SSブログ

今週の為替相場展望 [為替情報]

今週5月14日-18日週の為替相場は、根強いユーロ安、豪ドル安、ドル安などから派生する円全面高の持続と、反動修正的な円安の行方をにらんだ展開となる。

前週末11日は最終的に円高が持続。

一時は米ミシガン大学消費者信頼感指数の改善などを受けて、米国の株高とドル/円、クロス円での円全面安が進む場面も見られた。

しかし、ギリシャでの連立政権樹立の協議失敗とのニュースにより、改めて再選挙や将来的なユーロ離脱のリスクが警戒されている。

さらにはイタリア、ポルトガルが格下げされるという噂も浮上し、ユーロ反落や円全面高への逆戻りを促している。

先週末にはドイツで州議会の選挙が行われるほか、ギリシャ再選挙の可能性、6月10日と17日のフランスでの議会選挙などもあり、欧州の政治混迷に端を発したユーロ安やリスク回避の円高警戒は根強い。

さらに住宅バブル崩壊などによるスペイン金融機関の不良債権問題も、日本の1990年代のように解決には長い道のりと市場混乱の長期化が懸念されている。

その中で今週は14日にユーロ圏の財務相会合が開催される。

週末にはG8首脳会議(サミット)も予定されており、ギリシャとスペインなどへの危機対応に注目が集まりそうだ。

政策期待がユーロ買い戻しや円全面安を招く可能性がある反面、失望によるユーロ再下落や円高加速のリスクを秘めている。

もっとも米国では前々週、5月5日週の新規失業保険申請件数、5月分のミシガン大学消費者信頼感指数という最新データが相次いで予想を上回った。

今週公表の3-4月指標では改めて減速が警戒される反面、5月分以降は資源安などを受けたリバウンド改善の期待感も高まっている。

また、日本でも17日の1-3月期GDPは大幅なプラスとなる見込みだ。

世界経済への過度な悲観後退が、日米の株安への歯止めとドル/円、クロス円での円の売り戻し(外貨反発)という自律調整を招く可能性も消えていない。

さらに今週も欧州不安などで株安・円高が加速された場合、日本では22-23日の日銀金融政策決定会合に注目が集まりそうだ。

国内では財政再建に向けた消費税増税法案の国会審議が大詰めを迎えており、その最中に円高・株安とデフレ圧力が強まれば増税反対派の勢いが強まりかねない。

すでに野田首相は消費税増税に「政権生命を掛ける」と宣言している。

6月に国会の会期末を控え、財政再建路線を後退させないためにも、日銀の追加緩和とその後の財務省主導による円高阻止介入の可能性は十分に想定される。

その他、個別通貨では雇用指標が改善し、先行き利上げ期待の高まるカナダ・ドル、追加量的緩和の可能性が後退しているポンドの「打たれ強さ」と「押し目買いの広がり」に注目が集まりそうだ。

テクニカルではドル/円、クロス円ともに、5日移動平均線をにらんだ展開が続く。

5日線からの下抜け状態や5日線の方向性の下向き化が続いている間は、5日線を上値メドとした外貨の戻り売りと下攻めが持続(円高)。

反対に5日線を上抜け定着し、5日線の方向が上向きに向かい始めると、5日線を下値メドとした外貨の押し目買い(円安)という、短期的なトレンド転換が意識される。

経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<14日・月>
10:30 豪3月住宅ローン約定件数、投資貸付
(3月の豪州指標は悪化が目立つ)
18:00 ユーロ圏3月鉱工業生産
(3月までは欧州の指標に底堅さも)
24:45 ジョルダン・スイス中銀総裁、講演[チューリッヒ]
(ユーロ安とスイス・フラン高に対する防衛姿勢が焦点に)
ユーロ圏財務相会合[ブリュッセル]
(ギリシャ支援やスペイン不良債権問題などへの政策期待と失望の両にらみ)

<15日・火>
10:30 豪中銀、議事録公表[5月]
(追加利下げの示唆が焦点に。ただし、利下げ継続への織り込みも進む)
14:30 仏1-3月期GDP[速報]
15:00 独1-3月期GDP[速報]
(1−3月期までは欧州経済に底堅さも)
16:00 EU財務相会合[ブリュッセル]
(ギリシャ支援やスペイン不良債権問題などへの政策期待と失望の両にらみ)
18:00 独5月ZEW景況感指数
(欧州債務危機の再燃や米中など世界減速が重石に)
21:30 米4月消費者物価指数
(資源下落がインフレ抑制。米国債金利の低下とドル安要因に)
21:30 米5月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(欧中不安などが重石も、資源下落や金利低下が下支え要因)
21:30 米4月小売売上高
(既存店売上高は予想下回る。イースター商戦が早かったことや暖冬特需の反動などが懸念)
23:00 米5月NAHB住宅市場指数
(住宅ローン金利の低下や賃金の下げ止まり、ローン市場の改善などが下支え)

<16日・水>
10:30 豪1-3月期賃金コスト指数
(豪州の1-3月指標は悪化が目立っていた)
17:30 英4月雇用統計
(量的緩和強化や通貨安の累積効果が英国の雇用を下支え)
18:30 英中銀、四半期インフレ報告公表
(資源下落がインフレ警戒を抑制も、英中銀の追加緩和観測は後退。ポンドを下支え)
21:30 米4月住宅着工件数
(先行指標の建設許可件数は前月に08年9月以来の高水準に。前月悪化の反動増期待も)
22:15 米4月鉱工業生産
(ISM製造業の生産指数は4月に昨年3月以来の高水準を回復)
27:00 FOMC議事録公表[4月24−25日分]
(早期の追加緩和の後退が示され、ドルをサポートする可能性も)

<17日・木>
08:50 日1-3月期GDP[1次速報]
(大幅な改善予想も織り込み進展。4-6月の反動減速度合いに注目は移行)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週までに2週連続の改善。資源下落や州財政の改善などが雇用のプラス要因に)
23:00 米5月フィラデルフィア連銀景況指数
(欧中不安などが重石も、資源下落や金利低下が下支え要因)
米企業決算 ウォルマート・ストアーズ
(欧州や新興国の減速がマイナス要因。商品相場の下落が採算性にはプラスにも)

<18日・金>
15:00 独4月生産者物価指数
(資源下落がインフレを抑制。ECBの緩和期待をサポート)
21:30 加4月消費者物価指数
(雇用指標の改善で利上げ期待。物価が大幅低下とならない限り、カナダ・ドルを下支え)
G8首脳会議[19日まで、キャンプデービッド]
(欧州債務危機や世界減速リスクに対し、協調が確認されるとリスク選好の円全面安。失望円高の余地も)


nice!(19)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:マネー

nice! 19

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

日本株週間展望KLabが最短1部昇格 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。