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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月18-22日週の為替相場は、ドル/円、クロス円ともに調整的な円買い戻し(外貨売り)の持続性と一段落を見極める展開となる。

今週のポイントとなるのが、米独などの国債金利の動向。

3月以降は資源高などによるインフレ懸念と米欧中銀の先行き金融引き締め観測により、国債金利の上昇が進展(債券価格は下落)。

内外金利差の拡大により、ドル/円、クロス円で円安・外貨高が加速された。

しかし、前週からは金利の上昇が一服している。

背景には欧州や中国などの利上げ、資源高と世界的な物価上昇、日本の震災被害といった負の材料による世界成長の鈍化懸念がある。

加えて6月末には米FRBによる追加量的緩和(QE2)の期限切れが迫ってきた。

もともと最近の資源高やインフレ懸念は、昨年11月からのFRBによるQE2が火をつけたものであった。

すぐにFRBが大量供給したドル資金を回収するわけではなく、「量的緩和の拡大」から「現状維持の横這い」に移行すると見られているが、QE2を材料に急騰してきた資源相場や世界の株価にはいったんの利益確定や投機ポジションの巻き戻しが入りやすい。

結果、資源相場や世界株の調整下落は安全逃避やインフレ抑制により、世界的な国債価格の反発(金利は低下)に作用する。

QE2の停止を織り込むまでは、短期的な海外金利の低下とリスク回避による円高・外貨安に振れるリスクがある。

しかも米国では18日で税還付がピークアウトするため、税還付を受けた個人の株式投信購入が剥落していく。

同時進行で22日からはイースター連休、26-27日には米FOMCが迫ってきた。

決算発表による「当座の好材料出尽くし」とあいまって、ポジション手仕舞いによる株安・資源安・安全逃避の債券高(金利は低下)と、円高・外貨安が波乱要因として警戒されるだろう。

もっともリスク回避や資源安はドル全面高をサポートするものだ。

クロス円での欧州通貨安、資源通貨安の圧力を、ドル/円でのドル高が制御する形で円高圧力を緩和させる可能性も消えていない。

さらに日本では輸出減と輸入増の流れが強まっている。

為替需給面では3月までの強力な外貨戻り売り圧力が後退し、外貨の押し目買いエネルギーが漸増してきた。

加えての日本の財政リスクと政治・政策の危機に対する後手対応、原発と余震不安である。

海外勢の「日本離れ」や「日本売り」は根強く、中長期スパンでは円安・外貨高の見通しが根強く意識されている。

また、世界経済についても、中国ではインフレ昂進や追加利上げが警戒されながら、中国株は底堅さを保っている。

足元の資源高一服などとあいまって、先行きの物価上昇や利上げの「天井到達とピークアウト」を織り込み始めた。

根強い新興国の成長も、外貨の押し目買い・円の戻り売り要因として注目されそうだ。





テクニカルではドル/円、クロス円ともに、21日移動平均線、75日線、一目均衡表の雲の上限などが下値メドとして意識されている。

雲の上限はいずれも18-19日から5月3日にかけて急激に切り下がっており、単発的な外貨安・円高ショックと揺り戻しによる外貨急反発の乱高下には警戒が心要。

経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<18日・月>
07:45 NZ・1-3月期消費者物価
(資源高が物価の押し上げ要因。地震被害克服後の将来的な利上げをサポート)
23:00 米4月NAHB住宅市場指数
(住宅市場は低迷。春の住宅購入シーズンや雇用の復調が下支え)
23:30 フィッシャー・ダラス連銀総裁、ロックハート・アトランタ連銀総裁、グローバル化について討議[アトランタ]
25:00 ブラード・セントルイス連銀総裁、銀行規制について講演
(26-27日のFOMCに向けて、インフレ判断や金融緩和「出口戦略」の是非に注目が集まる)
米決算発表 シティグループ[21:00]、テキサス・インスツルメンツ[29:30]
(最近は決算改善でも「好材料の出尽くし」、悪化なら「失望売り」という負の反応が目立つ)

<19日・火>
10:30 豪中銀、4月議事録公表
(資源高などを受けたインフレ懸念と、根強い減速リスクとの「注目度の優先順位」を見極め)
16:30 独4月製造業PMI[暫定値]
17:00 ユーロ圏4月総合PMI[暫定値]
(資源高やユーロ高、日本の震災被害余波などにより、成長ペースは鈍化)
20:00 加3月消費者物価指数
(資源高が物価を押し上げ。先行きの利上げをサポート)
21:30 米3月住宅着工件数、建設許可件数
(住宅は低迷が続くも、前月減少の反動増が焦点。春の住宅購入シーズンも下支え)
米決算発表 ゴールドマン・サックス・グループ[21:00]、インテル、IBM
(インテル決算のあとには相場の潮目が変わりやすい。業績は急回復の踊り場鈍化に警戒感)

<20日・水>
08:50 日3月貿易収支[通関統計]
(震災被害による輸出減・輸入増が注目されるも、まだ尚早か。輸入の荷揚げ停滞が波乱)
16:30 スウェーデン中銀、政策金利発表
(利上げ観測が北欧通貨をサポート)
17:30 英中銀、金融政策委員会議事録公表[4月6、7日開催分]
(利上げ票の現状維持がポンド安要因。先行きの利上げ地ならし確認ならポンド高波乱)
23:00 米3月中古住宅販売件数
(住宅は低迷が続くも、前月減少の反動増が焦点。春の住宅購入シーズンも下支え)

<21日・木>
10:30 豪1-3月期生産者物価指数
(資源高による物価の上昇が先行きの利上げ思惑をサポート)
17:00 独4月Ifo景気動向指数
(資源高やユーロ高、日本の震災被害余波などにより、成長ペースは鈍化)
17:30 英3月小売売上高
(1月からの付加価値税の増税を受けた減速の反動回復が波乱)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前月は5週ぶりの悪化水準。反動回復と雇用再悪化の持続性に注目が集まる)
23:00 米4月フィラデルフィア連銀景況指数
(同じ4月分のNY連銀指数は底堅さ。資源高や日本の震災被害余波などが下振れ要因)
22日から海外主要市場が休場
(連休前の投機ポジションの整理が波乱要因)

米決算発表 モルガン・スタンレー[20:15]、ゼネラル・エレクトリック[GE]、ベライゾン・コミュニケーションズ、マクドナルド

<22日・金>
ニュージーランド、オーストラリア、香港、ドイツ、フランス、スイス、英国、カナダ、米国、南アフリカ、 グッドフライデーの祝日





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