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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週6月15日-19日週の為替相場は、中長期的なドル高や円安、当座のユーロ下げ止まりを踏まえつつも、日米欧の重要イベントに一喜一憂の乱高下が警戒される。

ドル/円の週足テクニカルでは、一目均衡表の転換線122.18円前後、基準線120.71円前後などが節目ラインとして意識される(いずれも先行きは切り上がり余地)。

こうしたラインまでの調整ドル安や、レンジ横這い化による日柄調整をにらみつつ、先行きのドル下限切り上がりや取引レンジの上方修正が焦点となりそうだ。

今週の注目は、まず世界株の動向。

前週からは米FRBによる利上げ警戒やギリシャ債務懸念、ドイツ国債金利発の世界的な長期金利上昇(債券価格は下落)などで調整株安が目立っており、日米株を始めとして戻り売りが強まると、ドル/円、クロス円でリスク回避の円高が警戒されやすい。

一方で今週前半の米国やドイツなどの経済指標では、改めて改善傾向が示される可能性がある。

基本的に米欧を始めとして、世界経済は緩慢ながらも持ち直しへと転じてきた。

その意味で世界的な金利上昇は景気回復や過度なデフレ懸念の後退による「良い金利上昇」の側面も否定できない。

米欧英など海外の金利下げ止まりは、中長期スパンで金利差拡大による円安と外貨の押し目買い地合い(ドルやユーロなど)を支援するものだ。

当座はリスク回避の円高に見舞われても、ポジション調整の範囲にとどまるという「調整期間の短さ」や「価格調整の深度の浅さ」が注視されるだろう。

今週の米国市場では、16-17日のFOMCが注目材料となる。

最近の指標改善を受けて、9-12月に掛けての利上げ地ならしを前進させると、一時反応としてはドルが支援されやすい。

もっともFRBによる1回目の利上げへの織り込みは進捗してきた。

その中でFOMCメンバーの金利見通しやイエレン議長の会見などで、今週以降にかけての利上げペースの緩慢さやインフレ見通しの落ち着きが再確認されると、先行きのドル上昇の「角度」が鈍化。

現状のドル高見通しの予測カーブが下方修正される形で、調整ドル安に見舞われる可能性も排除できない。

続いて欧州では、18日にユーロ圏の財務相会合が開催される。

ギリシャ支援問題が大詰めを迎えるが、18日にかけてはギリシャの譲歩と財政再建改革を促すために、牽制的なギリシャのデフォルト(債務不履行)やユーロ離脱のリスクが煽られやすい。

日々の要人発言や関連ニュースに一喜一憂の展開が続く。

その中で18日にかけて、歩み寄りが見られるとユーロ高やリスク選好の円安。

万一の決裂や先送りの波乱となれば、ユーロ急落やリスク回避の円全面高が警戒されるだろう。

その後は18-19日に日銀の金融政策決定会合が予定されている。

前週は黒田東彦総裁の円安牽制発言が「市場の曲解」による円高波乱を招いた。

黒田総裁が円安牽制を否定すると、円安への安心感が付与される。

しかも安倍政権では6月中の新たな骨太方針(当面の経済政策運営指針)取りまとめに向けて、2017年4月からの消費税10%再増税に向けた「デフレ完全脱却」や「デフレ逆戻り回避への足腰固め」が政策課題として強調され始めた。

2017年に消費税再増税が再延期となれば、待ったなしの少子高齢化のなかで、日本の財政危機が現実化してしまう。

その前には来年夏に参院選が控えており、改めて緩やかな円安・株高トレンドの堅持によるデフレ完全脱却と経済再生の「国策支援相場」が注目されるだろう。


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経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<15日・月>
16:00 ノボトニー・オーストリア中銀総裁、中銀の会議で講演
(追加利下げの示唆や豪ドル安志向の継続なら豪ドル安材料に)
18:00 ユーロ圏4月貿易収支
(ユーロ安効果や資源下落などが収支改善を支援。ユーロを下支えも)
21:30 米6月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(同じ6月のミシガン大消費者信頼感指数は上振れ。賃金見通しなどが改善)
22:00 加5月中古住宅販売件数
(同じ5月の雇用指標は大幅に改善)
22:00 ドラギECB総裁、欧州議会委員会で公聴会
(ギリシャ支援に前向きならユーロ支援。金利安定化に努力姿勢を示すとユーロ安)
22:15 米5月鉱工業生産
(5月のISM製造業景況指数は7カ月ぶりの改善。自動車販売も回復)
23:00 米6月NAHB住宅市場指数
(雇用と賃金の改善、金利上昇前の駆け込み需要などが支援)

<16日・火>
06:55 デベル豪中銀総裁補、講演[シドニー]
10:30 豪中銀議事録[6月]
(追加利下げの示唆や豪ドル安志向の継続なら豪ドル安材料に)
18:00 独6月ZEW景況感指数
(米国回復などが支援。金利上昇やユーロ反発、ギリシャ不安などが重石)
21:30 米5月住宅着工件数
(前月急増の反動減速警戒も、先行指標の許可件数は改善維持)
米連邦公開市場委員会[FOMC、17日まで]
(18日の結果判明にかけては、ポジション調整的なドル安も警戒)

<17日・水>
07:45 NZ1-3月期経常収支
(1-3月は商品下落や世界減速などが輸出に打撃。収支悪化がNZドル安支援も)
08:50 日5月貿易収支[通関統計]
(原油反発や内需回復などが輸入支援。貿易赤字の継続が円高を抑制)
17:30 英5月雇用統計
(欧米経済の回復や議会総選挙の終了などが雇用回復を支援)
17:30 イングランド銀行[英中銀]議事録
(1-2名の委員による利上げ賛成票が復活しているとポンド高に)
23:30 EIA週間石油在庫統計
(米国の内需回復や夏季の資源需要などで在庫減少なら、原油高と資源国通貨高を支援)
27:00 米連邦公開市場委員会[FOMC]、経済予測の発表
27:30 イエレン米FRB議長、記者会見
(9月利上げ示唆ならドル高。その後の利上げペースやインフレ見通し慎重ならドル安に)

<18日・木>
07:45 NZ1-3月期GDP統計
(1-3月は商品下落や世界減速などが打撃。成長減速がNZドル安支援も)
14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[19日まで]
(当面の現状維持や円安牽制への警戒感などが円高・株安材料にも)
17:30 英5月小売売上高
(賃金改善や都市部の住宅堅調、議会総選挙の終了などが英国の内需を支援)
21:30 米5月消費者物価指数
(原油反発や賃金改善などが物価の下げ止まり要因に。米債金利の上昇とドル高を支援)
21:30 米新規失業保険申請件数
(改善傾向の持続とテクニカルな反動調整的な悪化をにらむ)
22:00 ユーロ圏財務相会合[ルクセンブルク]
(ギリシャ支援が進展すればユーロ高。思わぬ難航波乱ならユーロ安と円高)
23:00 米6月フィラデルフィア連銀景況指数
(同じ6月のミシガン大消費者信頼感指数は上振れ。賃金見通しなどが改善)

<19日・金>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
15:30 黒田日銀総裁、記者会見
(円安牽制を否定なら円安。円安牽制にとくに釈明がければ円高に)
17:00 ユーロ圏4月経常収支
(ユーロ安や資源下落などが収支改善を後押し。為替需給面でユーロを下支え)
21:30 加5月消費者物価指数
(5月の雇用指標は大幅な改善。原油反発もあり、物価の下げ止まり焦点)
24:40 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、講演
25:45 メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
(17日のFOMCと市場反応を踏まえた今後の金融政策スタンスや経済物価判断が焦点)


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