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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週10月3-7日週の為替相場は、ドル/円、クロス円での円売り戻し(外貨買い戻し)の持続性と、根強いリスク回避の円高圧力との綱引きが想定される。

前週末30日の米国株は大幅下落。

コダックの破産申請検討の報道のほか、独仏の経済指標悪化や、ギリシャ追加融資の実行の難航懸念、ギリシャ国債を保有する民間投資家の債務減免(ヘアカット)などを含めた欧州域内の当局の意見対立、米ミシガン大学消費者消費者信頼感指数での「1年後のインフレ期待指数」の大幅低下などが悪材料となった。

それでも円相場はドル/円、ポンド/円などを中心に円の売り戻しが優勢となった。

背景には9月期末の特殊なドル買いや円売り手当ての決済や、こうした特殊オーダーへの便乗的な投機が円安要因となっている。

同時に日本の輸出企業や機関投資家による9月決算対策としてのドル売りやユーロ売り(海外収益の円転)などもピークアウトしてきた。

その他、日本の当局が介入資金枠の増額など、円高対策を強化させていること、中国勢が10月3日以降の長期連休を前にポジション調整的な円の売り戻しを行ったという観測なども、円安要因となっている。

ここ数年の円高局面でも日本の「年度半期明け」は、今年4月、昨年4月のように、短期的に円全面安が加速されるパターンも見られてきた。

今週はこうした円安の動きが持続するか。

あるいは根強い欧州債務不安や米中の減速リスクなどにより、安全逃避の円高が再燃するかを見極める展開となる。

今週は注目イベントが山積。

引き続きギリシャのデフォルト(債務不履行)リスクに関し、日々のニュースに一喜一憂の不安定な展開が続く。

ユーロは6日ECB理事会での利下げ観測や資金供給強化の思惑が、週初段階から戻り売り要因となりやすい。

さらに4日には豪州、6日には英国でも中銀の政策会合が予定されている。

いずれも会合前は追加緩和の地ならし警戒が通貨売り、実際の会合で緩和見送りなら「材料出尽くし」で買い戻しという乱高下が警戒されるだろう。

そして7日には米国で雇用統計が予定されている。

現状では低迷への警戒感が強く、またドル安や米国株の下落によるリスク回避の円全面高を招きかねない。

もっともすでに一定の悪化への織り込みは進展してきた。

9月分は前月の電話会社の大規模ストライキの反動改善が見込めること、週間の新規失業保険申請件数では急激な悪化ペースが鈍化してきたことなどから、懸念ほどには悪化しない可能性も残されている。

その場合は対円以外でのドル反発トレンドが、ようやくドル/円にも遅行波及する形でのドル高転換の可能性も排除できない。

テクニカルではドル/円、クロス円ともに、5日移動平均線の上抜け維持と5日線の方向性の上向き転換を見極める展開となる。

5日線の上抜けと上向きが定着してくると、5日線を下値抵抗線とした外貨押し目買い(円の戻り売り)トレンドが定着。

21日移動平均線や25日線、あるいは45日線、50日線といった重要抵抗線が自律反発のメドとして意識される。

反対に5日線の下抜けや下向き化に逆戻りしてくると、改めて外貨の安値トライが警戒されそうだ。





経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<3日・月>
08:50 日銀9月企業短期経済観測調査[短観]
(予測悪化が株安とリスク回避の円高材料に。ただし、大幅悪化となれば日銀の緩和期待が円高抑制。想定為替レートにも注目が集まる)
16:55 独9月製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏9月製造業PMI[確報]
17:30 英9月製造業PMI
23:00 米9月ISM製造業景況指数
(欧英米とも9月指標は悪化濃厚。ただし、織り込みは進展してきたほか、米国ではシカゴPMI指数が改善
[豪]Labour Day、[中国]国慶節、[ドイツ]ドイツ統一記念日

<4日・火>
09:30 豪8月貿易収支、豪8月住宅建設許可件数
(貿易黒字の減少や住宅減速が豪ドルの上値抑制材料に)
12:30 豪中銀、政策金利発表
(欧州債務不安や欧米中の減速への警戒度合い焦点。先行きの利下げ示唆なら豪ドル安波乱)
17:30 英9月建設業PMI
(英国の9月指標は悪化濃厚)
23:00 バーナンキFRB議長、米上下合同経済委員会で証言
(追加緩和の地ならしがあると米国の株高、ドル安、円安。共和党のFRB緩和批判を意識で当面の様子見を示唆なら株安、ドル高、円高)
25:00 メルケル独首相、講演
ユーロ圏と欧州連合[EU]財務相会合
(ギリシャ危機で前向きな進展があればユーロ高や株高・円安、失望ならユーロ安と株安・円高)

<5日・水>
09:30 豪8月小売売上高
(世界的に8月指標は悪化。少しでも改善すれば自律調整の単発的な豪ドル高)
16:55 独9月非製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏9月非製造業PMI[確報]
17:30 英9月非製造業PMI
(欧英とも9月指標は悪化濃厚。ただし、一定の下振れは織り込まれる)
21:15 米9月ADP雇用統計
(9月も米国の雇用は低調。前月の大規模ストライキの反動が上振れ撹乱要因)
21:30 メルケル独首相、バローゾEU委員長と会談、記者会見
(ギリシャ危機で進展があればユーロ高。新味がなければユーロ安)
23:00 米9月ISM非製造業総合指数
(欧州発の債務金融不安や2番底懸念、市場混乱などで減速リスク。ただし、一定の悪化は織り込まれる)

<6日・木>
20:00 英中銀、政策金利発表
(追加の量的緩和ならポンド安。見送りならポンド高。3日以降の指標が左右)
20:45 欧州中銀、政策金利発表
21:30 トリシェECB総裁、記者会見
(利下げや資金供給の強化がユーロ安要因。見送りなら一旦のユーロ高でも、先行きの景気懸念でユーロ戻り売り)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週は予想外の改善。急激な申請増加という悪化ペースには歯止め)
23:00 加9月Ivey購買部協会指数
(9月指標は悪化濃厚。先行きの金融緩和がカナダ・ドルの戻り売り材料に)

<7日・金>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[2日目、終了後直ちに結果公表]
(会合前に円高・株安激化なら追加緩和へ。見送りの場合は単発的な失望円高)
14:45 スイス9月失業率
(雇用悪化なら、改めてスイス中銀が通貨高阻止策を強化へ)
19:00 独8月鉱工業生産
(悪化濃厚。ただし、一定の減速への織り込みは進展)
20:00 加9月雇用統計
(9月指標は悪化濃厚。先行きの金融緩和がカナダ・ドルの戻り売り材料に)
21:30 米9月雇用統計
(2番底懸念などで雇用悪化の警戒持続。前月の大規模ストライキの反動が,僅かな可能性としての上振れ波乱)





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ケイ

おはようございます。☆
by ケイ (2011-10-04 05:44) 

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