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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週5月27-31日週の為替相場は、過熱調整による円高・株安の深度と期間をにらんだ神経質な展開となる。

前週の日本市場では円高・株安が加速された。

バーナンキ米FRB議長が資産買い入れ(QE)の縮小を示唆したことで、世界的な過剰流動性相場の「終わりの始まり」が警戒されたほか、日銀が政策会合で国債金利押し下げの具体策を示さなかったこと、中国PMIの悪化などがリスク回避の円高と株安の混乱を後押しさせている。

さすがにアベノミクス期待による円安・株高は半年の期間が経過してきただけに、日柄調整や価格調整による「ひと休み」が意識されやすい。

昨年後半からの円安・株高を主導してきた海外ヘッジファンドなどの短期筋についても、5月決算や6月決算を前にして、いったんの利益確定やポジションの手仕舞い、新たな期明けまでの様子見に移行しやすい局面となっている。

もっともFRBがQEの縮小準備に動き始めたことは、政策支援の手を緩めても、米国の経済や株価が自律的な回復の軌道に乗り始めたことへの自信の裏返しでもある。

実際に前週は米国で経済指標の改善や、株価の底堅さが見られてきた。

長期スパンでのドル高トレンドの「基盤固め」を示唆するもので、ドル/円もスピード調整やポジション調整が一巡したあとのドル高再開のタイミングを見定める展開となりそうだ。

一方でドルの復権と裏表の関係により、豪ドルやNZドルなどの資源国通貨、ユーロやポンドなどの欧州通貨が対ドルで弱い展開となっている。

その分だけ対円(クロス円取引)でも、こうした通貨に下落の圧力がかかりやすい。

日本株の調整下落が続いている間はリスク回避の円高圧力が根強く、クロス円主導の円高リスクは引き続き警戒される。

反対に日本株の過熱調整が一巡してくると、クロス円主導の円高圧力が一服。

改めてドルの持ち直しを受けた、ドル/円主導での円安トレンドに回帰していく余地が残されている。

もちろん、目先は昨年後半からの円安・株高が急激であった分だけ、「山高ければ谷深し」の形で調整的な円高・株安がオーバーシュートするリスクは排除できない。

一方で最近は米国やドイツなどで指標の改善が見られ始めたほか、日本では「2年で物価2%目標」というデフレ脱却への努力は始まったばかりだ。

米国では6月7日の雇用統計について、改善の期待感が高まってきた。

日本では6月中旬にかけて、成長戦略の取りまとめという好材料も残されている。

また、米国では量的緩和(QE)が開始された2008年以降、2009年3月の株価底入れから現在まで4年間、長期株高トレンドが持続し、過去最高値の更新に至っている。

その途中過程では景気の踊り場減速や欧州債務危機などで、調整下落が節目節目で見られてきた。

現在の黒田日銀はバーナンキFRBに追随する形で質的・量的緩和を強化させており、基本的な緩和姿勢が継続する限りは、日本株も調整下落による「ガス抜き」を重ねながら、米国株に遅行追随する形で長期株高トレンドが維持される可能性は消えていない。

日本株の基本的な上昇トレンドが続けば、デフレ脱却期待とあいまって、過熱調整の範囲を超えた円高を抑制。

2007年以降、5年前後も「デフレ=リスク回避=超円高」という流れが長期化してきただけに、その逆戻りを辿る反転逆流の円安エネルギーは依然として残されている。


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経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<27日・月>
08:50 日銀政策委員会・金融政策決定会合、議事要旨[4月26日分]
(追加対応の工夫措置に関しての提案の有無焦点)
11:00 中国1-4月工業利益
(前週は中国PMIの悪化が日本株暴落の一つの引き金材料となる)
[英国]スプリング・バンク・ホリデー
[米国]戦没者祈念日のため株式・債券市場は休場

<28日・火>
12:15 宮尾日銀審議委員、講演[外国特派員協会]
(長期国債金利の安定化に対する具体的なアイディア焦点)
22:00 米3月及び1-3月S&Pケースシラー住宅価格指数
(3月までは住宅指標に改善の傾向)
23:00 米5月消費者信頼感指数
(雇用統計の改善、ガソリン下落、株高などが支援材料)

<29日・水>
09:00 黒田日銀総裁、2013年国際コンファランスで開会挨拶
(国債金利の安定化や最近の株安・円高に対しての発言内容が焦点)
16:00 日本銀行、市場参加者との意見交換会を開催
(日銀サイドからの国債金利安定化への提案に注目集まる)
16:55 独5月雇用統計
(ドイツの5月IFO景況指数は改善。ユーロ安やECB利下げなどが支援)
23:00 カナダ中銀、政策金利発表
(資源下落などを受けた慎重な景気見通しに警戒)
26:00 ローゼングレン・ボストン連銀総裁、講演[ミネアポリス]
(資産買い入れプログラム縮小論へのスタンスや時期などへの言及に注目)

<30日・木>
07:45 NZ4月住宅建設許可
(NZの指標は悪化傾向。少しでも改善なら調整のNZドル買いに)
09:30 甘利明経済再生相、講演
(最近の株安・円高に対する危機意識の度合いをにらむ)
10:30 豪4月住宅建設許可件数
(中国減速、資源下落、これまでの通貨高が豪州経済の重石に)
17:15 中曽日銀副総裁、ザ・エコノミスト・グループ主催フォーラムで対談
(国債金利の安定化や最近の株安・円高に対しての発言内容が焦点)
18:00 ユーロ圏5月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、業況判断指数
(ドイツのIFO景況指数は改善。ユーロ安やECB利下げなどが支援材料)
21:30 米1-3月期GDP[改定値]
(世界減速やドル高による輸出鈍化や給与減税失効などで下方修正の余地も)
21:30 米新規失業保険申請件数
(雇用持ち直しの持続性をにらむ。重要さを増す次回雇用統計の参考指標に)
23:00 米4月中古住宅販売成約指数
(住宅指標は回復ペースが鈍化。4月は雇用統計の改善が下支えも)

<31日・金>
08:30 日4月完全失業率、日4月有効求人倍率
(改善が持続なら改めて円高・デフレの負の連鎖に歯止め)
08:50 日4月鉱工業生産[速報]
(4月は米欧中などの減速が重石。円安によるプラス効果の度合いをにらむ)
17:30 英4月消費者信用残高、住宅証券融資残高、住宅ローン承認件数
(4月は米欧中などで経済指標が悪化)
18:00 ユーロ圏5月消費者物価指数[速報]
(落ち着きを示すと、ECBの追加緩和観測が残る。ユーロの戻り売り要因に)
21:30 加3月及び1-3月期GDP
(カナダの1-3月指標は総じて低迷)
21:30 米4月個人所得/個人支出
(4月の小売売上高は伸び悩み。3月イースター商戦の反動なども)
21:30 米4月PCEデフレーター
(改めて物価の落ち着きが示されると、FRBによる急進的な出口戦略への懸念後退)
22:45 米5月シカゴ購買部協会景気指数
(5月の景況感指数は総じて悪化。雇用改善や株高などの影響焦点)
22:55 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(速報は改善。雇用改善、株高、ガソリン下落などが支援材料に)

<1日・土>
10:00 中国5月製造業PMI
(HSBC製造PMIは5月速報が悪化。下振れなら週明け早朝から円高材料にも)


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macinu

2007年に購入した塩漬け、日経絡みの投信やっとプラスになったのに~!!またマイナスです~!!(;_;)
by macinu (2013-05-26 14:37) 

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