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今週の為替相場展望 [為替情報]
今週5月30日-6月3日週の為替相場は、根強いドル安とユーロ安のリスクに挟まれる形での円高持続と反動修正を見極める展開となる。
前週はドル安が再燃。
米国の経済指標が軒並み悪化したほか、中国の減速リスクや欧州債務懸念による安全逃避が米国債の価格をサポート（金利は低下）した。
今週も米国では3日の雇用統計にかけて重要な指標が相次ぐため、下振れリスクとドル安のオーバーシュートに神経質となる地合いが続く。
しかも根強い欧州債務不安がユーロの戻り反発を抑制。
かたや中国の減速が豪ドルなどの資源国通貨の下落要因として残されており、クロス円でも円高・外貨安の圧力は根強い。
今後の悪材料次第では3月と同様、国内個人が積み上げているドルや豪ドルなどの外貨ロング・ポジション（買い持ち）の取り崩しや損切りを狙った外貨売り・円買いの投機仕掛けが入る円高リスクも残されている。
一方で4-5月分における米国の指標悪化については、日本からの部品供給停滞、資源高の累積効果、米国での洪水や竜巻被害、リビアなどでの地政学リスクが過剰な押し下げ要因となってきた。
足元でこうした悪材料は鎮静化が見られつつあり、あくまで昨秋からの急回復の「中休み」的な踊り場にとどまる可能性がある。
しかも前週末に到達してきたドル/円の80円台、米2年債金利の0.45％前後という水準は、昨年から一旦は下げ止まる重要な抵抗ラインだ。
昨年からの複数回に及ぶ下限トライにより、踏み固まってきたフロア・ゾーンでもある。
そのため今週は底固めの横這いに転じるか、底割れしても一時的なオーバーシュートにとどまる可能性が消えていない。
同時にドル/円で80円を大きく割り込むような局面では、日銀の追加緩和や日本単独の介入が焦点となる。
前週のG8サミットでは、日本の復興支援に向けた「連帯」が確認されたばかりだ。
協調の円高阻止介入は困難でも、日本独自の円高阻止努力は許容されやすい。
テクニカルではドル/円、クロス円ともに5日移動平均線などを上限とした戻り売り圧力が強い。
現状は5日線の方向性の下向き化が目立ち、下向き化が続く限りは外貨の下落リスクが持続。
反対に5日線の上抜け定着や、5日線の上向き転換が見られるようだと外貨高・円安への反転シグナルとして注目されるだろう。
その他、円全面高の中でもスイス/円、NZドル/円、ポンド/円は各通貨が打たれ強さを見せている（円高抑制）。
リスク回避による円高エネルギーの微妙な減退を示唆するものだ。
経済指標・イベント解説（時間は全て日本時間。予定・未定を含む）
＜30日・月＞
07:45 NZ・4月貿易収支
（NZドルは高値警戒売りと一段高狙いとのチキンゲームに）
10:30 豪1-3月期企業営業利益
（1-3月までは底堅さ。ただし中国減速リスクなどで豪ドルの戻り売り圧力は強い）
21:30 加1-3月期国内総生産
（1-3月までは底堅さ。ただし、隣国・米国の成長鈍化が先行き不安材料）
[休場] 英国 スプリングバンクホリデー、米国 戦没者祈念日
＜31日・火＞
10:30 豪4月住宅建設許可件数
（前月の改善の反動減がリスク）
18:00 ユーロ圏5月消費者物価指数[速報]
（根強い物価上昇圧力がECBの7月利上げとユーロ反発をサポート）
21:30 加4月原料価格指数
22:00 カナダ中銀、政策金利発表
（利上げ慎重姿勢がカナダ・ドルの重石に。米中の成長鈍化が懸念材料）
22:00 米3月S&Pケースシラー住宅価格指数
（3月の住宅市場は総じて低迷。ただし、一定の悪化は織り込まれる）
22:45 米5月シカゴ購買部協会景気指数
