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日本株週間展望 [株式展望]

5月第4週(23-27日)の日本株相場は、こう着状態から依然脱せない公算が大きい。

東日本大震災の影響で国内経済は予想以上に落ち込み、年後半から見込まれる回復の度合いが緩やかになるとの不安がある。

ただ、株価指標の割安や為替相場の円高修正などが支えとなり、一方的に売りも出しにくい状況。

日経平均株価の第3週末値は前週末比0.4%安の9607.08円。

週間値幅は229円と、2月第3週以来の小ささだった。

為替の円安が企業収益にプラスに働く半面、内閣府が19日に発表した1-3月国内総生産(GDP)が年率換算で前期比3.7%減と、市場予想以上に落ち込み、警戒感が広がった。

ギリシャの債務再編が取り沙汰されるなど、欧州債務問題もくすぶる。

1-3月のGDPの前期比3.7%減は、事前予想中央値の1.9%減を上回る落ち込みだった。

マイナス成長は2四半期連続。

落ち込みからの持ち直しを期待させる話は出ている。

ホンダの池 史彦専務は17日、生産正常化の時期が従来計画の年末より前倒し方向との見通しを明らかにした。

生産の立ち上がり時期が少しずつ前倒し方向になっているという。

大手自動車メーカーでは、トヨタ自動車が11日、生産回復の開始時期が6月ごろに前倒しになる見込みと発表。

日産自動車も13日に、10月には世界的に通常の生産に戻る見通しを示している。

明るい材料は出てきたものの、震災前の株価水準(日経平均で3月10日終値10400円)を早期に回復するとみるのは、やや楽観的過ぎるようだ。





6月末に政府の復興構想会議が第1次提言をまとめるが、復興にかかる膨大な金額を政府が今後どうねん出していくかは不透明。

仮に財源を増税で賄うとなれば、震災で落ち込んだ個人消費への一段のダメージは必至。

原油価格の高止まりも製造業にとってはコスト高となり、懸念材料。

原油先物7月限の19日終値は1バレル当たり98.86ドル。

1年前に比べると、45%高い水準。

一方、為替市場での円高修正は好材料。

円は対ドルで5月5日に付けた直近高値79円57銭からじりじりと下げており、20日現在は81円台後半で推移。

対ユーロでは、第3週の週初に113円42銭まで上昇したが、その後は一貫して下落、20日は117円付近で取引された。

日経平均は3月後半以降、9400-1万円のレンジでの動きが続いている。

TOPIXのPBR(株価純資産倍率)は20日時点で0.98 倍と、解散価値とされる1倍程度で割安感がある。

海外投資家は第2週まで28週連続で日本株を買い越し、過去最長記録を更新した。

一方、東京電力の福島第一原子力発電所の事故収束に向けた進展がなかなか見られず、国内景気は停滞している。

第4週のスケジュールで相場に影響を与えそうなものは少ない。

25日に4月の貿易統計、27日に4月の全国消費者物価指数(CPI)が予定されている。

米国では、24日に4月の新築住宅販売件数、25日に4月の耐久財受注など。

企業の決算発表では、プレイステーションネットワーク(PSN)からの個人情報流出問題を起こしたソニーが26日に予定しており、注目される。





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