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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週6月25日-29日週の為替相場は、ドル/円、クロス円での円全面安の持続性をにらんだ展開となる。

前週は円が全面安。

ドルは米FOMCでの大幅緩和の見送り、米国指標の悪化などによる安全逃避のドル買いなどで上昇した。

一方でユーロもギリシャ再選挙でユーロの離脱懸念が後退したほか、週後半には欧州中銀(ECB)による市中銀行向けオペの担保条件緩和、ユーロ圏での13兆円規模の成長計画、スペインの銀行救済の進展などにより、下げ止まりが見られている。

また、前週は欧米主要銀行の一斉格下げがあったが、「悪材料の出尽くし」という形でリスク回避の円高は抑制された。

逆に円に関しては、貿易赤字の拡大、民主党の分裂危機による政局不安、日銀による6月期末越えの資金繰りに配慮した資金供給の増強(日銀の当座預金残高は過去最高水準に=量的緩和拡大)、消費税増税法案の進展による「増税デフレ」回避のための日銀の追加緩和観測などにより、円全面安が後押しされている。

今週もこうした複合要因を受けた円全面安の「賞味期限」を見極める展開となりそうだ。

引き続き欧州の債務金融危機や米中の減速懸念などのリスクは厳然と残されており、円安の持続性には薄氷を踏む危うさをはらむ。

その行方を左右するのが、米国の経済指標、日本での消費税増税法案採決、EU首脳会議などである。

一喜一憂による乱高下は警戒される一方で、よほどのサプライズがない限りは、3-4月からの過度なリスク回避の円高の反動的な揺り戻し(=円の売り戻しと外貨買い戻し)が持続する余地が残されている。

なお、テクニカルではドル/円、クロス円ともに21日、25日、200日といった移動平均線の上抜け持続を見極める流れとなる。

こうした節目ラインの「上抜け状態」と「上向き化」が続いている間は、外貨の押し目買い。

反対に上抜け定着や上向き化に完全失敗すると、戻り売りと下攻めが再開という手探り相場が続く。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<25日・月>
21:30 米5月シカゴ連銀全米活動指数
(米国の景況感指数は悪化が続く。ただし、織り込みも進展)
23:00 米5月新築住宅販売件数
(中古住宅販売は減速。ローン金利低下などによる下支えが焦点)
23:30 米6月ダラス連銀製造業活動指数
(6月指標は大幅悪化が続出。ただし、織り込みも進展)

<26日・火>
15:45 仏6月消費者信頼感
17:00 伊4月小売売上高
(欧州の消費関連指標は悪化が目立つ。ただし、織り込みも進展)
22:00 米4月S&Pケースシラー住宅価格指数
(住宅関連指標は底入れ傾向。ただし、回復の角度は緩やか)
23:00 米6月消費者信頼感指数
(欧州債務危機や中国など新興国の減速、米国での先行きの緊縮財政が重石)
衆院本会議で消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案を採決
(民主党の造反票の行方焦点。政局混乱は円安要因に)

<27日・水>
07:45 NZ・5月貿易収支
(資源下落や世界減速が輸出を抑制。収支悪化はNZドルの悪材料)
21:00 独6月消費者物価指数[速報]
(資源下落や欧州景気の悪化による落ち着き焦点。低下ならECB利下げ観測でユーロ安)
21:30 米5月耐久財受注
(5月ISM製造業景況指数の「新規受注」は60.1と前月の58.2から改善)
23:00 米5月中古住宅販売成約指数
(前月の悪化の反動回復が焦点に。ローン金利の大幅低下なども下支え要因)

<28日・木>
16:55 独6月雇用統計
(欧州債務金融危機などが重石。長期金利低下や資源安、ユーロ安による下支え焦点)
17:30 英1-3月期GDP[確報]
(速報は建設関連の特殊要因で悪化。反動的な上方修正なら波乱)
18:00 ユーロ圏6月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、業況判断指数、経済信頼感
(欧州の6月指標は総じて悪化。一方で織り込みも進む)
21:30 米1-3月期GDP[確報]
(消費関連や在庫投資などでの下方修正に警戒感)
21:30 米新規失業保険申請件数
(欧州債務危機や新興国減速、先行きの財政緊縮が重石。テクニカルな反動回復の余地も)
EU首脳会議[ブリュッセル、29日まで]
(会議までは政策期待がユーロ高やリスク選好の円安に。会議後は失望や出尽くしに警戒感)

<29日・金>
07:45 NZ・5月住宅建設許可
(欧州債務危機や中国減速、資源下落などがNZ経済を圧迫)
08:50 日5月鉱工業生産[速報]
(悪化に警戒感。ただし、生産の減速は輸出減=貿易赤字定着=円安要因にも)
10:30 中国1-5月工業利益[年初来]
10:30 豪5月民間部門信用
(中国減速による下振れに警戒感。ただし、織り込みも進展する)
18:00 ユーロ圏6月消費者物価指数[速報]
(資源下落や欧州景気の悪化による落ち着き焦点。低下ならECB利下げ観測でユーロ安)
19:00 日6月外国為替平衡操作[為替介入]実施状況
(覆面介入の真偽焦点。介入ゼロなら当然で、介入確認なら超サプライズの円安)
21:30 加5月鉱工業製品価格、原料価格指数
(資源下落や景気減速が物価を抑制。利上げ観測の後退がカナダ・ドルを圧迫)
21:30 米5月個人所得/個人支出
(5月は小売売上高などが低迷。雇用減速や欧州危機、株安などが重石)
22:45 米6月シカゴ購買部協会景気指数
(6月の景況感指数は大幅悪化が続出。シカゴ拠点の自動車も回復ペースが鈍化)
22:55 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(速報時に比べると株価が上昇。資源下落とあいまって、過度な悲観の一服焦点)
EU首脳会議[ブリュッセル]
(会議までは政策期待がユーロ高やリスク選好の円安に。会議後は失望や出尽くしに警戒感)

<1日・日>
10:00 中国6月製造業PMI
(減速の継続に警戒感。利下げなどで下げ止まりの兆候があると、サプライズのリスク選好に。豪ドルなどの資源国通貨を支援)


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