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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月4-8日週の為替相場は、円全面安の継続と過熱調整による円高・外貨安をにらんだ展開となる。

前週はドル/円、クロス円で円全面安が加速。

米FRB幹部による先行きの金融引き締め支持発言、それによる米国債金利の上昇(債券価格は下落)、米雇用統計の改善などがドル高・円安を支援した。

同時に欧英中銀の利上げ観測、米国の株高、資源高などが「内外金利差の拡大+リスク選好」となる形で、クロス円での外貨高・円安を促している。

同時に為替需給面では、日本企業による3月決算に向けた海外収益の円転(ドル売りやユーロ売りなど)が一段落した。

昨年も3月後半からは「期末円高」の終了とともに円全面安が加速。

4月7日まで円安がオーバーシュートしている。

今年も3月までの円高の反動逆戻し的な円安エネルギーの持続性が注目されるだろう。

さらに日本では震災被害や電力不足などにより、短期的に輸出が落ち込む(外貨売り・円買いの減少)。

反対に燃料・物資不足への対応や復興需要、火力発電の増強などにより、資源・素材・食料などの輸入は増加していく(外貨買い・円売りの増加)。

こうした需給変化により、これまでの「ドルなどの外貨戻り売り」から「外貨の押し目買い」へと基調が変化してきた。

もっともスピード面では、円安に過熱感が警戒されている。





今週はバーナンキ米FRB議長の講演のほか、豪英欧の中銀が金融政策会合を開催する。

それぞれ過度な利上げ観測の後退や、利上げのいったんの織り込み、実際の利上げ後の「材料出尽くし」などにより、各国通貨が一時的に反落する可能性も消えていない。

また、金利差では、米国10年債金利の上昇ペースが鈍化してきた。

リスク選好についても商品相場では中国の利上げ懸念などにより、銅や海運指数が反落に転じるなど先行き不透明感が消えてない。

そもそも米FRBを始めとした各国中銀の引き締め姿勢は、「グローバルな過剰流動性相場の終わりの始まり」となって、世界的な株高や資源高の調整下落を促す余地がある。

例年、4-6月は日米で株高のピークと反落に転じる季節性もあり、ちょっとした悪材料の浮上によるリスク回避の円高のぶり返しには常に注意が必要。

テクニカルではドル/円、クロス円ともに5日移動平均線などを下値メドとした押し目買い(円の戻り売り)に転換。

過熱調整による外貨の下押しを見極めつつ、それぞれ週足・一目均衡表の雲の上限や昨年来の高値などが上値ターゲットとして意識されている。

経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<4日・月>
08:50 日3月企業短期経済観測調査[短観]
地震前[調査開始日2月24日から3月11日までの回収分]
地震後[3月12日から調査期間最終日3月31日までの回収分]
(震災被害の深刻さが再確認されると、日銀の緩和強化の思惑が円安を支援)
17:30 英3月CIPS建設業PMI
(3月の住宅指標などは成長ペースが鈍化、物価上昇が懸念材料)
22:05 ロックハート・アトランタ連銀総裁、講演[フロリダ州]
22:30 エバンス・シカゴ連銀総裁、講演
(最近はFRB幹部の発言に一喜一憂。強気派と弱気派の意見の開きも拡大)

<5日・火>
08:15 バーナンキFRB議長、アトランタ連銀の会合で講演
(雇用統計や資源高などによるインフレへの判断焦点。景気慎重姿勢を維持するとドル安波乱も)
13:30 豪中銀、政策金利発表
(予想は据え置き。資源高や米国の雇用復調を受けた利上げ再開の示唆が豪ドル高の波乱要因)
17:00 ユーロ圏3月総合PMI[確報]
17:30 英3月CIPS非製造業PMI
(いずれも成長ペースの鈍化に警戒感)
23:00 米3月ISM非製造業総合指数
(高水準は持続も、資源高や地政学リスク、日本の震災などで高位横這いも)
25:45 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、同連銀主催の会合で挨拶
25:45 ロックハート・アトランタ連銀総裁、講演
26:00 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、講演
27:00 FOMC議事録公表[3月15日分]
(年内の利上げリスクへの織り込みは進展し始める。過度な利上げ警戒の揺り戻しが波乱)

<6日・水>
10:30 豪2月住宅ローン約定件数、投資貸付
(1月の洪水打撃の反動回復が焦点に)
17:30 英2月鉱工業生産
(1月までの急回復の反動減に警戒感)
19:00 独2月製造業受注
(2月まではドイツ経済の成長ペースに力強さ)

<7日・木>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
(景気判断の下方修正に伴う追加策の地ならし焦点。失望なら円高リスクも残存)
10:30 豪3月雇用統計
(資源高が再び豪州経済に追い風。前月の悪化の反動回復も焦点)
19:00 独2月鉱工業生産
(2月まではドイツ経済の成長ペースに力強さ)
20:00 英中銀、政策金利発表
(政策変更や声明発表は予定されず。先行きの利上げ観測がポンドを下支え)
20:45 欧州中銀、政策金利発表
21:30 トリシェECB総裁、定例会見
(予想は利上げ。材料出尽くしによるユーロ安と、追加の利上げ示唆によるユーロ再上昇をにらむ。総裁会見でのインフレ判断への微妙な表現がユーロを左右)
21:30 米新規失業保険申請件数
(雇用改善のトレンドとしての持続性を見極めへ)

<8日・金>
14:00 日3月景気ウォッチャー調査
(調査時期と震災・電力不足・原発不安への評価に不透明感)
16:00 ユーロ圏財務相会合[ブダペスト]
(4月からは欧州で国債の満期償還が増加。債務不安の再燃をにらむ)
17:30 英3月生産者物価指数
(資源高が物価上昇を後押し。先行きの利上げを左右)
23:00 米2月卸売在庫
(企業の強気姿勢が在庫の積み増しを後押し。GDPにはプラスの要因)





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