手当て、輸出企業による先物ドル売り為替予約の「取り過ぎ修正」によるドル買い戻し(ヘッジ修正)、これまで円高リスクに対応し、保有外債の先物為替ヘッジ(先物でのドル売りやユーロ売りなど)を進めてきた国内の生保・年金・投信などによるヘッジ修正(ドルやユーロなどの外貨買い戻し)、日本株を保有する外国人投資家の円安リスクに対応した為替ヘッジ(先物での円売りなど)、新規に日本株を投資する海外勢の円安に備えた為替ヘッジや円調達(外貨ベースでの為替差損対策)、これまでリスク回避で日本の国債などの円資産にシフトしてきた海外官民投資家の円放出や為替ヘッジの円売りなどにより、「外貨が下がれば買い(円が上がれば売り)」という流れが強まる余地が残されている。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<31日・月>
09:30 豪11月民間部門信用
(豪州の指標は改善傾向。少しでも鈍化なら調整豪ドル安に)
10:45 中国12月HSBC製造業PMI[確報]
(中国の指標は改善傾向。少しでも伸び悩みなら調整円高に)

[香港]株式市場、短縮取引
[米国]債券市場、短縮取引
[英国、フランス]株式市場、短縮取引
[ドイツ]株式市場、休場
[ブラジル]株式市場、休場

日本勢の休暇を狙ったポジション調整の円高仕掛けには注意

<1日・火>
10:00 中国12月製造業PMI
(中国の指標は改善傾向。基本的なリスク選好の円安を支援)

[主要各国]新年の休場

<2日・水>
17:45 伊12月製造業PMI
17:50 仏12月製造業PMI[確報]
17:55 独12月製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏12月製造業PMI[確報]
(欧州債務危機の一服などで、欧州景気は底入れ機運)
18:30 英12月製造業PMI
(欧州不安の一服や米中の持ち直しで景気の減速は一服)
24:00 米12月ISM製造業景況指数
(世界減速一服や内需復調が下支え。財政の崖懸念は撹乱要因)

[日本]新年の休場
[中国]新年の休場

<3日・木>
10:00 中国12月非製造業PMI
(中国の指標は改善傾向。基本的なリスク選好の円安を支援)
18:30 英12月建設業PMI
(欧州不安の一服や米中復調などが下支え)
22:15 米12月ADP雇用統計
22:30 米新規失業保険申請件数
(年末商戦やハリケーン復興事業向けの雇用が支援材料。財政の崖への懸念は下振れの撹乱要因)
28:00 FOMC議事録公表[12月11-12日開催分]
(財政の崖による景気悪影響への発言が目立つとドル安や円高に)

[日本]新年の休場、[中国]新年の休場
日本勢の休暇を狙ったポジション調整の円高仕掛けには注意

<4日・金>
08:40 東京証券取引所大発会[東証]
(年末年始に悪材料が出ていると調整円高と株安のリスク)
16:00 独11月小売売上高指数
17:45 伊12月非製造業PMI
17:50 仏12月非製造業PMI[確報]
17:55 独12月非製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏12月非製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏12月総合PMI[確報]
18:30 英11月消費者信用残高
(欧州債務危機の一服などで欧州景気は底入れ機運)
22:30 加12月雇用統計
(米中の復調などでカナダの雇用は改善傾向)
22:30 米12月雇用統計
(年末商戦やハリケーン復興事業向けの雇用が支援材料。財政の崖への懸念は下振れの撹乱要因)
24:00 米12月ISM非製造業総合指数
(住宅改善などが下支え。財政の崖や年末商戦の伸び悩みが懸念材料)



nice!(19)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:マネー

nice! 19

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

日本株週間展望2012年IPO総括 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。