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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週5月23-27日週の為替相場は、ドル、ユーロ、資源国通貨、円ともにリスク要因を抱える中で、「弱いもの比べ」による新たな方向性模索の展開となる。

前週末の20日はギリシャ格下げでユーロ安、商品相場の低迷やカナダ小売売上高の悪化などで資源国通貨の伸び悩みが見られ、全般的にドルが底堅く推移した。

しかし、その前日には米国の経済指標悪化やFRBの低金利政策の長期化見通しでドルが全面安となるなど、持続的なトレンドが見出しにくい環境となっている。

円相場も米国株などの世界株や資源相場の動向により、日々「リスク回避の円高」と「リスク選好の円安」が繰り返される往来相場が続いている。

一方で前週からは商品相場のバブル調整に続いて、米国のテクノロジー株のバブル過熱が警戒され始めた。

6月末でFRBの追加量的緩和(QE2)が終了することもあり、過剰流動性相場のピークアウトによる株安とリスク回避の円高圧力は根強い。

ちょうどテクニカルでは、ドル/円、クロス円ともに5月からの外貨急落(円高)の反動修正的な自律反発が一巡。

外貨の一段高か、戻り売りに押される形での再下落かのターニング・ポイントを迎えてきた。

今週は世界の株価や商品相場、米独の経済指標に一喜一憂の神経質となる展開が続く。

注目材料は24日の独IFO景況指数、25日の米耐久財受注、27日の米国での個人消費、消費者信頼感指数、中古住宅販売成約指数など。

もっとも商品相場の高騰一服は、先行き世界経済を下支えしていくものだ。

最近の米国指標の悪化にしても資源高の累積効果のほか、日本からの部品供給停滞、暴風雨や竜巻などの天候不良、地政学リスクなどが影響した。

足元ではこうした要因が鎮静化しつつあり、時間差を経て米国の指標が持ち直しに向かう余地が残されている。

同時に円については、25日に4月の貿易収支が予定されている。

改めて貿易赤字の拡大が確認されると、少なくとも需給面での円高・外貨安の圧力自体は緩和されそうだ。

しかも最近は日本からの外国企業の大型買収が相次いでいる。

買収関連の外貨買い・円売り手当ての先行き拡大思惑が、外貨の押し目買い(円の戻り売り)をサポート。

同時にこうした実需や資本取引を巡る「需給円高の後退」が、投機的な円買い仕掛けやリスク回避の円高を抑制、あるいは短期化させる可能性を秘めている。

その他、日本での部品供給寸断の教訓や電力不足を受けた生産拠点の海外移転なども、中長期的な円安要因として注視されるものだ。





テクニカルではドル/円、クロス円ともに、日足・一目均衡表の先行スパンの雲の下限を維持できるかの攻防となっている。

上限にかけて雲が厚く覆いかぶさっており、外貨の上値の重さが意識される。

このまま25日移動平均線や基準線などの上抜け定着に失敗すると、外貨安・円全面高の再燃リスクが消えていない。

反対に先行き慎重ムードが強いだけに、新たな外貨高や円安の材料が出てくると狼狽的な外貨の上値トライが加速。

雲の上限やその上抜けを試しに行くサプライズの波乱余地も残されている。

経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<23日・月>
16:00 バイトマン独連銀総裁、講演[フランクフルト]
(前週末にはギリシャの債務償還延長を牽制。財政赤字国に厳しいスタンス)
16:30 独5月製造業PMI[暫定値]
17:00 ユーロ圏5月製造業PMI[暫定値]
(4月までの資源高やユーロ高の累積効果により、成長ペースは鈍化)
18:30 オルドネス・スペイン中銀総裁、講演[マドリード]
(欧州債務危機のスペインへの飛び火リスクは残存)
21:30 米4月シカゴ連銀全米活動指数
(注目度は低いが、自動車関連を中心に4月までは底堅さ)

<24日・火>
17:00 独5月Ifo景気動向指数
(4月までの資源高やユーロ高の累積効果により、成長ペースは鈍化。欧州債務懸念も重石)
19:00 英5月CBI流通取引調査
(欧米経済の鈍化が悪影響に。資源・食料の高騰も重石)
23:00 米4月新築住宅販売件数
(住宅市場は低迷。ローン金利低下などで少しでも改善するとサプライズの反応)
23:00 米5月リッチモンド連銀製造業指数
(最新5月指標は総じて減速。指標悪化への織り込みや抵抗力も見られ始める)

<25日・水>
08:50 日4月貿易収支[通関統計]
(貿易赤字の拡大が需給面で円高を抑制。輸出企業によるドル売りやユーロ売りは減退)
12:30 白川日銀総裁、講演[内外情勢調査会主催]
(前週は景気慎重発言が追加緩和への期待感を喚起。短期的な円安材料となる)
17:30 英1-3月期国内総生産[改定]
(速報は予想外の上昇でポンド高波乱を招く。一部予想では小幅な上方修正も)
21:30 米4月耐久財受注
(ISM製造業景況指数の4月「新規受注」は61.7となり、2月の68.0、3月の63.3から鈍化)
22:00 加3月住宅価格指数
(カナダの物価指標は緩やかな上昇傾向)
23:30 EIA週間石油在庫統計
(前週は在庫の減少により、原油相場や資源通貨の反発を支援。反動に警戒も)

<26日・木>
08:15 バッテリーノ豪中銀副総裁、講演[シドニー]
10:30 豪1-3月期民間設備投資
(豪ドルは対ドル、対円で上値が切り下がり。短期的に上昇しても戻り売りに警戒感)
18:20 トリシェECB総裁、講演[ベルリン]
(欧州債務危機や最近の資源安を受けた利上げスタンスの微妙な後退が焦点)
21:30 米1-3月期国内総生産[改訂値]
(在庫投資の拡大や小売関連の底堅さが小幅な上方修正の要因)
21:30 米新規失業保険申請件数
(4月の踊り場的な悪化から5月は復調傾向。日本での部品生産再開の動きも支援材料)

<27日・金>
08:01 英5月GFK消費者信頼感
15:00 英5月ネーションワイド住宅価格
(欧米ともに5月からは指標が鈍化)
18:00 ユーロ圏5月消費者信頼感、鉱工業信頼感、業況判断指数
(4月までの資源高やユーロ高の累積効果により、成長ペースは鈍化。欧州債務懸念も重石)
21:30 米4月個人所得/個人支出
(4月はイースター商戦が支援材料。ただし、小売売上高は予想外の伸び悩み)
21:30 米4月PCEデフレーター
(資源や食料以外の物価は落ち着き。米国債金利の低下とドル安の材料)
22:55 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(速報時に比べてガソリン価格などが下落。消費マインドを下支え)
23:00 米4月中古住宅販売成約指数
(春の住宅購入シーズンや住宅ローン金利の低下などが支援材料。週間のローン申請件数は改善)
時間未定 独5月消費者物価指数[速報]
(根強い物価上昇がECBの7月利上げを支援。ただし、最近は7月以降の利上げ不透明感がユーロの上値を抑制)





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