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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週1月23日-27日週の為替相場は、ユーロ反発と円全面安の持続性をにらんだ展開となる。

前週はドル/円、クロス円で円全面安が進展した。

懸案のユーロは欧州債務危機の一旦の織り込みや悪材料出尽くしのほか、欧州中銀(ECB)による3年物資金供給が効果を発揮する形で国債入札での順調消化が相次いでおり、売られ過ぎ修正の自律反発に転じている。

一方、欧州不安の一服による世界株高は、これまで「リスク選好のドル全面安」となってドル/円ではドル安・円高材料となってきた。

しかし、前週は米国の指標改善が素直にドル/円でのドル高に作用。

米国の指標改善や安全逃避の後退によって米国債金利が下げ止まり(債券価格は上げ渋り) となっており、ドル/円でのドルの下支えに作用している。

ただし、前週のユーロ反発や円全面安は、昨年後半から積み上がってきた投機的なユーロ売り(ユーロ・ショート)や円買い(円ロング)が、単発的に巻き戻されただけという見方も強い。

中華圏の旧正月連休入りを前にしたポジション整理なども影響した。

その意味で今週以降はポジション調整が一巡してくると、改めてユーロ売りや円買いが再開される可能性も消えていない。

今週の最大の注目は25日の米FOMCだ。

今回からメンバーの政策金利の見通し軌道が公表されるが、改めて利上げ時期の遠さが確認されるとドル安が再燃。

反対にメンバー間で見方が分かれていると、ドル一段高を招く波乱余地を秘めている。

また、最近の指標改善が一過性のものか、持続的な成長軌道入りの前兆か、という景気判断もドルの行方を左右するだろう。

かたやユーロについては23-24日に財務相会合が開催されるなど、30日のEU首脳会合に向けた政策協議が予定されている。

30日にかけては危機対応の進展期待によるユーロ高と、失望や材料出尽くしによるユーロ再下落に一喜一憂となる展開が続きそうだ。

その他、円に関しては日本企業の3月決算に向けて、2-3月は海外収益の円転や海外資産の取り崩しが「リパトリエーション(本国回帰)」の円高リスクとして警戒されている。

引き続き東京市場では、輸出企業などのドル/円、ユーロ/円での戻り売り(円買い)圧力が根強い。

もっとも前週には米国金融機関が発行した高格付け社債に対して、日本の金融機関から円売り・ドル買いを伴う「円投型」の新規外債投資が一部で観測された。

現在、米国債金利は大きく低下しているため、国内勢の米国債投資は「為替ヘッジ付き」や「短期ドル調達ベース」が中心とあって為替への影響は限られている。

しかし、社債のような高金利の米国資産に「円投型」の対米証券投資が広がってくると、ドルの底固めと先行きのドル反発トレンド入りの基盤整備につながってくる。

なお、テクニカルではドル/円、クロス円ともに21日移動平均線や25日線をにらんだ展開となる。

こうしたラインの方向性の下向き化や、下抜け状態が続いている間は21日線や25日線を上値メドとした外貨の戻り売り(円買い)。

反対に上向き化や上抜けが定着してくると、21日線や25日線を下値メドとした押し目買い(円の戻り売り)へとトレンドが意識されそうだ。

同様に5日線の動向についても、日々確認しながら短期的なトレンドを模索する流れが続く。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<23日・月>
20:45 ドイツのメルケル首相、講演
(欧州債務金融危機に対する現状認識と今後の政策対応の示唆に注目)
25:00 ユーロ圏財務相会合[ブリュッセル]
(欧州安定化基金=EFSFの格下げを受けた信用補完などを協議。政策期待と失望の両にらみ)
27:00 ポーゼン英中銀委、講演[ノッティンガム]
(追加緩和支持の急先鋒。2月以降の追加量的緩和の地ならしがポンドを圧迫)
[中国、香港、台湾、シンガポール] 旧正月

<24日・火>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
(成長率と物価の見通しを下方修正へ。3月期末の円高・株安阻止策に向けた地ならし焦点)
14:30 インド中銀、政策金利発表
(インフレ圧力が後退。引き締め終息が世界的なリスク選好に追い風)
17:30 独1月製造業/非製造業PMI[暫定値]
18:00 ユーロ圏1月製造業/非製造業/総合PMI[暫定値]
(独ZEW景況感指数は記録的な上昇。ユーロ安やECB緩和が下支え)
21:45 米ICSC週間小売売上高、22:55 米レッドブック週間小売売上高
(年末商戦の剥落後の消費回復「持続性」焦点に)
米決算発表=ヤフー、アップル、AMD、ジョンソン・エンド・ジョンソン
(米国の株高持続と好材料の出尽くしによる利益確定売りをにらむ)

<25日・水>
08:50 日12月貿易収支[通関統計]
(円高や世界成長の鈍化で赤字化が定着。先行きの円安要因に)
09:30 豪10-12月期消費者物価指数
(資源下落や国内外の減速で物価の上昇は一服。豪ドルの調整下落材料に)
11:00 オバマ米大統領、一般教書演説
(住宅や雇用の対策強化に注目。FRBへの負担軽減で追加緩和「後退」にも影響)
18:00 独1月Ifo景気動向指数
(独ZEW景況感指数は記録的な上昇。一定の改善は織り込まれ、失望の場合がユーロ安波乱)
18:30 英中銀、議事録
(欧州債務危機を受けた追加緩和支持票の増加が焦点。追加緩和観測がポンドの上値抑制)
18:30 英10-12月期GDP[速報]
(欧州債務危機や財政緊縮などで成長は鈍化)
24:00 米11月住宅価格指数
24:00 米12月中古住宅販売成約指数
(雇用復調や住宅ローン金利の低下などで住宅指標は改善傾向)
26:30 米連邦公開市場委員会[FOMC]、政策金利発表
(メンバーの金利見通しの軌道公表が波乱。ドル高とドル安の両リスクをはらむ)
世界経済フォーラム[ダボス、クロスタース、29日まで]
(欧州債務金融危機や世界減速リスクに対する要人発言に一喜一憂へ)

<26日・木>
05:00 ニュージーランド中銀、政策金利発表
(景気見通しの慎重姿勢や通貨高の牽制がNZドル高の調整下落リスクに)
22:30 米新規失業保険申請件数
(前週は年末臨時雇用の剥落の影響が見られず。雇用回復の持続性焦点)
22:30 米12月耐久財受注
(航空機受注の特殊な増加が上振れ要因。前月までの改善の反動減速リスクも消えず)
24:00 米12月新築住宅販売件数
(住宅指標は改善傾向。ただし、住宅着工件数の伸び悩みが懸念材料)
米決算発表=ロッキード・マーチン、キャタピラー、AT&T、3M
(キャタピタラーの収益見通しは、中国経済の先行き判断の参考に)

<27日・金>
06:45 NZ・12月貿易収支
(世界減速や資源下落が黒字を抑制。NZドルの上値を抑制)
17:00 スイス1月KOF先行指数
(通貨高阻止策の効果焦点。伸び悩みなら通貨高阻止の継続に警戒)
22:30 米10-12月期GDP[速報]
(年末商戦の改善や輸出の増加などが上振れ要因に)
23:55 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(株高や雇用の復調、年末商戦の良好さなどが消費マインドを支援)


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