（5月の景況指数は軒並み減速。日本からの部品供給再開や資源安のプラス効果が焦点）
23:00 米5月消費者信頼感指数
（ガソリン価格の上昇一服などが下支え要因に）
＜1日・水＞
10:00 中国5月製造業PMI
（減速の確認がリスク回避の円高要因。意外な底堅さを見せるとサプライズの円全面安）
17:00 ユーロ圏5月製造業PMI[確報]
17:30 英5月製造業PMI
（いずれも成長鈍化に警戒感、英国は前月の下振れの反動増が波乱）
21:15 米5月ADP雇用統計
（米国の雇用は低調。日本からの部品供給再開による持ち直し部分が焦点）
23:00 米5月ISM製造業景況指数
（急回復のペースは踊り場的な鈍化。資源安などで過度な下振れは抑制も）
＜2日・木＞
10:30 豪4月小売売上高
（4月指標では企業の信頼感や求人広告件数などが鈍化）
21:30 米新規失業保険申請件数
（3日雇用統計の参考に。前週の悪化の反動回復が焦点）
23:00 米4月製造業受注指数
（耐久財受注は急回復のペースに息切れ感）
23:30 EIA週間石油在庫統計
（前週は留出油在庫が予想外の減少で原油高を支援。懸念ほどに資源需要は落ち込まず）
＜3日・金＞
10:00 中国5月非製造業PMI
11:30 中国5月HSBC非製造業PMI
（減速の度合いをにらむ。一定の悪化は織り込み進展）
16:00 ゴンザレスパラモECB理事、オルドネス・スペイン中銀総裁、スペインの会議に出席
（欧州債務危機のスペイン波及は潜在的なユーロ安リスク）
17:00 ユーロ圏5月総合PMI[確報]
17:30 英5月非製造業PMI
（いずれも成長ペースの鈍化に警戒感）
21:30 米5月雇用統計
（4月イースター商戦向け雇用の剥落などで減速懸念。マクドナルドなどの雇用増強が上振れ波乱）
23:00 米5月ISM非製造業総合指数
（住宅や消費は伸び悩み。資源安が下押しの度合いを緩和）
前週はドル安が再燃。
米国の経済指標が軒並み悪化したほか、中国の減速リスクや欧州債務懸念による安全逃避が米国債の価格をサポート（金利は低下）した。
今週も米国では3日の雇用統計にかけて重要な指標が相次ぐため、下振れリスクとドル安のオーバーシュートに神経質となる地合いが続く。
しかも根強い欧州債務不安がユーロの戻り反発を抑制。
かたや中国の減速が豪ドルなどの資源国通貨の下落要因として残されており、クロス円でも円高・外貨安の圧力は根強い。
今後の悪材料次第では3月と同様、国内個人が積み上げているドルや豪ドルなどの外貨ロング・ポジション（買い持ち）の取り崩しや損切りを狙った外貨売り・円買いの投機仕掛けが入る円高リスクも残されている。
一方で4-5月分における米国の指標悪化については、日本からの部品供給停滞、資源高の累積効果、米国での洪水や竜巻被害、リビアなどでの地政学リスクが過剰な押し下げ要因となってきた。
足元でこうした悪材料は鎮静化が見られつつあり、あくまで昨秋からの急回復の「中休み」的な踊り場にとどまる可能性がある。
しかも前週末に到達してきたドル/円の80円台、米2年債金利の0.45％前後という水準は、昨年から一旦は下げ止まる重要な抵抗ラインだ。
昨年からの複数回に及ぶ下限トライにより、踏み固まってきたフロア・ゾーンでもある。
そのため今週は底固めの横這いに転じるか、底割れしても一時的なオーバーシュートにとどまる可能性が消えていない。
同時にドル/円で80円を大きく割り込むような局面では、日銀の追加緩和や日本単独の介入が焦点となる。
前週のG8サミットでは、日本の復興支援に向けた「連帯」が確認されたばかりだ。
協調の円高阻止介入は困難でも、日本独自の円高阻止努力は許容されやすい。
