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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週の為替相場はドル全面安の継続と反動調整をにらんだ神経質な展開が想定される。

日米中銀の政策対応などにより、波乱含みの展開が続きそうだ。

6日の米7月雇用統計は予想を大きく下回り、改めて米国経済の成長鈍化と先行きのデフレが懸念された。

経済ファンダメンタルズの弱さやFRBの追加緩和の可能性、米国債金利の低下、デフレ回避のための政策的なドル安放置と輸出倍増計画などにより、ドル安の長期化と深化の観測が広がっている。

ドル/円はまず85円割れ、中長期的には80円割れを意識したドルの戻り売り地合いが続くという見方が強い。

一方で10日にはFOMCが控えている。

追加緩和の協議が確認されるとドル安に作用する反面、米国の株高を促すことで、クロス円ではリスク選好の円安を支援。

同時にドルも「いったんの売り材料出尽くし」により、買い戻される余地がある。

しかも政策金利に先行する米国の2年債金利は、すでに追加緩和を織り込む形で0.5%を割り込む場面が見られ始めた。

海外金融機関からは、「理論値では0.45%、その場合のドル/円は85円が適正均衡水準であり、あとは慣性的な勢いによるオーバーシュート(行き過ぎ過熱)の領域になる」というモデル分析もある。

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そろそろ金利の下限フロアも意識され始めた。

金利の低下余地が狭まり、デフレ懸念が強まると円のように通貨は強くなる。

ドルも底堅さ(下落余地の乏しさ)を増す可能性が消えていない。

また、米国の株安が続いたり、FRBが追加緩和を見送るとリスク回避が再燃。

クロス円を中心に円全面高が警戒される反面、ドルは対円以外で「安全逃避」によって買い戻される余地がある。

同時に注目は10日の日銀金融政策決定会合だ。

日本企業の9月決算への配慮により、追加緩和対応に踏み切ると短期的な円安波乱を招く。

もちろん、会合前には緩和催促の円高仕掛け、緩和見送りや中途半端にとどまった場合は失望円高、といったリスクは残されている。

その他、焦点は11日の中国経済指標。

懸念ほど鈍化していなければリスク選好の円安、改めてペースダウンが確認されても、引き締め終了の期待感により、株高・資源高・円安となる可能性がある。

一方で波乱要因としては、四半期定例となる米国債の大型入札と満期償還・クーポン利払いがある。

入札は順調消化が米債金利の低下とドル安、利払いは国内機関投資家の円転・ドル売り材料として意識されやすい。

経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<9日・月>
08:50 日6月国際収支統計
(先行きは米国減速、円高、企業海外移転などで経常黒字に減少リスク。潜在的な国債下落と悪い円安の波乱材料)
10:30 豪6月住宅ローン約定件数、豪6月投資貸付
(利上げの累積効果などで回復ペースが鈍化)
15:00 独6月貿易収支/経常収支
(ユーロ安効果による黒字増の度合い焦点。為替需給面でユーロを下支え)

<10日・火>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
(会合前には追加緩和催促の円高、緩和の場合は円安、失望円高のリスクも消えず)
10:30 豪7月NAB企業景況感指数、企業信頼感指数
(7月は欧州不安の後退や中国の引き締め鈍化期待などで景況感が回復)
20:30 米7月NFIB中小企業楽観指数
(最近では大幅な改善が過度な悲観論を後退させた例も)
21:15 加7月住宅着工件数
(利上げ効果や米国懸念などによる回復ペースの鈍化に警戒感)
21:30 米4-6月期労働生産性、単位労働コスト[改定値]
(企業の体質スリム化を確認で株高材料。インフレの抑制が米債金利とドル安にも)
26:00 米国債入札[3年債、340億ドル]
(安全逃避の順調消化が金利低下とドル安に。債券価格面での高値警戒感が波乱要因)
27:15 FOMC金利誘導目標発表
(追加緩和協議ならドル安。米国の株高支援でクロス円では円安の余地)

<11日・水>
08:50 日6月機械受注
(前月急減からのリバウンドが株高・円安要因に。先行きの鈍化懸念は増大)
11:00 中国7月消費者物価指数、小売売上高、鉱工業生産
(減速がリスク回避となる反面、予想の範囲内なら引き締め鈍化期待で株高・円安にも)
17:30 英7月雇用統計
(金融機関の好決算もあり、英国の雇用は改善傾向を保つ)
18:30 英中銀、四半期インフレ報告
(最近の指標改善が上振れ要因。ただし、緊縮財政や米国減速などが押し下げ材料)
21:00 ノルウェー中銀、政策金利発表
(北欧通貨には先高見通しが根強い)
26:00 米国債入札[10年債、240億ドル]
(安全逃避の順調消化が金利低下とドル安に。債券価格面での高値警戒感が波乱要因)

<12日・木>
10:30 豪7月雇用統計
(豪中銀は中国などアジア経済の底堅さによる恩恵に強気見通し)
18:00 ユーロ圏6月鉱工業生産
(ユーロ安効果などで改善傾向)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週の大幅悪化の反動改善が波乱要因)
26:00 米国債入札[30年債、160億ドル]
(安全逃避の順調消化が金利低下とドル安に。債券価格面での高値警戒感が波乱要因)

<13日・金>
07:45 NZ・6月小売売上高指数
(最近のNZ指標は下振れの例が目立つ。大手米銀などはNZドルに強気見通しを維持)
15:00 独4-6月期国内総生産[速報]
18:00 ユーロ圏4-6月期国内総生産[速報]
(トリシェECB総裁は前週の理事会で強気判断。ユーロ安効果なども)
18:00 ユーロ圏6月貿易収支
(ユーロ安効果による黒字の増加度合いが焦点。為替需給面でユーロを下支え)
21:30 米7月消費者物価指数
(猛暑によるエネルギー価格上昇が押し上げ要因。米債金利の低下一服がドルを下支えも)
21:30 米7月小売売上高
(猛暑効果や住宅反動減の一服、自動車在庫一掃セールなどで底堅い見通し)
22:55 米8月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(雇用低迷が悪材料。株高効果やローン金利の急低下などが過度な下押しを抑制)
23:00 米6月企業在庫
(企業の在庫投資への前向き姿勢が過度な悲観論を緩和も)

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