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今週の為替相場展望 [為替情報]

1月24-28日週の為替相場は、前々週からのユーロ反発、資源国通貨の下落、ドル下げ止まりという流れの持続性をにらんだ展開となる。

ユーロは日本、中国、ロシアが相次いでユーロ国債の支援に乗り出したしたことや、欧州債務危機に関してのいったんの悪材料織り込みなどにより、全面高が進展している。

まだ3-4月以降に財政不安国の国債入札と償還、厳格なストレステストなどが控えており、中長期的な先安リスクは消えていない。

それでもユーロの買い戻しをサポートしているのが、ドイツ10年債金利の上昇だ(債券価格は下落)。

周縁国の債務不安一服によるドイツ国債への逃避後退、ユーロ安・資源安に伴うインフレ懸念などにより、金利の上昇が目立っている。

引き続きユーロ売りを抑制させるものだ。

ただし、前々週に昨年4月の水準まで回復してきたことから、金利の上昇ペースは一服する可能性がある。

金利の高止まりに沿う形で、ユーロも対ドル、対円などで高止まりへの移行が焦点となってきた。

逆に英国、米国の10年債金利は、ドイツに比べると出遅れ感がある。

その意味で今週以降はドイツ金利に追随する形での英国と米国の国債金利上昇と、ポンド高、ドル高の行方が注目されそうだ。

裏表でこれまで「先進国不安」や「先進国の金利低下」によって買われてきた資源国通貨(豪ドル、NZドル、カナダ・ドル、南アフリカ・ランド)や金先物は、調整の続落が警戒される。

もっともドル/円については、3月決算を前にした国内輸出企業などのドル戻り売りが根強い。

2月中旬にかけては米国債の満期償還とクーポンの利払いが控えており、潜在的な期末のドル売り・円転(海外収益の国内送金)の需要がドルの上値を抑える。

結果、82-84円を中心としたレンジ相場の持続が想定されている。


同時に円高材料として残るのが、中国の追加利上げだ。 前々週の中国指標の底堅さを受けて、2月2-8日の旧正月の前には利上げが行われる可能性が高まってきた。 昨年は10月19日、12月25日に利上げが行われており、今週は28-29日の週末にかけての利上げが警戒されるだろう。 利上げ前は世界株安と資源安の要因となり、リスク回避の円全面高が意識されそうだ。 もっとも実際の利上げ後には「材料出尽くし」で円安要因となりやすい。 しかも旧正月に入ると中国系によるドル売りや円買いが停滞するため、ドル高や円安に振れる傾向が見られる。 昨年の旧正月は2月13-19日であったが、ドル/円は2月4日の88.55-60円がドルの安値となる形で底入れ反転。 ちょうど2月19日の92.15-20円という高値まで、ドルの反転上昇が見られていた。 なお、ドル/円のテクニカルでは75日移動平均線(21日は82.55-60円)、90日線(82.75-80円)、週足の13週線(82.70-75円)に絡んだ横這い相場が持続。 ただし、75日線や13週線の方向性は、微妙に上向き化へと転換してきた。 こうした中期トレンドラインを下値抵抗線としたドルの底固めと緩やかな下値切り上がりが注目されるだろう。 クロス円はユーロ/円、ポンド/円、スイス/円などが、5日線、21線、25日線などを下値抵抗線とした押し目買い、反対に豪ドル/円、NZドル/円、カナダ/円、ランド/円などは、5日線、21日線、25日線などを上値抵抗線とした戻り売りの持続性を見極める展開となる。 最近は短期でトレンドが変化するため、5日線の方向性が上向きの間は押し目買い、下向きに転じると戻り売りという、機動的な切り替えが重要になっている。 経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む) <24日・月> 09:30 豪10-12月期生産者物価指数 (資源高などで上振れなら、豪ドルの自律反発を支援) 17:30 独1月製造業PMI (1月の独指標はZEW、IFOの各指数が堅調。ただし、一定の改善は織り込まれる) 22:00 ハンガリー中銀、政策金利発表 (中・東欧なでは利上げが目立つ。ユーロ、ポンド、北欧通貨などの上昇傾向を支援) 米決算発表 マクドナルド、テキサス・インスツルメンツ[TI]、アメリカン・エキスプレス[アメックス] (改善は織り込み進展。少しでも鈍化した場合に反応=米国の株安とドル高・円高など)。 <25日・火> 09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表] (政策変更は予定されず。景気見通しの上方修正が短期的な円高材料にも) 09:30 豪10-12月期消費者物価指数 (資源高などで上振れなら、豪ドルの自律反発を支援) 15:00 インド中銀、政策金利発表 (新興国の利上げはリスク回避の株安・資源通貨安や円高の材料に) 18:30 英10-12月期国内総生産[速報] (寒波の影響が下振れの波乱) 21:00 加12月消費者物価指数 (前週の加中銀会合ではインフレ懸念が見られず、カナダ・ドルは下落) 23:00 米11月S&Pケースシラー住宅価格指数 (11月の住宅指標は低迷が目立っていた。ただし、古い数字とあって影響は限定) 24:00 米1月消費者信頼感指数 (株高や緩やかな雇用改善が支援材料。ガソリン高騰が下押しの撹乱要因) <26日・水> 11:00 オバマ米大統領の一般教書演説 18:30 英中銀、金融政策委員会議事録公表[1月12、13日開催分] (追加緩和の意見後退とインフレ警戒姿勢の高まりがポンド高材料) 24:00 米12月新築住宅販売件数 (金利上昇を警戒した駆け込み需要が焦点。ただし中古の堅調さに比べて新築は低調) 28:15 米連邦公開市場委員会[FOMC]、政策金利発表 (2人の新メンバーはインフレ警戒のタカ派閥。追加緩和論議の後退がドルを下支え) <27日・木> 05:00 ニュージーランド中銀、政策金利発表 (金利は据え置き予想。豪州の洪水被害などを警戒した慎重姿勢がNZドルの下落要因) 18:30 南ア12月生産者物価指数 (ランドの続落と調整的な自律反発を左右) 22:30 米12月耐久財受注 (12月のISM製造業景況指数では「新規受注」が大きく上昇。航空機受注も12月は増加) 22:30 米新規失業保険申請件数 (年末商戦向け雇用の反動剥落が一段落し、緩やかな改善傾向に回帰=申請は減少) 24:00 米12月中古住宅販売成約指数 (ローン金利上昇を警戒した駆け込み需要の持続性が焦点に) 時間未定 独1月消費者物価指数[速報] (資源高とユーロ安で物価上昇の圧力。ドイツ長期金利の上昇とユーロ高をサポート) <28日・金> 22:30 米10-12月期国内総生産[速報] (11月の追加量的緩和などを受けて、生産や消費は改善。輸出も堅調さを維持) 23:55 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報] (ガソリン高騰や金利上昇などが頭打ち要因。ただし、速報が低迷しており、一定の鈍化は織り込まれる)  
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