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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週の為替相場は、世界的な信用不安の高まりとリスク回避による円全面高の持続性を見極める展開となる。

日米の株安と円高には短期的な過熱感も見られ始めているだけに、揺り戻し的な株高・円安の材料探しも注目されそうだ。

米国株は欧州財政危機と取引システムへの不安感などにより、続落リスクが消えていない。

とくに昨年3月から長期上昇ラリーを辿ってきただけに、決算改善などの好材料「織り込み一巡」とあいまって相応の調整下落が警戒されている。

米株投資家の不安心理を示すVIX指数(ボラティリティー指数)は7日に40.95ポイントとなり、約1年ぶりの高水準に上昇してきた(=信用不安)。

リーマン・ショック時を除くと、過去のVIX急上昇を伴った株安局面は20-25日間程度の持続パターンが見られてきた。

今回はゴールドマン・サックスが摘発された4月27日から始まっており、5月7日で約9営業日となっている。

テクニカルな日柄調整としては、あと1-2週間の株安・円高リスクが消えていない。


ドル/円、クロス円のテクニカルでも、1カ月スパンのトレンドを示す25日移動平均線の方向性が下向きに転じてきた。 この方向性が横這いから上向きに向かうまでは、外貨の戻り売り(円の押し目買い)基調が意識されやすい。 もっとも世界的な市場混乱を受けて、各国の危機対応が本格化してきた。 日銀も7日に2兆円の資金供給を行ったほか、「年内デフレ脱却」という目標に向けて、政府・日銀ともに株安・円高の長期化は回避させるという見方が強い。 しかも日本では早期にデフレ脱却を果たさないと、消費税の引き上げを含めた財政再建が困難だ。 欧州財政危機が、いずれ日本にも伝染してくるリスクが現実化しつつある。 同時に米国を始めとした各国の経済指標は改善が相次いでいる。 着実に循環回復の軌道に乗ってきており、リーマン・ショック直後のリスク回避の円全面高時とは環境が変化してきた。 現状は行き過ぎたリスク選好による世界株高・資源高・円安に過熱修正が入っており、価格調整や日柄調整が一巡すると、世界的な景気回復を反映した緩やかな円安トレンドに回帰する余地は残されている。 すでにテクニカルで過熱感を示すRSI指数では、米国の株安やVIX上昇、円高、ユーロ安などで、短期的な行き過ぎ警戒のシグナルも見られつつある。 各国の政策対応や米国のシステム不安の解消などを受けた、反動的な株高と円安のタイミングが注目されそうだ。 もっとも長期的なユーロの先安見通しは根強い。 政策当局の危機管理能力に不信感が蔓延しており、短期調整的なユーロ反発を経ながらも、1ドル=1.2000ドル割れを試すという予測も目立っている。 ユーロ/円のユーロ安・円高圧力が、他のクロス円やドル/円で円を連れ高にさせるリスクは厳然と残されている。 注目材料は欧州当局やG7協調による危機対応の具体化、11日の中国経済指標、14日の米小売売上高や鉱工業生産など。 経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<10日・月>
08:50 日銀金融政策決定会合の議事要旨公表[4月6、7日分]
(追加の緩和措置の可能性が示唆されているかをにらむ)
10:30 豪4月NAB企業景況感指数
(利上げや欧州財政危機、中国引き締め懸念などによる鈍化が懸念材料)
15:00 国際決済銀行[BIS]、隔月会合
(欧州財政危機などによる信用不安に対し、各国中銀の協調姿勢に注目が集まる)
20:00 英中銀、政策金利発表
(政策変更は見込まれず。欧州財政危機や英総選挙を受けた政治の不安定化への配慮が焦点)
ヒルデブラント・スイス中銀総裁とストロスカーンIMF専務理事が記者会見
(欧州財政危機への対処で、新たな救済策が示唆されるとサプライズに)

<11日・火>
11:00 中国4月消費者物価指数、小売売上高、鉱工業生産
(底堅さが示されるとリスク回避を緩和へ。落ち着いた内容なら、過度な引き締め懸念が後退)
17:30 英3月製造業生産
(米国に続いて英国の生産活動も改善傾向)
21:30 ラッカー・リッチモンド連銀総裁、ノースカロライナ州グリーンズボロで講演
26:15 ロックハート・アトランタ連銀総裁、アトランタ連銀2010年金融市場会議で講演
26:30 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、アトランタ連銀2010年金融市場会議で講演
(市場不安を緩和させるような発言が出るかに注目。出口戦略の地ならし前進なら米株続落)

<12日・水>
10:30 豪3月住宅ローン約定件数、3月投資貸付
(利上げの累積効果による鈍化が懸念材料。今後の利上げ余地にも影響)
15:00 独1-3月期国内総生産[速報]
18:00 ユーロ圏1-3月期国内総生産[速報]
(ユーロ安がプラスも厳冬が悪材料に。下振れの場合がユーロ再下落のリスク)
18:30 英中銀、四半期インフレ報告
(インフレの落ち着きが示されると、早期の出口戦略が後退。ポンドを圧迫)
21:30 米3月貿易収支
(内需復調と資源高で輸入増加。赤字の高止まりがドル安要因に)
23:15 ローゼングレン・ボストン連銀総裁、アトランタ連銀2010年金融市場会議で講演
25:30 ロックハート・アトランタ連銀総裁、アトランタ連銀2010年金融市場会議で講演
26:15 ブラード・セントルイス連銀総裁、テネシー州ナッシュビルで講演
(市場不安を緩和させるような発言が出るかに注目。出口戦略の地ならし前進なら米株続落)
それぞれリスク回避の株安・円高を一服させる契機として注目されそうだ。

<13日・木>
07:30 NZ・4月ビジネスPMI
07:45 NZ・4月食品価格指数
(いずれも上昇なら先行きの利上げ期待を高める)
08:50 日3月国際収支統計
(経常黒字が再拡大へ。需給面での円高圧力が意識されやすい地合いに)
10:30 豪4月雇用統計
(米国に続く改善に期待感。急回復のペース鈍化が懸念材料)
21:30 米新規失業保険申請件数
(米国の雇用環境は着実に改善。株安に行き過ぎ感が出ていれば反発材料に)
22:00 コーンFRB副議長、カナダの首都オタワで経済・金融危機における金融政策について講演
26:00 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、ウィスコンシン州で講演
26:15 フィッシャー・ダラス連銀総裁、講演
(市場不安を緩和させるような発言が出るかに注目。出口戦略の地ならし前進なら米株続落)

<14日・金>
21:30 米4月小売売上高
(イースターなどで大幅改善した前月の反動減が波乱要因)
22:15 米4月鉱工業生産
(4月のISM製造業景況指数は04年以来の高水準。生産は着実に回復)
22:55 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(株安の影響がどこまで反映されているかが下振れを左右)
ギリシャ、欧州連合[EU]へ赤字削減の進捗報告を提出
(19日に控える巨額の国債償還を乗り切れるかが最大の焦点。ユーロ続落と急反発を左右)



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