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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週9月24日-28日週の為替相場は、根強いドル安やドル/円、クロス円での円買い戻しの圧力と、基本的なリスク選好相場の持続による円高歯止めをにらんだ展開となる。

前週の為替相場は大きく上下動した。

週前半までは日銀の追加緩和期待や中国での反日デモの激化などにより、円全面安が進展している。

日銀は19日にサプライズの大幅緩和を決め、いったんは円全面安が加速されたが、その後は「材料出尽くし」や欧米中銀に比べての「緩和不足」という反応を呼び、円が反発へと転換。

根強いスペインの債務懸念や中国の政治経済リスク、世界株高や資源高といったリスク選好相場の過熱調整もあり、円高へと逆戻りする場面が見られている。

前週の日銀緩和により、9月からの欧米日の中銀による連続緩和は一段落となった。

今週は改めて日米欧などの経済指標をにらみ、世界経済の減速の度合いを見極める展開となる。

経済指標に一喜一憂の不安定な相場が続きそうだ。

このうち米国の指標については、25日の消費者信頼感指数や26日の新築住宅販売、27日の中古住宅販売成約指数などで改善が予想されている。

一方で27日の耐久財受注や28日の個人支出は悪化が警戒されるなど、「まだら模様」の脆弱さをはらむ。

米国では株価に高値警戒感がくすぶっており、ちょっとした悪材料でドル安やリスク回避の円高が進む可能性が消えていない。

さらに日本では9月期末が迫る中で、輸出企業や機関投資家による海外収益や海外資産の本国回帰(リパトリーション)による円転圧力が残されている。

便乗的な円高仕掛けとあいまって、9月末にかけての円高材料として警戒されるものだ。

ここに来て10月に日本で行われるIMF総会に合わせて、10月11日に東京でG7財務相・中銀総裁会議が開催される公算となってきた。

日本は「議長国」の立場にあり、G7までは単独での円高阻止介入は困難という見方も浮上している。

一方で期末円高がピークアウトしていくと、需給円高の圧力は和らいでいく。

世界の株価動向も欧米日の中銀による緩和強化に支えられた「流動性相場」は残存しており、過熱調整の範囲を超えた下押しを抑制しそうだ。

さらに欧州ではニ進一退ながらも、スペインやギリシャの救済策が進展してきた。

過度なリスク回避自体は抑制されることで、現状からの円全面高の度合いも限られそうだ。

ドル/円、クロス円ともに外貨の高値圏では戻り売り(円の押し目買い)が警戒されつつも、外貨の安値圏では押し目買い(円の戻り売り)が入るという、緩やかな外貨の下値切り上がり(円の上値の切り下がり)という相場展開が注目されるだろう。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<24日・月>
17:00 独9月Ifo景気動向指数
(ECBなどの政策強化や株高などで過度な悲観論が一服も)
21:30 米8月シカゴ連銀全米活動指数
23:30 米9月ダラス連銀製造業活動指数
(両地域の主力産業である自動車、石油関連は打たれ強さ)

<25日・火>
07:00 ジョルダン・スイス中銀総裁、講演
(根強い通貨高阻止姿勢がスイス・フランを抑制。ただ、最近は介入長期化の弊害も問題に)
17:00 メルケル独首相、講演[ベルリン]
(危機対応で前向き発言があれば、ユーロの反発地合いを後押し)
22:00 米7月S&Pケースシラー住宅価格指数
(米国の住宅市場は改善傾向。ただし、前月までの回復の反動鈍化が波乱)
22:00 ドラギECB総裁、講演[ベルリン]
(危機対応で前向き発言があれば、ユーロの反発地合いを後押し)
23:00 米9月消費者信頼感指数
(株高や共和党・民主党大会、FRB追加緩和などが消費マインドの悪化に歯止めも)
 メルケル独首相とドラギECB総裁が会談[ベルリン]
(危機対応の進展と失望・材料出尽くしの両にらみ)

<26日・水>
07:45 NZ8月貿易収支
(通貨高や7月までの資源下落が輸出を圧迫。NZドルの一時的な調整下落材料で警戒)
13:00 自民党、総裁選挙投開票
(消費税増税「3党合意見直し」の可能性や、円高・デフレ脱却策への影響で注目集まる)
23:00 米8月新築住宅販売件数
(米国の住宅は改善傾向。ただし、8月指標は伸び悩みの住宅指標も)
23:30 EIA週間石油在庫統計
(前週は在庫増加で改めて景気減速に警戒感。リスク回避と資源国通貨の行方を左右)

<27日・木>
10:30 中国1-8月工業利益[年初来]
(中国の経済指標は減速が相次ぐ。ただし、一定の悪化は織り込まれる)
17:30 英4-6月期GDP[確報]
(4-6月GDPは世界的に悪化の傾向)
18:00 ユーロ圏9月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、業況判断指数
(前週は製造業PMIが悪化。ECBなどによる政策対応の下支え効果が焦点)
21:30 米4-6月期GDP[確報]
(消費や在庫、輸出関連などでの下方修正を警戒)
21:30 米8月耐久財受注
(ISM製造業景況指数の新規受注は小幅な悪化。航空機受注の大幅減少が下振れ波乱)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週までは悪化傾向が続く。反動改善の行方をにらむ)
23:00 米8月中古住宅販売成約指数
(米国の住宅指標は回復傾向。ただし、8月は反動鈍化や伸び悩みの指標も目立つ)

<28日・金>
08:30 日8月全国消費者物価指数
(根強い物価低迷が日銀に緩和余地を残す。政府伊・日銀のデフレ脱却目標「実現努力」も焦点))
08:50 日8月鉱工業生産[速報]
(中国などの世界減速や円高長期化、エコカー補助金の剥落などで下振れ懸念)
17:30 英7月サービス業指数
(五輪特需や欧州不安の一服などが英国の経済指標を下支え)
21:30 米8月個人所得/個人支出
(自動車販売は底堅さも小売売高は期待ほど伸びず)
22:45 米9月シカゴ購買部協会景気指数
(同じ9月分のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は改善)
22:55 米9月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(株高や共和党・民主党大会、FRB追加緩和などが消費マインドの悪化に歯止めも)



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コメント 2

tf0422

これからも、拝見させてください。
by tf0422 (2012-09-23 15:16) 

macinu

ドル/円が78円を割り込み動きにくいですね~!
by macinu (2012-09-25 09:57) 

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