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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月11-15日週の為替相場は、円全面安のスピード調整による外貨安・円高と根強い外貨の押し目買い(円の戻り売り)をにらんだ展開となる。

前週は円全面安が継続。

欧州中銀(ECB)の利上げと7月利上げの示唆、米FRBの6月末に向けた追加量的緩和(QE2)の縮小、それに対して逆ベクトナルとなる日銀の金融緩和強化が「先行きの内外金利差拡大」の思惑となって外貨高・円安を招いた。

さらに日本の輸出減・輸入減という需給変化、世界的なリスク選好による円調達キャリー取引の復活(高金利通貨、外国株、商品相場への投資)なども円安要因となっている。

ちょうどテクニカル面では、ドル/円、クロス円ともに昨年5月の外貨急落、08年8月以降の外貨急落において、一本調子で外貨が垂直落下していた。

相場の流れを止める抵抗ラインが少ないため、チャートでは「左右対称の相似形」を描く形で逆戻しの外貨急上昇となっている。

その意味でドル/円、クロス円ともに、中長期的には前回レンジ相場が長期化していた「居心地の良い価格帯」まで、取引レンジの中心が上方修正されていく可能性がある。

ドル/円でいえば、まずは85-90円、ユーロ/円は120-130円を経て130-140円、ポンド/円は140-150円、豪ドル/円は90-100円といった流れだ。

もっとも短期的には外貨高・円安のスピード面で過熱警戒感が強い。

昨年も現在と同じように3月後半から外貨高が加速したが、4月5-7日から外貨の高止まりに移行。

続いて5月の連休明けから外貨が急反落している(円は急騰)。

今年も国内外で不透明要因が山積しており、突然の円高・外貨安材料の浮上によって、一時的に外貨が急落する波乱リスクも消えていない。





今週のイベント面では、米国企業の決算発表スタート、米中の経済指標、G7会合、日本の原発事故処理と余震の行方などが注目される。

こうした材料により、世界的な株高と資源高に調整反落が入るとリスク回避の円買い戻しが進展。

あるいは欧州要人からユーロ高ピッチへの牽制発言が強まると、ユーロ安とユーロ/円主導の調整的な円高が進む余地が残されている。

それでも外貨の押し目買い・円の戻り売りの基本トレンドは強固になってきた。

こうした流れを崩す「予期せぬ円高・外貨安の死角」としては、米政府機関の一部閉鎖がドル安、欧州債務危機のスペインやイタリアへの波及がユーロ安、日本の財政不安などによる円債金利の上昇(債券価格は下落)が円高、国内製造業の収益急減に伴う海外内部留保の取り崩しが円高(本国送金のリパトリエーション)として警戒されるだろう。

経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<11日・月>
09:00 日銀全国支店長会議
14:30 日銀「4月地域経済動向」
15:15 早川日銀大阪支店長会見
17:20 日銀名古屋、札幌、仙台、福岡4支店長会見
(東日本以外の経済の実状が焦点。日本売り=円売りの度合いを左右)
16:00 レーン欧州委員[経済・通貨問題担当]、講演
(ポルトガル支援で債務危機が一段落か、新たな火種が出てくるかを見極め)
18:15 ダドリーNY連銀総裁、講演[東京]
(景気やインフレの慎重なタカ派。ドル安につながる発言が警戒されやすい)
24:30 ウェーバー・ドイツ連銀総裁、講演
25:15 イエレンFRB副議長、講演[NY]
(それぞれ欧米の金融政策の今後のスタンスに注目が集まる)
米決算発表 アルコア
(決算発表のトップ。アルミ大手だけに、資源高が収益見通しをサポート)

<12日・火>
10:30 豪3月NAB企業景況感指数
(資源高や中国の引き締め「織り込み」進展が豪州経済に追い風)
17:30 英3月消費者物価指数
(根強い物価の上昇がポンドをサポート。前年の資源高騰の反動が下振れの波乱要因)
18:00 独4月ZEW景況感指数
(資源高やユーロ高、日本の震災被害の余波などで成長ペースが鈍化も)
20:40 シュタルクECB理事、講演[香港]
(今後の利上げペースや現状のユーロ高への認識などが焦点)
21:30 米2月貿易収支
(資源高と消費の改善で輸入が増加。貿易赤字の拡大要因となり、ドルを圧迫)
22:15 ホーニグ・カンザスシティ連銀総裁、講演[ノースカロライナ]
(現状のインフレ判断や今後の金融政策へのスタンスを見極め)
22:30 カナダ中銀、政策金利発表
(欧中での利上げを受けた「引き締め地ならし」に注目集まる。カナダ・ドルを支援)

<13日・水>
17:30 英3月雇用統計
(米独を始め世界的に3月の雇用指標は改善傾向)
21:30 米3月小売売上高
(イースター商戦の4月遅延や資源高・食料高などが改善ペースを抑制)
26:00 スティーブンス豪中銀総裁、講演[NY]
(インフレ警戒や早期の利上げが示唆されると豪ドルが再上昇)
27:00 ベージュブック[米地区連銀経済報告]
(雇用や物価の判断が上方修正されると、先行きの金融緩和終了を支援。ドル高材料)
米決算発表 JPモルガン・チェース[20:00]
(収益見通しは改善持続の期待。米国債の価格下落や住宅低迷などが下振れ波乱)

<14日・木>
21:30 米新規失業保険申請件数
(日本の震災余波による生産停滞や資源高などの影響が減速波乱)
21:30 米3月生産者物価指数
(資源高が物価の上昇を押し上げ。米債金利の上昇とドル高要因)
22:00 デュークFRB理事、講演[ワシントン]
22:20 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、講演[モンタナ]
25:30 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、講演[NY]
(それぞれインフレ判断と今後の金融政策へのスタンス焦点)
20カ国・地域[G20]財務相・中央銀行総裁会議[ワシントン]
7カ国財務相・中央銀行総裁会議[G7][ワシントン]
(協調介入後の円相場への評価、今後の協調姿勢、欧州要人のユーロ高牽制などが焦点)

<15日・金>
07:45 ラッカー・リッチモンド連銀、講演[ボルチモア]
(インフレ判断と今後の金融政策へのスタンス焦点)
11:00 中国1-3月期国内総生産
11:00 中国3月消費者物価指数、小売売上高、鉱工業生産
(根強い物価上昇が利上げと人民元の上昇圧力に。以前の元高・円高が最近は元高・円安の傾向)
21:30 米3月消費者物価指数
(根強い川下物価の抑制が米国債金利の低下とドル安要因に)
21:30 米4月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(資源高や日本の震災余波などにより、成長ペースが鈍化も
22:15 米3月鉱工業生産
(3月のISM製造業景況指数は3カ月連続で上昇。ただし、前月比での勢いは鈍化)
22:55 米4月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(ガソリン高・資源高や日本の震災影響などが急回復のペースを制御)
23:00 コンスタンシオECB副総裁、講演[NY]
24:15 エバンス・シカゴ連銀総裁、講演[NY]
26:30 ホーニグ・カンザスシティ連銀総裁、パデュー大学で講演
(それぞれインフレ判断と今後の金融政策へのスタンス焦点)





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