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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週10月17-21日週の為替相場は、過度なリスク回避相場の反動調整による円全面安の持続性が焦点となる。

前週末14日はドル/円、クロス円で円が全面安。

米国の小売売上高改善や米財務長官が欧州による債務金融危機の解決に前向きな発言を行ったこと、週末G20会合での政策協調への期待感、日本の当局が今週にも円高対策を打ち出すという報道などが、リスク回避後退の円売り戻しに拍車を掛けた。

このうちG20については、期待先行の側面も強い。

G20を含めて週末中に欧州債務問題への新たな危機対策が出てこなければ、今週明け早朝から「失望」や「材料出尽くし」で、14日の円安の反動による円全面高が再燃するリスクも排除できない。

もっとも政策面では23日のEU首脳会議や11月3-4日のG20首脳会議まで、対策具体化の期待感が残る。

8月以降、欧州危機や世界減速など複合的なリスクの織り込みが進捗してきただけに、よほどの強力な悪いニュースが出ない限りは、リスク回避相場の「リターン・リバーサル」(売られ過ぎ、買われ過ぎの正常化修正)が持続。

世界株高、資源高、欧州通貨高、資源通貨高、ドル安、クロス円主導の円全面安という自律調整が支援されやすい。

マクロ経済面でも米国では10月以降、雇用統計、小売売上高などが懸念ほどには悪化していない。

引き続き低成長は長期化するものの、過度に警戒された2番底の深押し懸念は和らぎつつある。

その中で今週は米独中で重要指標、米国で決算発表が相次ぐ。

それぞれ懸念ほどには悪化しない場合のリスク回避の後退、あるいは予想以上の悪化となるリスク回避の再燃に一喜一憂となる。

テクニカルで要注目なのは、米株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)の動向だ。

リスク回避の度合いのバロメーターとなるものだが、日足の一目均衡表では前週、強力な下値抵抗線となってきた先行スパンの雲の上限と下限を一気に下抜けてきた(=不安心理とリスク回避の後退)。

まだ水準としては高いレベルにあるが、それでも5月以来のトレンド好転のサインが見られつつある。

緩やかな米国の株高や日本を含めた世界の株高と、クロス円主導の円安・外貨高の持続性が注目されるだろう。

為替相場のテクニカルは、ドル/円、クロス円ともに、5日移動平均線や21日線の「上抜け」や「上向き化」の定着を見極める展開となる。

上抜けや上向き化が続いている間は、5日線や21日線などを下値メドとした外貨の押し目買い(円の戻り売り)トレンドが続く。

上値メドは50日線、75日線、200日線など。

もっとも外貨の上値では日足・一目均衡表の雲の下限、雲の上限といった強力な上値抵抗線が君臨。

こうした節目の手前では、いったん上値を抑えられる可能性がある。

その後の調整的な外貨下押しをと底固めを経て、改めて雲の上限を突破できるか。

あるいは上抜け定着に失敗して、改めて長期トレンドとしての円全面高(欧州通貨安、資源通貨安、ドル安)の軌道に逆戻りしていくか。

その重要分岐点が意識されつつある。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<17日・月>
21:30 米10月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(10月指標の先頭バッター。資源下落や金利低下などで前月までの急悪化の反動改善も)
22:15 米9月鉱工業生産
(9月のISM製造業景況指数は懸念ほど悪化せず。自動車の買い替え需要などが下支え)
米企業決算 ウェルズ・ファーゴ[21:00]、シティグループ[21:00]、IBM
(前週は米銀大手JPモルガンの決算悪化が悪材料に。逆に銀行決算の不振はある程度、織り込まれる)

<18日・火>
09:30 豪中銀、議事録
(欧州債務金融不安や米中減速リスクで先行きの景気に慎重な見通しも)
11:00 中国7-9月期GDP、9月小売売上高、鉱工業生産
(減速がリスク回避の円高要因となるも、一定の悪化は織り込まれる)
17:30 英9月消費者物価指数
(資源下落などで落ち着きも。追加緩和の可能性がポンドの調整下落材料に)
18:00 独10月ZEW景況感指数
(欧州債務金融不安などが下押し要因。一方で資源高やユーロ安が過度な悪化を抑制)
21:30 米9月生産者物価指数
(資源下落が物価を抑制。米国債金利の低下とドル安材料に)
23:00 米10月NAHB住宅市場指数
(ローン金利の低下や緩やかな雇用の改善が米国の住宅市場を下支え)
米企業決算 バンク・オブ・アメリカ[20:00]、ゴールドマン・サックス・グループ[21:00]、ヤフー、インテル、アップル
(インテル、アップルの決算は相場の方向性を決めやすい。過度な悲観見通しを修正も)

<19日・水>
17:30 英中銀金融政策委員会[MPC]議事録
(量的緩和を決定。反対票が確認されると調整のポンド安材料にも)
21:30 米9月消費者物価指数
(今春までの資源高やドル安の累積効果などにより、物価下落には時間。米債金利とドルを下支え)
21:30 米9月住宅着工件数
(先行指標となる建設許可件数は、前月に集合住宅を中心に改善)
27:00 ベージュブック[米地区連銀経済報告]
(欧州債務不安などによる景気慎重姿勢が焦点。ただし、雇用や小売などの指標は改善)
時間未定 ブラジル中銀、政策金利
(金融緩和スタンスの維持が世界株高とリスク回避の円高後退に寄与)

<20日・木>
17:30 英9月小売売上高
(米国の小売は9月に健闘。英国も資源下落や物価の上昇一服がサポート要因)
21:30 米新規失業保険申請件数
(年末商戦に向けた雇用の確保が悪化を抑制)
23:00 米10月フィラデルフィア連銀景況指数
(最新の10月指標。資源下落や金利低下などで、前月までの急悪化の反動改善も)
23:00 米9月中古住宅販売件数
(先行指標の成約件数は減少。新学期に伴う引越や緩やかな雇用改善などが過度な下振れ抑制)

<21日・金>
17:00 独10月Ifo景気動向指数
(欧州債務金融不安などが下押し要因。一方で資源高やユーロ安が過度な悪化を抑制)
17:30 英9月公共部門純借入所要額、公共部門ネット負債
(欧州発の債務金融不安などで金融や信用関連は悪化)
20:00 加9月消費者物価指数
(資源下落や景気減速がインフレ抑制。先行きの金融緩和がカナダ・ドルの上値を抑制)
26:00 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、講演
28:00 イエレンFRB副議長、講演


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