テクニカルではドル/円、クロス円ともに5日移動平均線などを上限とした戻り売り圧力が強い。
現状は5日線の方向性の下向き化が目立ち、下向き化が続く限りは外貨の下落リスクが持続。
反対に5日線の上抜け定着や、5日線の上向き転換が見られるようだと外貨高・円安への反転シグナルとして注目されるだろう。
その他、円全面高の中でもスイス/円、NZドル/円、ポンド/円は各通貨が打たれ強さを見せている（円高抑制）。
リスク回避による円高エネルギーの微妙な減退を示唆するものだ。
経済指標・イベント解説（時間は全て日本時間。予定・未定を含む）
＜30日・月＞
07:45 NZ・4月貿易収支
（NZドルは高値警戒売りと一段高狙いとのチキンゲームに）
10:30 豪1-3月期企業営業利益
（1-3月までは底堅さ。ただし中国減速リスクなどで豪ドルの戻り売り圧力は強い）
21:30 加1-3月期国内総生産
（1-3月までは底堅さ。ただし、隣国・米国の成長鈍化が先行き不安材料）
[休場] 英国 スプリングバンクホリデー、米国 戦没者祈念日
＜31日・火＞
10:30 豪4月住宅建設許可件数
（前月の改善の反動減がリスク）
18:00 ユーロ圏5月消費者物価指数[速報]
（根強い物価上昇圧力がECBの7月利上げとユーロ反発をサポート）
21:30 加4月原料価格指数
22:00 カナダ中銀、政策金利発表
（利上げ慎重姿勢がカナダ・ドルの重石に。米中の成長鈍化が懸念材料）
22:00 米3月S&Pケースシラー住宅価格指数
（3月の住宅市場は総じて低迷。ただし、一定の悪化は織り込まれる）
22:45 米5月シカゴ購買部協会景気指数
（5月の景況指数は軒並み減速。日本からの部品供給再開や資源安のプラス効果が焦点）
23:00 米5月消費者信頼感指数
（ガソリン価格の上昇一服などが下支え要因に）
＜1日・水＞
10:00 中国5月製造業PMI
（減速の確認がリスク回避の円高要因。意外な底堅さを見せるとサプライズの円全面安）
17:00 ユーロ圏5月製造業PMI[確報]
17:30 英5月製造業PMI
（いずれも成長鈍化に警戒感、英国は前月の下振れの反動増が波乱）
21:15 米5月ADP雇用統計
（米国の雇用は低調。日本からの部品供給再開による持ち直し部分が焦点）
23:00 米5月ISM製造業景況指数
（急回復のペースは踊り場的な鈍化。資源安などで過度な下振れは抑制も）
＜2日・木＞
10:30 豪4月小売売上高
（4月指標では企業の信頼感や求人広告件数などが鈍化）
21:30 米新規失業保険申請件数
（3日雇用統計の参考に。前週の悪化の反動回復が焦点）
23:00 米4月製造業受注指数
（耐久財受注は急回復のペースに息切れ感）
23:30 EIA週間石油在庫統計
（前週は留出油在庫が予想外の減少で原油高を支援。懸念ほどに資源需要は落ち込まず）
＜3日・金＞
10:00 中国5月非製造業PMI
11:30 中国5月HSBC非製造業PMI
（減速の度合いをにらむ。一定の悪化は織り込み進展）
16:00 ゴンザレスパラモECB理事、オルドネス・スペイン中銀総裁、スペインの会議に出席
（欧州債務危機のスペイン波及は潜在的なユーロ安リスク）
17:00 ユーロ圏5月総合PMI[確報]
17:30 英5月非製造業PMI
（いずれも成長ペースの鈍化に警戒感）
21:30 米5月雇用統計
（4月イースター商戦向け雇用の剥落などで減速懸念。マクドナルドなどの雇用増強が上振れ波乱）
23:00 米5月ISM非製造業総合指数
（住宅や消費は伸び悩み。資源安が下押しの度合いを緩和）
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