SSブログ

今週の為替相場展望 [為替情報]

今週10月15日-19日週の為替相場は、リスク回避の円高と過度な悲観後退による円安が交錯する形でのレンジ相場継続と、新たな方向性を模索する展開となる。

前週は前半に円高が優勢になったあと、週後半には円が売り戻された(外貨が反発)。

引き続き世界減速懸念や欧州債務問題の不透明感、日米企業の業績悪化懸念、米大統領選の混迷などがリスク回避の円高材料となる一方、欧州や中国での政策期待、30日の日銀政策会合に向けた追加緩和期待と日本の当局の円高阻止姿勢、日本企業による外国企業のM&A(合併・買収)の動きが円の戻り売りと外貨の押し目買い要因として注目されるだう。

注目はまず米国の経済指標だ。

米国の指標は強弱混在の「まだら模様」が続いており、今週も一喜一憂の不安定さに変わりはない。

ただし基調としては緩やかな回復傾向にあり、ドルの下値固めがサポートされそうだ。

とくに最新10月分の地区連銀の景況感指数で持ち直しが示されると、年末商戦に向けてリスク選好への期待感が高まっていく。

かたや欧州では18-19日にEU首脳会議が予定されている。

前週はスペインの再格下げという悪材料が、すぐに「スペインによる財政支援要請の契機になる」という好材料に変わっており、首脳会議までは政策期待がユーロの下支えやリスク回避の円高抑制要因として注目される。

もっとも、スペインでは21日に地方自治州の選挙が控えている。

ただでさえ地方による中央政府への反発が強まる中にあって、これ以上、地方を刺激しないため、あえて財政支援要請が先送りされているという見方も根強い。

選挙の結果を含めて不透明感が残されており、おりにふれてユーロが売り戻される脆弱性をはらむ。

一方、中国では15日に物価指標、18日に主要経済指標が公表される。

根強い減速懸念がリスク回避の円高や豪ドル、NZドルなどの資源国通貨の下落材料となる反面、前週からは11月8日の共産党大会に向けて内需刺激策や株価対策、追加緩和が打ち出されるという期待感が高まってきた。

指標を契機として、改めて政策進展の観測が高まればリスク選好による円の戻り売りを支援。資源国通貨の持ち直しもサポートされる。

こうした米欧中の要因で一喜一憂はあっても、基本的には10月後半にかけて続く日米企業の決算発表や11月の米大統領選の結果を見極めようという様子見ムードが根強い。

ドル/円、クロス円ともにレンジの上限と下限を交互に試しながら、新たな方向性を模索する展開が続きそうだ。

その中で円相場については、30日の日銀緩和思惑のほか、ソフトバンクによる米国企業の大型買収が将来的なドル買い・円売り手当て発生への警戒感を生んでいる。

加えて日中の関係悪化が日本の輸出を一段と減少させることになり、現状からリスク回避で円高に振れる場面があっても、値幅や期間は限定される可能性が高まってきた(円の天井到達を醸成=円高余地減退)。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<15日・月>
09:30 豪8月住宅ローン約定件数、投資貸付
(8月の住宅許可件数は前月悪化の反動改善)
10:30 中国9月消費者物価指数、9月生産者物価指数
(資源高の一服や景気減速が物価抑制。緩和期待がリスク回避を緩和)
21:30 米10月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(FRBの追加緩和や資源下落、住宅回復、長期金利の低下などが下支え要因)
21:30 米9月小売売上高
(既存店売上高は小幅改善。新学期商戦の好調さや資源反落などがプラス材料)
22:00 加9月中古住宅販売件数
(9月の雇用者数は増加。米国の住宅回復の好影響も)
米企業決算 シティグループ[21:00]
(住宅ローン市場の改善などが支援材料。前週の米銀決算は底堅さ)

<16日・火>
06:45 NZ7-9月期消費者物価
(資源下落や景気減速などで落ち着き。NZドルの短期下落材料にも)
09:30 豪中銀、議事録公表
(中国減速などで景気見通しに慎重姿勢。追加利下げが示唆されると豪ドル安に)
17:30 英9月消費者物価指数、英9月小売物価指数
(過去の資源高やポンド安の累積効果などで下落は限定も。ポンドを下支え)
18:00 独10月ZEW景況感指数
(債務危機への政策期待や株高、米国復調などで悪化に歯止めも)
21:30 米9月消費者物価指数
(過去の資源高やドル安の遅行影響で下げ渋りも。ドルを下支え)
22:15 米9月鉱工業生産
(ISM製造業景況指数の生産指数は小幅改善。前月のハリケーン被害の反動回復も)
23:00 米10月NAHB住宅市場指数
(住宅市場は回復傾向。ただし、前月までの回復の反動調整的な頭打ちは警戒)
米企業決算 コカ・コーラカンパニー、ゴールドマン・サックス[20:30]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[20:45]、インテル、IBM
(金融や内需は底堅さ。ハイテクは収益悪化警戒と悪材料の出尽くしの両にらみ)

<17日・水>
17:30 英中銀、議事録[10月分]公表
(当面の様子見が再確認されるとポンドを下支え。緩和支持票があるとポンド安波乱)
17:30 英9月雇用統計
(緩やかな回復傾向。五輪特需の反動剥落が下振れ波乱)
21:30 米9月住宅着工件数
(先行指標の許可件数は前月に減少。ただし、基調としては回復傾向)
米企業決算 バンク・オブ・アメリカ[20:00]、ペプシコ[20:00]、ハリバートン、eベイ
(金融や内需は底堅さ。資源関連は収益や需要の見通し悪化に警戒感)

<18日・木>
11:00 中国7-9月期GDP、9月小売売上高、9月鉱工業生産
(根強い減速に警戒感。ただし、11月の共産党大会に向けた政策期待がリスク回避を抑制)
16:00 レーン欧州委員、講演[ブリュッセル]
17:00 リッカネン・フィンランド中銀総裁、講演[フランクフルト]
(18-19日のEU首脳会議に向けて政策期待と失望リスクに一喜一憂)
17:30 英9月小売売上高
(英国の指標は回復傾向。五輪特需の剥落度合いが下振れを左右)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前月の大幅改善が季節調整による特殊要因か、雇用回復が本物かを見極め)
23:00 米10月フィラデルフィア連銀景況指数
(FRBの追加緩和や資源下落、住宅回復、長期金利の低下などが下支え要因)
EU首脳会議[ブリュッセル、19日まで]
(スペインの財政支援要請など政策進展期待と失望の両にらみ)
米企業決算 モルガン・スタンレー、ベライゾン、マイクロソフト、グーグル
(強弱混在も米証券やグーグルには収益改善の期待感)

<19日・金>
15:45 白川日銀総裁、全国信用組合大会で挨拶
(30日の政策会合に向けた緩和期待が円高を制御)
17:00 ユーロ圏8月経常収支
(ユーロ安効果などによる経常黒字の拡大がユーロを下支え)
21:30 加9月消費者物価指数
(カナダ中銀は先行きの利上げ姿勢を堅持。下げ渋りならカナダ・ドルをサポート)
23:00 米9月中古住宅販売件数
(先行指標の販売成約指数は前月に減少。回復ペースの鈍化と復活傾向の持続の両にらみ)

<21日・日>
スペイン、ガリシア州とバスク州で地方選挙
(選挙への影響を考慮し、中央政府が財政支援要請を遅延との見方も。選挙後に進展期待)



nice!(30)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 30

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

日本株週間展望公開価格は全て上限 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。