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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週11月21-25日週の為替相場は、欧州の債務金融不安や米国の財政赤字削減論議などをにらんだ一喜一憂が続く。

ドル/円、クロス円ともに根強い円高圧力と、24日の米感謝祭休場を前にした調整的な円の売り戻し(外貨の買い戻し)が焦点となる。

前週末18日のNY市場ではユーロが反発後に売り戻し。

ECBによる国債購入観測や、ECBによるIMFへの貸付を経由した欧州の財政支援策検討、さらには「ECBがユーロ圏諸国の財政構造改革と引き換えに無制限の国債購入を行う」という観測などにより、ユーロ高が進む場面があった。

一方で20日のスペイン総選挙への警戒感やNYダウの伸び悩み、ドイツ外務省筋の話として「ドイツは秩序だったユーロ圏加盟国のデフォルト(債務不履行)を検討している」といったニュースが伝わるとユーロが反落に転じている。

引き続き欧州で政策対応が進展すると、リスク選好によって対ドル、対円でユーロ、ポンド、スイス・フランなどの欧州通貨高、豪ドル、NZドル、カナダ・ドルなどの資源国通貨高に作用。

反対に根強い債務金融不安や政策への失望が続くと、リスク回避で欧州通貨安、資源国通貨安、ドル全面高、クロス円の円高、ドル/円はレンジ小動きという手探りの相場が想定される。

同時に米議会では、超党派の特別委員会による財政赤字削減案の取りまとめ期限が23日に迫ってきた。

7-8月の債務上限引き上げ協議のように、難航すればリスク回避や米国債の格下げリスクにより、ドル全面安や円全面高の波乱リスクが警戒される。

反対に欧州債務不安が「危機バネ」となる形で、何らかの歩み寄りが見られるとリスク回避が後退。

ドル高や円全面安となる可能性も消えてない。

その他、今週は米独の経済指標も注目される。

それぞれ一定の悪化は織り込まれており、懸念ほど悪くない場合がドルやユーロの下支え要因となる。

とくに米国では最近、指標の改善が目立ち始めた。

一方で22日の米FOMC議事録、23日の英中銀政策委員会議事録は、それぞれ追加緩和の地ならしがドル安、ポンド安の材料とされやすい。

テクニカルではドル/円、クロス円ともに5日移動平均線や21日線などを意識した展開が続く。

このままこうしたラインの「下抜け」と方向性の「下向き化」が続くようなら、両ラインを上値メドとした外貨の戻り売りと下攻めが持続(円高)。

反対に「上抜け定着」や「上向き化」に転じるようなら外貨の押し目買いという、日々トレンド動向を吟味する展開となる。

また、今週は24日に米国が感謝祭休場となる。

そのまま連休入りとなる海外の市場関係者も多く、24日の前には投機ポジションの手仕舞いが各種通貨ペアの短期的なトレンド反転を招く波乱要因として警戒されるだろう。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<21日・月>
08:50 日10月貿易収支[通関統計]
(輸出は世界減速と円高で鈍化。輸入は火力電力の増強などで増加。ネットの赤字持続が需給面での円高を抑制)
21:45 シュタルクECB理事、講演[ダブリン]
(ECBによる国債購入には反対の立場)
24:00 米10月中古住宅販売件数
(先行指数の販売成約指数は低下。ただし、最近の住宅指標は上振れが相次ぐ)
[東京証券取引所取引時間を一部延長]
現物株:午前終了時間11:00から11:30に変更[午後は変更なし]

<22日・火>
11:00 NZ・10-12月期RBNZインフレ期待
(前週は生産者物価指数が想定ほどには低下せず、単発的なNZドル高を支援)
22:30 加9月小売売上高
(9月のカナダ指標は総じて低調)
22:30 米7-9月期GDP[改訂値]
(在庫調整の進展などが下方修正の要因に。懸念された10-12月期は現段階で底堅い流れ)
25:00 バローゾ欧州委員会委員長、講演[ブリュッセル]
(欧州債務危機で新たな対応が示唆されるとユーロ高、失望ならユーロ安)
28:00 米連邦公開市場委員会[FOMC]議事録[11月1、2日開催分]
(追加緩和の地ならしが見られるとドル安。ただし、米国株は支援することでクロス円主導の円安の余地も)

<23日・水>
11:00 中国11月HSBC製造業PMI[速報]
(引き締め後退期待などで下げ止まると、リスク選好の欧州通貨高と資源国通貨高を支援)
17:30 独11月製造業PMI[暫定値]
(欧州債務金融危機で悪化は濃厚。ただし、一定の減速は織り込まれる)
18:30 英中銀、議事録公表[11月分]
(追加緩和支持票があればポンド安。追加緩和の協議が示唆されてもポンド戻り売り)
22:30 米10月耐久財受注
(ISM製造業景況指数の新規受注は改善。欧州危機の影響が不透明)
22:30 米10月個人所得/個人支出
(同月の小売売上高は予想を上回る改善。携帯端末などの電機製品が好調)
23:55 米月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(速報は予想を上回る改善。反動的な減速修正に警戒感)

<24日・木>
18:00 独11月Ifo景気動向指数
(欧州債務金融危機で悪化は濃厚。ただし、一定の減速は織り込まれる)
18:30 英7-9月期GDP[改定値]
20:00 英11月CBI企業動向調査
(欧州債務危機の影響や緊縮財政などにより、英国の指標は低調)
[米]サンクスギビングデー[感謝祭]
(24日の前には投機ポジションの手仕舞いが短期的な波乱要因に)

<25日・金>
08:30 日10月全国消費者物価指数
(根強いデフレが示されると日銀に追加緩和の圧力。追加緩和期待が過度な円高を抑制)
16:45 仏11月消費者信頼感感指数
18:00 伊9月小売売上高
(欧州の経済指標は総じて低調。ただし、一定の悪化は織り込まれる)
18:00 バローゾ欧州委員会委員長、講演[ポルトガル]
(欧州債務危機で新たな対応が示唆されるとユーロ高、失望ならユーロ安)


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