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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月9日-13日週の為替相場は、ドル/円、クロス円での円全面高の持続と外貨の値固め(円の頭打ち)への移行をにらんだ神経質な展開となる。

前週は最終的に円全面高の流れが持続。

欧州債務不安の再燃やECB幹部による国債購入の慎重発言がユーロ安、米国の指標鈍化やFRB幹部による追加量的緩和(QE)の示唆がドル安、中国のGDP悪化など根強い中国の減速懸念が豪ドルなどの資源国通貨安、そして日銀の追加金融緩和の先送りが円高の材料となっている。

過去2年、ドル/円、クロス円とも4-5月に外貨高・円安のピークをつけて、年後半にかけて円全面高が長期化した。

とくに日本のゴールデン・ウィーク前後にかけては円高が加速されやすいだけに、今年もその再現リスクにナーバスな展開となっている。

今週は米国の経済指標と決算発表が続くほか、17日や19日のスペイン国債入札、17日や20日のドイツの重要先行指標、17日の豪州中銀の政策委員会議事録、18日に英国中銀の政策委員会議事録といった重要イベントが相次ぐ。

関連通貨の続落と買い戻しをにらだ手探り相場となりそうだ。

とくに現在は「政策催促相場」の様相を呈している。

米FRBの追加緩和催促が米国の株安とリスク回避の円全面高、あるいはドル安。

ECBの資金供給や国債購入の再開への催促がユーロ安。

日銀の緩和催促が円高をそれぞれ後押しさせている。

この点、まずは4月24-25日の米FOMCでの緩和地ならし協議の思惑がドル安要因となりやすい。

一方で実際の政策出動という点では、27日の日銀金融政策決定会合での追加緩和が最も有力となってきた。


その意味で根強い円全面高と日米株安が警戒されつつも、日銀の緩和強化への期待感が円の戻り売り(外貨の押し目買い)要因として注目されそうだ。

また、円高歯止めの材料としては、19日の日本の3月貿易収支で赤字の拡大傾向が持続しているのかが焦点となる。

テクニカル面ではドル/円、クロス円ともに日足と週足・一目均衡表の先行スパンの雲の上限ラインや下限ラインの上抜け維持攻防となっている。

日々、こうしたラインの上抜けが固まるか(外貨高・円安)、あるいは完全に下抜けていくか(外貨安・円高)を見定めていく重要な正念場が続きそうだ。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<16日・月>
21:30 米3月小売売上高
(3月の既存店売上高は予想を上回る。春物衣料などが好調。資源高の影響が下振れ波乱)
21:30 米4月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(資源高や欧中などの減速が伸び悩み要因。株高一服も景況マインドの改善にブレーキ)
23:00 米4月NAHB住宅市場指数
(雇用伸び悩みが下振れ要因も、季節的な住宅購入シーズンが下支え)
米企業決算=シティグループ、チャールズシュワブ
(前週までの決算発表は総じて底堅さ)

<17日・火>
10:30 豪中銀、議事録公表
(中国減速などによる先行きの利下げ示唆が豪ドル安要因。一方で利下げの織り込みも進捗)
17:30 英3月消費者物価指数、英3月小売物価指数
(資源高が上振れ要因。追加緩和の障害でポンドを下支え)
18:00 独4月ZEW景況感指数
(資源高やユーロ安の一服などで回復ペースが鈍化も。底堅さを示すとサプライズのユーロ高)
21:30 米3月住宅着工件数
(先行指標の建設許可件数は08年10月以来の高水準。資源高や雇用伸び悩みが懸念材料)
22:00 カナダ中銀、政策金利発表
(米欧中に先行き不透明感。低金利の持続示唆がカナダ・ドルの上値を抑制)
22:15 米3月鉱工業生産
(暖冬で電力・ガス関連の生産が停滞。前月までの急回復の反動鈍化にも警戒感)
米企業決算=ザコカ・コーラカンパニー、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ゴールドマン・サックス・グループ、インテル、ヤフー、IBM、ステート・ストリート
(インテル決算は相場の転換点となりやすい。米国株が事前に上昇なら反落、下落なら反発も)

<18日・水>
10:30 西村日銀副総裁、講演[岡山市]
14:00 西村日銀副総裁、記者会見[岡山市]
(4月27日の日銀会合での追加緩和に注目が集まる)
17:30 英中銀、金融政策委員会[MPC]議事録公表
(追加緩和の支持票が確認されるとポンド安。資源高が追加緩和の障害にも)
17:30 英3月雇用統計
(欧州債務不安の一服などで緩やかな改善傾向)
時間未定 ブラジル中銀、政策金利発表
(金融緩和のスタンスが新興国株市場を下支え。リスク回避の円高の抑制要因)

<19日・木>
07:45 NZ・1-3月期消費者物価指数
(資源高や復興需要が上昇要因。NZドルを下支え)
08:50 日3月貿易収支[通関統計]
(上中旬ベースでは赤字が再拡大。為替需給面で円高を抑制)
21:30 米新規失業保険申請件数
(暖冬による雇用「先食い」の反動や資源高などで回復ペースが鈍化)
23:00 米4月フィラデルフィア連銀景況指数
(資源高や欧中などの減速が伸び悩み要因。株高一服も景況マインドの改善にブレーキ)
23:00 米3月中古住宅販売件数
(先行指標の成約指数は低下。資源高や雇用の伸び悩みなどが懸念材料)
米企業決算=バンク・オブ・アメリカ[BOA]、モルガン・スタンレー、マイクロソフト、AMD

<20日・金>
17:00 独4月Ifo景気動向指数
(資源高やユーロ安の一服などで回復ペースが鈍化も。底堅さを示すとサプライズのユーロ高)
17:30 英3月小売売上高
(欧州債務不安の一服や雇用復調などで持ち直しも)
22:00 G20財務相・中央銀行総裁会議[ワシントン]
(IMF財務強化などを討議。欧州債務不安の再燃や世界失速懸念に対する協調強化も焦点)
22日
フランス大統領選挙
(サルコジ大統領の苦戦が現実化するようなら、サプライズのユーロ安波乱)


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