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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週の為替相場は、根強いリスク回避の円全面高と反動修正のタイミングを見極める展開となりそうだ。
昨年3月からの世界的な景気刺激策や各国中銀の金融緩和に便乗した「リスク選好相場」や「過剰流動性相場」が終焉を迎えており、その中で上昇してきた株式・資源相場や欧州通貨、資源国通貨の売り戻し圧力は根強い。
裏表でのドル調達キャリー取引の巻き戻しにより、対円以外ではドル全面高が加速。
しかし、ユーロ/円や豪ドル/円など、クロス円から派生する円高が円全面高を促している。
しかも日本企業は3月決算が迫ってきた。
期末対策による海外収益の円転(外貨売り)が円高圧力となりやすい。
さらに2月中旬には米国債の満期償還とクーポン利払いが迫っており、期末を控えた国内機関投資家からの円転が円高材料として注視されている。
一方で急激な株安やユーロ安、円高などには、スピード面での過熱感も警戒されてきた。
とくに波乱要因となっているユーロ圏の財政危機については、2月11日に欧州連合(EU)の特別首脳会合が予定されている。
少しでも前向きな材料が出てくると、ユーロの自律反発を支援。
リスク回避の円全面高やユーロ/円主導の円高圧力を後退させる。
さらにユーロは12日の10-12月期GDPも焦点となってくる。
また、海外リスクマネーは欧米中銀が量的緩和を打ち切る中で、市場混乱回避の「最後のバッファー役」として日銀の流動性供給に期待感を抱いている。
最近は日銀の追加策を催促する意味合いもあり、円高・株安を仕掛ける動きも取り沙汰され始めた。
現状の流れのままでは、2月17-18日の日銀金融政策決定会合をターゲットとして、円高・株安が一段と激化するリスクも消えてない。
その中で日銀が「3月決算と期末越え資金繰りへの配慮」を目的として、円高・株安の阻止に向けた追加対応へと追い込まれるかどうかも焦点になりそうだ。
さらに円高対策という点では、亀井金融相がゆうちょ銀行による米国債投資の拡大を検討し始めた。
市場動向次第では、期末対策として具体化する可能性も消えていない。
また、最近はドル/円の89円前半から、アジア系の公的ネームによる大量ドル買いが根強く取り沙汰されている。

その他、今週はリスク回避の持続性を左右するうえで11日の米1月小売売上高、同じくリスク回避の一因となっている中国の金融引き締めを探るうえで、11日の1月中国物価指標などが注目される。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<8日・月>
08:50 日12月国際収支統計
(日本の経常黒字再拡大は「安全逃避の円買い」の理由付けに)
14:00 日1月景気ウォッチャー調査
(過度な悲観一服が株価反発とリスク回避の円高を緩和も)
17:15 スイス12月実質小売売上高
(予想を下回るとスイス中銀のスイス高阻止強化の警戒感を助長)

<9日・火>
16:00 独12月貿易収支/経常収支
(昨年までのユーロ高の影響で黒字減なら「需給ユーロ安」助長)
18:30 南ア10-12月期失業率
(豪州やカナダなど他の資源国は雇用改善)
米決算発表=コカ・コーラ、ウォルト・ディズニー、バイオジェン・アイデック
(内外需ともに改善の期待が残る企業)

<10日・水>
08:50 日12月機械受注
(外需を中心に連続改善の期待感。振れが大きいが、株高・円安の材料にも)
19:30 英中銀、四半期インフレ報告
(落ち着いた見通しの可能性がポンド安材料に。上振れならポンド高波乱)
22:30 米12月貿易収支
(輸入拡大による赤字増がドル安要因も、米国の内需復調を反映)
26:45 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、世界金融危機について講演
(出口戦略に前向きならドル高と株安・クロス円主導の円高、出口慎重なら反対)

時間未定
中国1月貿易収支
(原油などの輸入動向が資源相場の行方を左右)

<11日・木>
09:00 豪2月消費者インフレ期待
09:30 豪1月雇用統計
(雇用は遅行指標であり、昨年までの景気回復の勢いで上振れも)
11:00 中国1月消費者物価指数
(プラス定着なら旧正月明けの金融引き締め警戒、株安・円高材料)
17:30 スウェーデン中銀、政策金利発表
(豪州中銀が歯止めを掛けた成長国の利上げ機運を助長するか、払拭させるか)
22:30 米1月小売売上高
(前月の予想外の下振れに対する反動増が波乱。一方で自動車販売は伸び悩み)
EU臨時首脳会議[ブリュッセル]
(ギリシャなどの財政危機に前向きな材料が出ればユーロ反発、失望リスクも消えず)

<12日・金>
16:00 独10-12月期GDP[速報]
19:00 ユーロ圏10-12月期GDP[速報]
(回復が続くも伸び悩みがユーロ安を後押しのリスク)
23:55 米2月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(2月は株安や失業保険申請件数の増加などが悪化材料に)



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