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波乱相場への対処法 [投資の心得]

株式市場が波乱を繰り返している時には、今日は値上がりして利益が出ていたと思ったら、翌日は値下がりして損勘定になるというケースが多いものです。

このような時は材料に対する反応も、今日はプラス材料と受けとめたと思ったら、翌日は早くもマイナスに見方が変わってしまったということが少なくありません。

相場全体の行方の定まらない時には、市場全体の動きに心理状態が揺さぶられてしまいますから、こうしたことが起きがちなのです。

このような時にはどのように対処したらよいのでしょうか。

最も無難なのは相場の落ち着きを待つことです。

「休むも相場」ということを前にお話したことがありますが、このような時には何も無理して投資行動を起こす必要はないわけです。

「君子危うきに近寄らず」と静観を決め込むのが宜しいでしょう。

ところが、この休むということを忘れてしまうのが人間です。

何か買ってみたいと考えて「面白いよ」といわれたり、材料が飛び出すと飛びついてしまうものです。

ここに意外な落とし穴が待ち受けているものです。

小幅でも良いから儲けてやろうと考えて手を出したら、儲けるどころか大きな損につながるということが少なくないのです。

江戸時代の商人の世界で語られた言葉に「壱文儲けの百文失い」というのがあります。

言うまでもないと思いますが、「文(もん)」とはお金の単位です。

この言葉は、目先の小さな利益をあげようとして、逆に大きな損をすることを指しています。

目先の小さな利益を追うことを戒めた言葉です。

相場の行方に確信が持てれば話は別ですが、何となくただ「板の間稼ぎ」的感覚で投資するのは良くないということです。

しかし、それでも投資行動を起こしてしまったとするならば、どうしたらよいでしょうか。

冒頭に申しましたように、波乱相場の時は一高一低、上へ下への動きを繰り返すわけですから、少しでも利益が出たと思ったら売却することです。

もっと上値があるなどと考えてはいけません。

もっと高いところで売ってやろうと考えたのが運の尽き、あっという間に利益がはげてしまうだけでなく、今度は損につながってしまうこともあります。

波乱相場では小幅でも利益確保を優先させなければなりません。

これを相場格言では「利食い千人力」と語っています。

売れば資金ができますから、下がったら買うチャンスを生かせるわけです。

仮に売った値段より高くなっても、それは結果論であり何も悔やむ必要はありません。

買ってくれた人が儲かって良かったなくらいの気持ちの余裕が大切です。

もっと上がるだろうと欲を出すことを「爪を伸ばす」といいますが、波乱相場では爪を伸ばすと失敗することが多いものです。

「爪を伸ばさず」、僅かでも「塵も積もれば山となる」という考え方で、「利食い千人力」に徹すること、これが波乱相場で投資行動する人の鉄則ともいえます。


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