SSブログ

来週の為替相場展望 [為替情報]

来週の為替相場は、根深いドル全面安の継続と当座のドル売りクライマックスのタイミングを見極める展開となりそうだ。

ドルに関しては
・世界回復期待による低金利のドル調達による高リターン資産投資
・米利上げの大幅遅延
・中国などによる外貨準備高のドルから金へのシフト
・経済成長やインフレ見通しの緩慢さによる米長期金利の低下
・オバマ政権の医療保険改革による財政赤字拡大懸念
・米国の内需低迷による輸出重視策
・国連などの国際機関によるドル離れ
・G20でのタックス・ヘイブン規制による租税回避地域のドル建て資産の流出思惑
など売り材料が山積している。

一方で現在のドル安については、海外の「7-9月の決算期末」という季節要因も無視できない。 欧州勢のドル建て資産処理による本国回帰や、米国勢による海外収益の底上げ(為替差益狙い)を狙った非ドル押し上げとドル押し下げなどもドル安を助長させている。

さらに日本企業も9月決算に向けて、円転・外貨売りを継続。
複合的な要因がドル安と円高を加速させている。

そのため9月後半にかけては、9月末要因に基づいたドル安や円高のピークアウトも焦点になってきた。
とくに期末の需給要因が剥落してくると、便乗的な投機ドル売りや円買いのポジション整理を誘発。

同時にドル建ての銀行間金利や米短期金利は、スピード面で金利低下の行き過ぎ警戒ゾーンに入っており、ピッチ調整の金利上昇がドル調達キャリー取引の反転逆流を招き、ドル全面高をあぶり出す潜在マグマも蓄積されている。

もっとも、その場合は対ドルで欧州通貨や資源国通貨が反落。
クロス円でもこうした外貨が連れ安となることで円高に作用し、円全面高が継続する可能性も消えていない。


来週の注目イベントは以下の通り(時間は日本時間)。

<14日・月>
07:45 NZ・7月小売売上高指数
(伸び悩みの場合がNZドルの調整下落リスクに)
18:00 ユーロ圏7月鉱工業生産
(ポジションの偏り次第ではユーロの利益確定売りの材料に)
19:30 アルムニア欧州委員、経済見通しについて会見
(最近のユーロ高・ドル安の影響についての言及焦点)
28:50 イエレン・サンフランシスコ連銀、米経済見通しについて講演
(22-23日にFOMCが迫る中で、出口政策のタイム・スケジュールのヒントを模索へ)

<15日・火>
17:30 英8月小売物価指数
(資源高などで上振れなら追加緩和観測が後退。ポンド高にも)
18:00 独9月ZEW景況感指数
(発表段階でユーロ高一服ならユーロ再上昇、ユーロ高過熱なら利益確定売りの材料にも)
21:30 米8月生産者物価指数
(資源高を受けた上振れが米債金利上昇の波乱要因に)
21:30 米8月小売売上高
(新学期セールスは低調観測。上振れならサプライズ)
21:30 米9月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(自動車支援策の打ち止めの影響が焦点。回復の持続性を見極め)

<16日・水>
17:30 英8月雇用統計
(根深い低迷と最悪期脱却の両にらみ)
21:30 米8月消費者物価指数
(資源高の影響焦点。落ち着きなら米金利低下でドル続落。想定外の上振れなら金利上昇でドル反発)。
21:30 米4-6月期経常収支
(米国の内需低迷と輸出増加による赤字縮小が焦点。長期スパンでのドルの復権材料に)
22:15 米8月鉱工業生産
(自動車支援策で上振れも、打ち切り後の反動減に警戒感)
26:00 米9月NAHB住宅市場指数
(住宅下げ止まりを確認へ。回復の角度をにらむ)
民主党の鳩山由紀夫代表が第93代首相に就任する見通し
(閣僚人事での財務相人事が焦点に)
米決算発表
オラクル
(最近のハイテク決算は良好。リスク許容度改善に影響)
東京市場は19-23日に5連休へ
(連休分のスワップ・ポイント狙いの高金利通貨買い仕込みが焦点。木曜の朝までが権利確保の期限ケースも)

<17日・木>
08:50 日7-9月期法人企業景気予測調査
(10月初旬の日銀短観の参考指標に)
09:00 日本銀行、金融政策決定会合[2日目、終了後直ちに結果公表]
15:30 白川日本銀行総裁、記者会見
(円高への言及焦点。デフレ再燃リスクの中で円高はデフレを助長)
21:00 スイス中銀、政策金利発表
(通貨高の牽制声明と実際の介入行動をにらむ)
21:30 米8月住宅着工件数
(住宅底入れ後の反発の度合いが焦点)
23:00 米9月フィラデルフィア連銀景況指数
(自動車支援策打ち切りの影響など、回復の持続性がポイントに)。

<18日・金>
15:00 独8月生産者物価指数
(資源高による物価への影響を見極め)
17:30 英8月マネーサプライ[速報]
(英中銀の追加緩和措置の行方を探る参考指標に)
東京市場は19-23日にシルバー・ウィーク連休へ
(連休前後の外貨買い決済集中や、東京連休中の海外勢による円高仕掛けなどが波乱)


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

11日の東京市場日本株週間展望 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。