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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週8月20日-24日週の為替相場は、ドル/円、クロス円での調整円高を警戒しつつも、円安地合いの持続性をにらんだ展開となる。

前週は円が全面安。

米国の指標改善と9月FOMCでの追加緩和観測の後退がドル高、メルケル独首相によるECBの国債買い入れなどの間接支持やスペイン国債の支援進展思惑、ギリシャ救済の条件緩和観測などがユーロ高の材料となった。

かたや円は日本の4-6月期GDPの減速や、日本と韓中との関係悪化などが、安全逃避の円買いの売り戻しを支援。

さらに輸出企業が盆休みとなり、積極的なドルやユーロの「売り下がり」が小休止となったことも、外貨高と円安を後押しさせている。

今週の焦点は米国の指標とハイテク決算だ。

前週はいずれも改善を示し、米国の株高とドル高を促した。

住宅指標については前月までの回復の反動鈍化が警戒されているものの、先行きの回復トレンド持続が示唆されていると、リスク選好の円安地合いをサポートしやすい。

また、米国の指標については9月上旬の雇用統計にかけて、上振れの期待感が高まってきた。

背景としては

1.欧州債務危機や財政の崖に対する過剰悲観の揺り戻し

2.記録的な猛暑の経済効果

3.住宅回復による経済全般へのプラス効果

4.株高による消費や景況マインドへの好影響

などが着目されつつあり、米国債金利の上昇(債券価格は下落)がドルの支援材料となる。

もっとも欧州では24日にギリシャとドイツの首脳会談が予定されるなど、政策動向に一喜一憂の不安定さに変わりはない。

ドイツの態度軟化によるユーロ高と、失望によるユーロ安を手探りで見極めていく展開となりそうだ。

さらに今週以降は国内外の市場参加者が、夏休み明けから本格復帰していく。

8月末にはバーナンキFRB議長の重要講演が控えており、短期調整的なドル安やユーロ安、あるいはトレンドとしてのドル安、ユーロ安の再開リスクは完全に排除できない。

何より「米国債金利の上昇とドル高」という組み合わせは、病み上がりにある米国の経済と株価に打撃を及ぼすものだ。

いずれ住宅などの指標悪化や株安に伝播するリスクがあり、当座はその臨界点や限界を手探りで吟味していく形でのドル高・円安となる。

一方、前週はドルやユーロの反発と裏表で、豪ドルやNZドルなどの資源国通貨が伸び悩んできた。

対円でいえば、6月からの資源国通貨の先行上昇に対して、ユーロ、スイス、ポンドなどの欧州通貨や米ドル、カナダ・ドルが「出遅れ修正」の形で持ち直しに転じてきている。

今後は先行通貨である豪ドルやNZドルが調整下落でも下値が限られ、緩やかな上昇の第2ステージへと移行できれば、他通貨も追随的な上昇(円全面安)のトレンドが明確化へ。

反対に豪ドルやNZドルの上値が次第に重くなり、反落トレンドが明確化されてくると、他通貨も遅行下落(円全面高)していくという重要分岐点に直面してきた。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<20日・月>
18:00 ユーロ圏6月建設支出
(6月の欧州指標は総じて低調)
21:30 米7月シカゴ連銀全米活動指数
(シカゴ周辺が拠点の自動車産業では、7月に販売や生産が回復傾向を維持)

<21日・火>
10:30 オーストラリア中銀、議事録[8月7日分]
(豪中経済に楽観見通しなら豪ドル高。ただ、調整的な豪ドル安材料に反応しすい地合い)
17:30 英7月公共部門純借入所要額
19:00 英8月CBI企業動向調査
(五輪特需や欧州不安の小康などで英国指標は下げ止まり傾向)
21:45 ロックハート・アトランタ連銀総裁、講演
(米国の指標改善を受けてFRBの緩和観測は後退。FOMC内での意見対立も広がる)
米企業決算 デル
(前週はシスコ・システムズの好決算がハイテク株の上昇とリスク選好を後押し)

<22日・水>
08:50 日7月貿易収支[通関統計]
(貿易赤字の定着が円高を制御。資源下落が輸入拡大と赤字減を抑制も)
20:00 米MBA住宅ローン申請指数
(米国債金利の上昇を受けたローン金利の上昇と住宅回復への悪影響に注目が集まる)
21:30 加6月小売売上高
(6月までは雇用が改善で、住宅指標も懸念ほどには悪化せず)
23:00 米7月中古住宅販売件数
(先行指標である販売成約指数は6月に低下。ただし、長期スパンでは回復傾向)
27:00 FOMC議事録[7月31日、8月1日会合分]
(会合までは指標が悪化。会合後に指標が改善しており、緩和示唆でも影響は一時的か)
米企業決算 ヒューレット・パッカード[HP]
(前週はシスコ・システムズの好決算がハイテク株の上昇とリスク選好を後押し)

<23日・木>
11:30 中国8月HSBC製造業PMI[速報]
(中国の減速警戒は根強い。米指標の改善や欧州債務危機一服の影響焦点)
12:30 エバンス・シカゴ連銀総裁、北京で記者会見
(追加緩和支持のハト派。FRB内での意見対立の広がりを再確認も)
15:00 独4-6月期GDP[確報]
(少しでも上方修正されると、ユーロの買い戻しを後押し)
16:00 仏8月製造業/非製造業PMI[暫定値]
16:30 独8月製造業/非製造業PMI[暫定値]
17:00 ユーロ圏8月製造業/非製造業/総合PMI[暫定値]
(8月分では独ZEW景況指数が失望。一方で債務危機の一服や株高は下支え要因に)
21:30 米新規失業保険申請件数
(一進一退ながらも米雇用は緩やかな改善。猛暑や新学期セールなども雇用支援)
23:00 米7月新築住宅販売件数
(米国の住宅は回復傾向。ただし、春の住宅購入シーズンの反動的な悪化は波乱)

<24日・金>
07:45 NZ・7月貿易収支
(資源下落や欧中減速などが輸入減を通じた赤字拡大要因に。NZドルには悪材料)
08:30 豪中銀スティーブンス総裁、下院経済委員会で証言
(豪中経済に楽観見通しなら豪ドル高。ただ、調整的な豪ドル安材料に反応しすい地合い)
14:30 白川日銀総裁、地元経済4団体共催懇談会で講演[大阪市]
16:45 白川日銀総裁、大阪市で記者会見
(内外経済や円高・株安への警戒緩むと、緩和期待の後退で円高)
17:30 英4-6月期GDP[確報]
18:45 ギリシャのサマラス首相、メルケル独首相と会談[ベルリン]
(ギリシャ救済の条件緩和論が浮上。ただし、独政権内には異論もあり、失望リスクも消えず)
21:30 米7月耐久財受注
(7月のISM製造業景況指数では「新規受注」が小幅改善。自動車や航空機などが底堅さ)



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