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日本株週間展望 [株式展望]

6月1週(5月30日-6月3日)の日本株はもみ合いが続きそう。

欧州債務問題を背景にしたユーロ安、米国や中国景気への警戒に加え、国内政治の流動化リスクが上値を抑える。

一方、震災の影響で今期業績予想が未定だった企業の中で増益計画を示す動きが出始め、収益回復への期待感は下支え要素だ。

5月4週の日経平均株価終値は前週末比0.9%安の9521円となり、週間の高安値幅は182円と3カ月ぶりの狭さだった前週の228円からさらに縮小、膠着感を一層強めた。

国際格付け機関のフィッチ・レーティングスによるギリシャの格下げなどが嫌気され、週初に大きく下げて始まった後は、原油や貴金属など不安定な国際商品市況、ユーロ動向、海外経済統計に一喜一憂した。

欧州債務問題の火付け役だったギリシャへの懸念が、ここへきて俄然強まっている。

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場では、ギリシャ国債を保証するコストのCDSスプレッドが過去最高を記録。

今後5年以内に70%以上の確率で同国が債務不履行(デフォルト)に陥る可能性を織り込んだ水準だ。

ユーロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセンブルク首相)は26日、国際通貨基金(IMF)が来月、ギリシャ向け救済資金を提供しない可能性があるとの認識を示した。

同日の為替市場では、ユーロがスイスフランに対し最安値を更新。

欧州債市場では、ドイツの10年債利回りが4カ月ぶりに3%を割れ、投資家の安全資産志向が見える。

欧州が抱え続ける問題を、これまで投資家の目からそらさせていたのが米国や中国景気の堅調、商品市況の高騰が示した潤沢なマネーフローだったが、そこにも暗雲が立ち込めている。

米国の1-3月(第1四半期)の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比1.8%増と、速報値から変わらず、2.2%増への上方修正を見込んでいたエコノミストらの予想を裏切った。

米商品先物取引委員会(CFTC)が毎週公表するデータを見ると、ドルの代替投資先とされるニューヨーク金先物の大口投機筋(非商業部門)の買い越し幅は、17日まで4週連続で縮小した。





日本株売買代金の6割強を占める海外投資家は、5月3週までで29週連続と過去最長の連続買い越し記録を更新中だが、週間で最大3000億円以上買っていた4月と比べれば、5月は762億円、796億円、505億円と縮小傾向。

世界情勢の変化を受けた海外勢買いの鈍化は、東京市場の上値を抑えつつある。

このほか、日本株のマイナス要因として警戒されるのは、終盤国会での国内政治の流動化リスクだ。

自民党の石原 伸晃幹事長は24日の会見で、「菅さんだとこの難局は乗り切れない。不信任案を可決、成立させるために努力していかないといけない」と発言。

震災で被災した直後の東京電力・福島第1原子力発電所1号機への海水注入の判断をめぐって、菅内閣の見解が混乱した影響もあり、身内の民主党内からも政権批判が公然と出てきた。

ただ、海外を中心に懸念材料が多いものの、企業業績に対する先行き期待から一気に株価が調整局面を迎えるとみる向きは少ない。

SMBC日興証券のまとめでは、東証1部に上場する3月期決算企業の12年3月期経常利益は、製造業を中心とした回復がけん引し、現段階で前期比2.5%増の見込み。

今期の予想を公表する企業が増え始めた中で、従来の減益予想から好転しつつある。

27日の取引でも、建設機械メーカーの日立建機、制御機器やロボットメーカーの安川電機が今期の増益計画を示し、株価が上昇した。

6月1週の日本株に影響を与えそうな材料は、国内では31日に4月の鉱工業生産や失業率、6月1日には5月の新車販売台数が発表の予定。

海外では、31日に米国でコンファレンスボードの消費者信頼感指数、6月1日に米供給管理協会(ISM)製造業景況指数、中国でPMI製造業指数、3日には米国で5月の雇用統計が発表される。





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