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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週の為替相場は、リスク回避の後退による円全面安の持続性、対円以外でのドル安とドル/円、クロス円への影響などをにらんだ展開となる。

5-6月に世界株安・資源安・円全面高を加速させてきた米国経済の鈍化懸念、欧州での銀行ストレステスト、中国での大型株式公開による需給悪化、海外の6月決算対応、米国の2日雇用統計への不安感などは、それぞれ悪材料としての織り込みが進展してきた。

市場の抵抗力が高まりつつある。

米国や豪州の経済指標では改善も見られており、目先の為替相場は過度なリスク回避の揺り戻しによる円の売り戻し(外貨の買い戻し)を見極める展開となる。

一方でリスク回避で買われてきたドルについても、対円以外で売り戻しが進展してきた。

ドル/円でのドルの上値を抑制させるものだ。

今週は世界的な株価反発が続くと、クロス円主導での円全面安、株高に調整が入るとドル/円主導で一時的に円全面高に振れるという、株価動向に一喜一憂の流れが想定される。

注目は米国企業決算発表。

改めて収益見通しの鈍化が確認されると、株安・円高がぶり返しかねない。

しかし、米国株市場では収益の下方修正を織り込む形で、4月後半から下落が続いてきた。

そのため一定程度の悪化であれば、「悪材料の出尽くし」による買い戻しが続く可能性がある。

米国株は株価収益率(PER)が歴史的な低水準となる中で株価が下落しており、バリエーションの面では割安感が強まっている。


また、短期的な波乱材料となるのが日本の11日参院選挙だ。 民主党が予想通りの苦戦となり、選挙後の連立の枠組みに不透明感が漂うと、株安とリスク回避の円高材料となり得る。 一方で6月からは参院選後の消費税引き上げへの取り組みが「日本の財政健全化」と評価され、日本の国債価格上昇(長期金利は低下)と円買い材料になってきた。 そのため民主党の敗北で財政再建への政治指導力が揺らぐようだと、改めて日本の財政不安が再燃。 政治混迷とあいまって、日本売り=円売りの材料となる可能性も残されている。 その他、最近は中国による日本の国債購入が円高材料として注目されている。 しかし、あくまでユーロ不安などによる一時的な安全逃避の部分もあり、実際に購入対象は期限1年以内の短期債が中心だ。 そのためリスク回避の一服やユーロの下げ止まりが続くと、反対取引が入る形で円の売り戻し要因となりかねない。 同時に中国は日本企業のM&A(合併・買収)に備えて、短期債で円資金を滞留させている可能性も指摘されている。 いずれは日本の株高材料となるもので、リスク選好の円安要因となる潜在余地もある。 経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む) <12日・月> 10:30 豪5月住宅ローン約定件数、豪5月投資貸付 (前週は雇用指標の改善などで利上げ期待が再浮上。その流れを左右) 17:30 英1-3月期国内総生産[確報] (生産や小売の指標は底堅さ。小幅な上方修正によるポンド高期待も) ユーロ圏財務相会合 (ストレステストや財政問題に対し、足並みの乱れの修正が続くとユーロ買い戻しが持続) 米決算発表=アルコア (ある程度の決算の底堅さは織り込まれる。大幅下振れの場合が波乱) 米国債入札=3年債350億ドル (根強い需要が確認されると米債金利低下とドル安、債券価格の高値警戒感から不調に終わるとドル安) <13日・火> 10:30 豪6月NAB企業景況感指数 (6月は欧中米への不安感が景況マインドを圧迫も。ただし、前週の雇用指標は改善) 16:30 欧州連合、財務相理事会 (過度なユーロ悲観論の揺り戻しの持続性を左右) 17:30 英6月消費者物価指数 (前月の上昇の反動による下振れがポンド安リスクに) 18:00 独7月ZEW景況感指数 (基本は低迷リスク。前週からの悲観論後退がどこまで反映されるかが撹乱要因) 21:30 米5月貿易収支 (内需復調による輸入増とドル高による輸出鈍化で赤字高止まりも。ドル安要因) 米決算発表=インテル (日米株の行方を大きく左右。現状では打たれ強さに期待感) 米国債入札=10年債210億ドル <14日・水> 17:30 英6月雇用統計 (景気刺激策の累積効果などから、英国の雇用は改善を保つ) 21:30 米6月小売売上高 (既存店売上高は健闘。資源下落によるガソリンスタンドの売上減や住宅反動減が悪材料) 27:00 米連邦公開市場委員会[FOMC]議事録公表[6月22、23日分] (住宅ローン担保証券の売却論議などが見られるとドル高、景気慎重論が見られると株安・円高にも) 米国債入札=30年債130億ドル <15日・木> 09:00 日銀、政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表] (景気見通しの上方修正が円高材料。円高阻止の追加緩和期待を後退させる) 11:00 中国6月消費者物価指数、小売売上高、鉱工業生産 (成長鈍化に警戒も、一定の悪化への織り込みは進展。物価が落ち着くと株高・円安にも) 18:00 スイス7月ZEW景況感指数 (底堅さを保つと、改めて通貨高阻止介入への警戒感が後退。スイス高を支援) 21:30 米6月生産者物価指数 (前月比での資源価格下げ止まりが上振れ要因。米債金利の低下とドル安の一服材料にも) 21:30 米新規失業保険申請件数 (失業対策の剥落による反動悪化の一段落が焦点) 21:30 米7月ニューヨーク連銀製造業景況指数 (成長ペースは鈍化も、在庫の抑制や長期金利の低下などが下支え) 22:15 米6月鉱工業生産/設備稼働率 (前月までの急回復の反動減警戒。6月の自動車販売も勢い一服) 23:00 米7月フィラデルフィア連銀景況指数 (成長ペースは鈍化も、在庫の抑制や長期金利の低下などが下支え) 米決算発表=JPモルガン、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]、グーグル (銀行は収益見通しの下方修正が相次ぐ。ハイテクは成長期待が根強い) <16日・金> 07:45 NZ・4-6月期消費者物価 (緩やかな上昇傾向が追加利上げを支援。NZドルをサポートも) 18:00 ユーロ圏5月貿易収支 (ユーロ安効果による黒字増が焦点。貿易黒字の拡大は需給面でのユーロ高材料に) 21:30 米6月消費者物価指数 (ガソリン価格の低迷などにより低位持続。米債金利の低下とドル安材料に) 22:55 米7月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報] (気温の高騰などで夏物商戦は良好。株安や雇用低迷などが下押し要因) 米決算発表=シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、ゼネラル・エレクトリック (銀行の収益見通しは鈍化懸念。GEは粘り腰の底堅さに期待感が残る)
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