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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週9月19-23日週の為替相場は、ユーロ不安の一服によるドル/円、クロス円での緩やかな円安と、根深い欧州債務金融危機に米FRBの追加緩和が加わる形でのユーロ安・ドル安・円全面高をにらんだ手探り相場となる。

焦点はまず17日まで開催されるEU財務相会合の行方。

16日段階では経済統合法などで歩み寄りが見られ、時間稼ぎであっても危機対応が進展すれば、今週 早朝からユーロ買い戻しやリスク回避後退による円全面安が見込まれる。

反対に改めて債務金融危機の深刻さが露呈されると、ユーロ安が再燃。

今週 19日は東京市場が休場であり、日本勢が不在の間にリスク回避の円高仕掛けが活発化する可能性も排除できない。

その後の注目は20-21日の米FOMCだ。

追加緩和の可能性が、前週までの対円以外でのドル全面高の巻き戻しによるドル売り戻し要因となる。

ドル/円でもドルの上値を一段と重くさせかねない。

ただし、現状のところFOMCでは「短期債売り・長期債買い」のツイスト・オペなどが有力視されている。

この場合はFRBのバランスシートは増えずに追加の量的緩和とならないほか、先行きの短期債売りが2年債などの金利低下を抑制する(債券価格が上げ渋り)。

ドルには中立となる可能性がある。

その一方で追加緩和自体は米国株をサポートするものだ。

リスク回避の後退が、クロス円主導の円安を支援しやすい。

ただし、前週からは期待先行で米国株が先行反発しているだけに、失望や材料出尽くしによる株安と円全面高のサブ・シナリオも残されている。

また、今週の米欧の経済指標は、総じて低迷予想が目立つ。

根深い世界減速のリスクが、指標発表のたびごとに突発的な円高をもたらす乱高下にも注意が心要。

さらに今週のポイントは日本企業の9月決算対応だ。

輸出企業や機関投資家ともにドルやユーロの売り遅れ(海外収益や海外資産の円転遅れ)が目立っており、東京市場ではドル/円、ユーロ/円ともに戻り売り圧力が意識されやすい。

一方で今週後半になると、こうした期末の円転圧力はピークアウトしていく。

続く10月の年度下期明けからは改めて国内企業による海外企業の買収や、円高対策としての海外直接投資(海外移転)が活発化する可能性がある。

こうした要因はドルなどの外貨押し目買いと円の戻り売り要因となるもので、9月後半から10月にかけては、為替需給の微妙な「潮目の変化」も注目されそうだ。

その他、テクニカルで要注目なのはリスク回避の度合いを示す米国株のVIX指数(シカゴ・オプション取引所のボラティリティー指数)。

恐怖指数や不安心理指数とも言われるもので、8月からは欧州不安などで大きく上昇。

株安とリスク回避の円高圧力を示してきた。

しかし、足元の一目均衡表チャートでは、雲の下限という重要なサポート・ラインの下抜け攻防に直面している。

このまま完全に下抜けていくと、実に5月以来のトレンド好転となる。

信用不安やリスク回避の後退が示され、クロス円主導での緩やかな円安を支援する可能性を秘めている。

もちろん、VIX指数の下抜け失敗による株安と円高の再燃、あるいは下抜けでも「リスク選好のドル全面安」が再燃することで、クロス円での円安・欧州通貨高・資源国通貨高が、ドル/円での円高・ドル安で相殺される展開にも注意が心要。


シストレJP


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<19日・月>
[日]敬老の日で休日
(週末のEU財務相会合が失望なら、早朝からユーロ安や日本勢の不在下で円全面高の仕掛け。反対に政策進展なら日本企業の期末円買いが細る分だけ、円全面安を助長)
07:00 NZ・7-9月期ウエストパック消費者信頼感
(前週はNZ中銀が景気慎重見通しで利上げ見送り。震災復興やラグビーW杯が過度な下振れ抑制)
17:30 コスタ・ポルトガル中銀総裁、トンビニ・ブラジル中銀総裁、ポルトガル語圏諸国中銀会議で講演
(ブラジルなど新興国によるユーロ圏の支援策への本気度が焦点)
23:00 米9月NAHB住宅市場指数
(景況感の悪化や雇用低迷が住宅低迷を助長。一定の悪化は織り込まれる)

<20日・火>
10:30 豪中銀、議事録公表[9月]
(先行きの利上げ慎重姿勢が豪ドル安要因に。ただし、一定の景気慎重見通しは織り込みも進む)
18:00 独9月ZEW景況感指数
(欧州の債務金融不安や世界減速懸念、株価急落などが景況感を下押し)
21:30 米8月住宅着工件数
(ハリケーンなどの自然災害が住宅低迷に拍車)
24:30 カーニー・カナダ中銀総裁、講演[ニューブランズウィック州]
(欧州債務懸念や米国減速などで景気に慎重見通しも。利上げ後退がカナダ・ドルを圧迫)
米連邦公開市場委員会[FOMC、21日まで]

<21日・水>
08:50 日8月貿易収支[通関統計]
(輸出の復調が円高圧力に。輸入も増加でこちらはドルを下支え。ドル/円の膠着助長)
17:30 英中銀金融政策委員会議事録[9月]
(追加量的緩和の賛成票増加リスクがポンド安要因に)
23:00 米8月中古住宅販売件数
(先行指標の成約指数は3カ月ぶりの悪化。自然災害なども下振れ要因)
27:15 米連邦公開市場委員会[FOMC]、金利誘導目標発表
(追加緩和の可能性が米国の株高とクロス円での円安を支援。ドルは圧迫される反面、短期債売り・長期債買いのツイスト・オペならドルに中立)

<22日・木>
07:45 NZ・4-6月期GDP
(景気減速がNZドルを圧迫。ただし一定の悪化は織り込まれ、底堅い場合が波乱)
16:00 仏9月製造業/非製造業PMI[暫定値]
16:30 独9月製造業/非製造業PMI[暫定値]
17:00 ユーロ圏9月製造業/非製造業PMI[暫定値]
18:00 ユーロ圏7月鉱工業新規受注
(欧州の債務金融不安や世界減速懸念などが下押し圧力)
21:30 加7月小売売上高
(米中の減速や資源下落などがカナダ経済の内需に逆風)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週は6月以来の悪化水準。低迷持続と反動改善をにらむ)
時間未定 南ア中銀、政策金利発表
(利上げ慎重姿勢が南アフリカ・ランドの悪材料に)
新興5カ国[BRICS]財務相会合、欧州諸国の債務危機支援に関する協議[ワシントン]
(協調での支援進展がユーロをサポート。失望のユーロ安波乱も排除は出来ず)

<23日・金>
17:30 英8月BBA住宅ローン承認件数
(英国の住宅市場は低迷。ポンドの戻り売り要因に)
26:30 ダドリー・ニューヨーク連銀総裁、講演[ワシントン]
29:30 トリシェECB総裁、講演[ワシントン]
(講演時の投機的なポジションの偏り次第で、調整による反対売買の材料にも)
[日]秋分の日で休日
(前日NY市場で株安が進展していると、日本勢の不在下で円高仕掛けのリスク)


シストレJP


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