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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週1月30日-2月3日週の為替相場は、ドル全面安の持続性とリスク回避のドル高再燃、その場合のドル/円横這いとクロス円での円高をにらんだ展開となる。

前週は円全面安のあとドル全面安。

前半は日本の年間貿易収支の赤字化や米国の指標・決算の改善、欧州不安の小康などにより、ドル/円、クロス円で円全面安が進展した。

しかし、その後は米FOMCでゼロ金利政策の長期化見通しが示されたことを受けて、ドル全面安とドル/円主導の円全面高に逆戻りしている。

今週はギリシャ債務交換協議が進展したり、30日のEU首脳会合で危機対応が合意されると、ユーロ高・ドル安主導でのドル安持続が警戒されやすい。

その場合はユーロ/円で円高が抑制されるため、クロス円はレンジ横這いでドル/円ではドルの続落が意識される。

一方で欧州では2-3月にかけて国債の大量償還が控えているほか、欧州中銀(ECB)の追加緩和観測が消えていない。

EU首脳会議での「失望」や「材料出尽くし」を契機にユーロが反落すると、ユーロ/円主導でクロス円は円高、ドル/円はレンジ横這いに逆戻りしていく。

焦点はリスク選好の行方だ。

米国株が決算発表の一段落などにより、過熱調整売りに転じてくると、リスク回避のドル高と円高に作用する。

その場合もクロス円での円高と、ドル/円の横這いという反応を呼びやすい。

反対に連休明けの中国で預金準備率の引き下げがあったり、中国や欧米の指標が底堅さを示すようだと、米国株の粘り腰の上昇傾向が持続。

リスク選好により、ドル全面安とクロス円の横這い、もしくは小幅な円安という一喜一憂が想定されそうだ。

そして2月相場の行方を左右するのが、3日の米雇用統計となる。年末商戦向け雇用の剥落により、反動悪化を示すとドル/円はドルの2番底トライが本格警戒される。

日本では3月決算に向けて、海外収益の円転や海外資産の取り崩し(本国回帰=リパトリエーション)による円高リスクが消えていない。

一方で中長期的スパンでいえば、米国ではゼロ金利長期化に対する安心感が、着実に景気の修復軌道を底固めしていく。

かたや日本では2月中旬から3月中旬の期末円高がピークアウトしてくると貿易赤字の定着などにより、需給面での円高圧力は漸減が見込まれる。

2月以降は消費税国会の混迷に伴い、日本の格下げや日本売りの潜在リスクも注視され始めた。

その意味で現状からのドル下攻めは「ドルの底割れ恐怖」よりも、先行きの円高ピークを未然に織り込んでいく形での「ドルの底値拾いのタイミング模索」へと移行していく可能性も残されている。

なお、テクニカルでドル/円は5日移動平均線、21日線、25日線などの下抜け状態と、こうしたラインの下向き化が持続している間は、各ラインを上値抵抗線としたドル戻り売りと下攻めが意識されやすい。

反対に各ラインの上抜けや上向きが見られるようだと、5日線、21日線、25日線などを下値メドとしたドル押し目買いへ移行していく。

一方でクロス円は、21日線や25日線が総じて上向き化してきた。

現状は両ラインからの上方乖離が目立ち、調整下落のリスクが残るものの、21日線や25日線で踏みとどまると、両ラインや5日線を下値メドとした押し目買い軌道に回帰する。

反対に各ラインを完全に下抜けたり、方向性が横這いから下向き転換するようであれば、本格的な外貨下落(円高)トレンド入りが警戒されるだろう。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<30日・月>
19:00 ユーロ圏1月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、業況判断指数
(債務金融危機が重石もユーロ安やECB流動性供給などが下支え)
22:30 米12月個人所得/個人支出
(年末商戦は改善。年末商戦向け臨時雇用の増加もサポート要因)
23:00 欧州連合首脳会議、EU財政協定について協議[ブリュッセル]
(ギリシャ支援や安定化基金への信用補完などが焦点。政策期待と失望の両にらみ)

<31日・火>
06:45 NZ・12月住宅建設許可
(震災の復興需要本格化が下支え要因)
08:50 日12月鉱工業生産[速報]
(タイ洪水被害などからの反動回復が上振れ要因。予測指数に伸び悩み懸念)
09:30 豪12月民間部門信用、NAB企業景況感指数
(12月は欧州債務金融危機が重石に。12月の製造業、建設業の景況指数は改善)
17:55 独1月雇用統計
(ユーロ安やECBの金融緩和などが下支え。年末臨時雇用の反動減はリスク)
18:30 英12月消費者信用残高、住宅証券融資残高、住宅ローン承認件数
(12月は欧州債務金融危機が重石に。年末商戦などが過度な下振れを抑制)
19:00 日1月外国為替平衡操作[為替介入]実施状況
(1月初旬の円高局面で「覆面介入」の事実発覚ならサプライズの円安)
23:00 米11月S&Pケースシラー住宅価格指数
(住宅ローン金利の大幅低下などが下げ止まりを支援)
23:45 米1月シカゴ購買部協会景気指数
(1月の製造業景況指数は総じて改善。原油高止まりや対円以外のドル高などが懸念材料)
24:00 米1月消費者信頼感指数
(雇用復調や米国の株高などが支援。原油の高止まりが懸念材料)

<1日・水>
10:00 中国1月製造業PMI
(米国経済の復調やインフレ低下、旧正月連休向け需要がサポート要因)
17:55 独1月製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏1月製造業PMI[確報]
(ユーロ安やECBの金融緩和などが下支え要因)
18:30 英1月製造業PMI
(欧州不安の一服や世界株高、米国経済の復調などが支援材料)
22:15 米1月ADP雇用統計
(年末商戦向け臨時雇用の剥落が懸念材料。1月の失業保険申請は前半良好で最新は悪化)
24:00 米1月ISM製造業景況指数
(1月の地区連銀景況指数は総じて改善。原油高止まりや対円以外のドル高が懸念材料)

<2日・木>
09:30 豪12月住宅建設許可件数
(12月は欧州債務危機が重石に。雇用指標も悪化)
10:30 山口日銀副総裁、高松市での金融経済懇談会で講演[香川県高松市]
14:30 山口日銀副総裁、香川県高松市で記者会見
(米FRBのゼロ金利長期化公約に対しての日銀の今後の施策焦点)
22:30 米新規失業保険申請件数
(前月は改善傾向が一服。雇用回復の踊り場入りか、回復トレンド持続かを見極め)

<3日・金>
10:00 中国1月非製造業PMI
(米国経済の復調やインフレ低下、旧正月連休向け需要がサポート要因)
17:55 独1月非製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏1月非製造業/総合PMI[確報]
(ユーロ安やECBの金融緩和などが下支え)
19:00 ユーロ圏12月小売売上高
(欧州債務金融危機が重石。年末商戦やユーロ安などがサポート要因)
22:30 米1月雇用統計
(年末商戦向け雇用の剥落が伸び悩み要因。1月の失業保険申請は前半良好で最新は悪化)
24:00 米1月ISM非製造業総合指数
(株高や住宅・雇用指標の下げ止まり、金利低下などが支援材料)
バーナンキFRB議長、下院予算委員会で証言
(住宅支援策などでの政府との協調焦点。雇用統計を受けた最新の雇用判断も注目)


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