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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週7月23日-27日週の為替相場は、ユーロ安とドル安が交互に直撃する形での根強い円高と、反動調整の円安をにらんだ展開となる。

前週末20日にはユーロ/円の主導で円高が継続。

スペインのバレンシア州が中央政府に支援を要請する意向を示したことや、ユーロ圏財務相会合でスペイン銀支援に関する覚書が最終承認されたものの、「次は財政支援の要請に追い込まれる」との懸念がスペイン国債の続落(金利は急上昇)とユーロ安につながった。

さらにスペイン国債の格下げも、ユーロ安やリスク回避の円高に拍車を掛けている。

今週は欧州で消費関連や景況感の指標が相次ぐため、改めて悪化が示されるとユーロ続落が意識されやすい。

政策当局が夏休みモードのため危機対応の遅れが不安視され、2007年から昨年までに繰り返されてきた「7月後半から8-9月にかけてのリスク回避の円全面高」の再現リスクも警戒され始めた。

かたや米国では今週に住宅販売や耐久財受注、GDPなどの重要指標が相次ぐ。

改めて悪化を示すと、米国経済の減速懸念によるドル安やリスク回避の円高を後押しさせやすい。

もっとも欧州債務危機の再燃や米国の減速は、改めて各国当局の政策対応を促すものだ。

米国では31日-8月1日にFOMCが控えており、それまでに政策期待が高まると「追加緩和観測によるドル安」の一方で「リスク回避後退による調整円安」を誘発させる可能性も消えていない。

同時に現在は「夏の円全面高」再燃が警戒されながら、前週の円高局面でも対円ではスウェーデン・クローナ、豪ドル、ブラジル・レアルといった高金利通貨が打たれ強さを保っていた。

前週からは同じ高金利通貨でもメキシコ・ペソ、トルコ・リラなどが頭打ちとなっており、再度ユーロ安とドル安に高金利通貨も追随下落していく円全面高の可能性は残るものの、日本の貿易赤字の定着などによる「潜在的な円の強さの後退」などとあいまって、2007年以降に繰り返されてきた円全面高との微妙な変化が注目されそうだ。

ドルについても総合力を示すドル指数は前週、調整下落に転じたが、「安全逃避によるドル買い」や「対ユーロでのドル高」などとあいまって、現状はまだ中長期の反発トレンドが維持されている。

ドル自体の復調がドル/円でドルの下支えに作用し、ユーロ/円主導の円全面高を抑制させるシナリオも排除できない。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<23日・月>
10:30 豪4-6月期生産者物価指数
(資源下落や内外景気の減速でインフレは落ち着き。追加緩和の余地が豪ドルの上値抑制)
21:30 米6月シカゴ連銀全米活動指数
(欧州債務危機、中国など新興国の減速、来年からの緊縮財政への懸念などが重石)
23:00 ユーロ圏7月消費者信頼感[暫定値]
(欧州債務危機や財政緊縮への懸念で悪化警戒。ユーロを圧迫)

<24日・火>
11:30 中国7月HSBC製造業PMI[速報]
(欧米の減速や景気刺激策の遅れなどで低迷警戒。リスク回避の円高材料に)
11:30 スティーブンス豪中銀総裁、昼食会で講演[シドニー]
(欧州や中国の減速に改めて警戒を示すと豪ドルの調整下落材料に)
16:00 仏7月製造業/非製造業PMI[暫定値]
16:30 独7月製造業/非製造業PMI[暫定値]
17:00 ユーロ圏7月製造業/非製造業/総合PMI[暫定値]
(欧州債務危機や財政緊縮への懸念で悪化警戒。ユーロを圧迫)
17:30 英6月BBA住宅ローン承認件数
(長期金利の大幅低下を受けた下支え焦点)
21:30 加5月小売売上高
(欧州債務懸念や米中の減速などが重石)
23:00 米5月住宅価格指数
(米国の住宅指標は、まだら模様ながら緩やかな回復傾向)

<25日・水>
07:45 NZ・6月貿易収支
(資源下落や世界減速による収支の悪化警戒。NZドルの上値を抑制)
08:50 日6月貿易収支[通関統計]
(世界減速が輸出抑制。輸入は火力発電の増強で高止まりが続き赤字は減少。円安要因に)
10:30 山口日銀副総裁、広島市の金融経済懇談会で講演[14:30から記者会見]
(円高を受けた追加緩和の地ならしがあれば円安価。様子見を示唆なら失望の円高)
10:30 豪4-6月期消費者物価指数
(資源下落や内外景気の減速でインフレは落ち着き。追加緩和の余地が豪ドルの上値抑制)
17:00 独7月Ifo景気動向指数
(欧州債務危機、財政緊縮への懸念、米中の減速などが重石)
17:30 英4-6月期GDP[速報]
(欧州債務危機や世界減速などで下振れ懸念。前月の建設関連の特殊な下振れの反動が波乱)
23:00 米6月新築住宅販売件数
(住宅ローン金利の低下などが下支え。ただし、中古販売は前月までの急回復の反動悪化)
米企業決算 フォード・モーター、キャタピラー、ボーイング
(現状までの決算発表は懸念ほど悪化せず。製造業は今後の景気見通しや雇用を左右)

<26日・木>
06:00 ニュージーランド中銀、政策金利発表
(サプライズ利下げや景気見通しに慎重さが見られるとNZドルの下落材料に)
09:10 白川日銀総裁、FIAジャパンカンファレンスで講演
(追加緩和を示唆なら円安。従来の発言を踏襲なら失望の円高)
17:00 伊5月小売売上高
(欧州債務金融危機や失業の増加が重石。ユーロを圧迫)
21:30 米新規失業保険申請件数
(欧州債務危機や来年からの財政緊縮への警戒で悪化傾向。新学期セールス向け雇用が改善波乱)
21:30 米6月耐久財受注
(ISM製造業景気指数の「新規受注」は2009年4月以来の低水準に落ち込む)
23:00 米6月中古住宅販売成約指数
(米国の住宅指標は「まだら模様」ながら緩やかな回復傾向。前月改善の反動は波乱)

<27日・金>
08:30 日6月全国消費者物価指数
(資源下落が物価を抑制。日銀への緩和圧力が円高を制御)
10:30 中国1-6月工業利益
(根強い減速懸念がリスク回避の円高材料に。一定の悪化は織り込みも)
15:45 仏7月消費者信頼感指数
17:00 伊7月景況感指数
(欧州債務危機や失業の増加などが重石。ユーロを圧迫)
21:00 独7月消費者物価指数[速報]
(資源下落や景気の減速でインフレは落ち着き。ECBの追加緩和観測がユーロを圧迫)
21:30 米4-6月期GDP[速報]
(小売売上の悪化などで下振れに警戒感。住宅回復や在庫投資などが過度な下押しを抑制も)
22:55 米7月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(欧州債務不安や来年からの財政緊縮への懸念が悪材料。株価反発や資源下落による下押し抑制の度合いが焦点)


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