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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週10月22日-26日週の為替相場は、前週の円全面安の調整的な円高と、根強い円の戻り売り(外貨の押し目買い)をにらんだ展開となる。

前週は円安加速ののち、週末にはクロス円を中心に円が買い戻された。

基本的に円相場は日銀による30日会合での追加緩和観測、ソフトバンクによる米企業の大型買収を受けたドル買い・円売り手当て発生の思惑、日中悪化を受けた輸出の一段の減少や地政学リスクなどにより、円安の流れが進展している。

さらには米国の指標改善と米国債金利の上昇(債券価格は下落)がドル高、欧州での政策進展期待とドイツ国債金利の上昇がユーロ高、中国の景気底入れ観測と政策思惑が豪ドルなどの資源国通貨高をサポートしている。

もっとも前週末19日には米国株が大幅に下落した。

決算発表で悪化が相次いでいることや、18-19日EU首脳会議で大きな政策進展がなかったことによる材料の出尽くしと失望、米大統領選レースの不透明感などにより、米国株には高値警戒感がくすぶっている。

今週も米国株の調整下落が続けば、ドル/円、クロス円で調整的な円の買い戻し(外貨安)が警戒されやすい。

今後も相次ぐ米国企業の決算発表では、悪化の慎重予想が目立っている。

さらに欧州では21日のスペイン自治州の議会選挙の動向次第ながら、スペインによる財政支援の要請に不透明感が残されたままだ。

ユーロの高値警戒売りが厳然と警戒される。

もっとも米欧中ともに、今週は経済指標の改善が期待されている。

中国では11月8日からの共産党大会に向けて政策期待が残るほか、正式な幹部交代を契機に日中悪化が一旦の鎮静に向かう可能性も消えていない。

米国でも年末商戦に向けて、内需の回復トレンドが固まっていく余地がある。

かたや円に関しては、30日の日銀緩和観測がポジション調整やスピード調整の範囲を超えた円全面高を抑制しそうだ。

22日の貿易収支では赤字の拡大が予想されている。

ドル/円ではソフトバンクによるドル買い・円売り手当て発生への警戒感が、介入に近い効果によって投機的なドル売りを制御。

さらに米国経済の回復期待もあり、追随的な日本企業による外国企業の買収が増加してくると長期スパンでのドルの底入れ(円の頭打ち)を固めることになる。

その他、金利面では米国とドイツの10年物国債金利が、200日移動平均線の「上抜け」と、200日線の方向性の「上向き転換」を巡る重要分岐点を迎えてきた。

昨年5-6月からの米独債金利の低下とドル安、ユーロ安、円高のトレンドが一段落していくか。

あるいは200日線の「上抜け」や「上向き」に失敗し、円高トレンドへと逆戻りしていくか。

日々の材料で上下動を繰り返しながら、長期トレンドの潮流変化を見極める正念場となりそうだ。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<22日・月>
08:50 日9月貿易収支[通関統計]
(日中関係の悪化で対中輸出の減少懸念。貿易赤字の拡大が円高抑制)
09:00 日銀全国支店長会議
09:30 白川日銀総裁、挨拶要旨公表
15:15 日銀大阪支店長会見
17:20 日銀名古屋、札幌、福岡3支店長会見
(30日の政策会合で追加緩和の観測。景気減速の判断の深刻度合いを見極め)
[米大統領選挙]米大統領候補による第3回討論会[フロリダ州ボカラトン]
(第2回討論会では直後の「オバマ氏優勢」の世論調査で一時的にドル安の反応)
米企業決算 キャタピラー、テキサス・インスツルメンツ、ヤフー
(前週の決算発表は総じて悪化。とくに中国の影響が高いキャタピラーが焦点)

<23日・火>
22:00 カナダ中銀、政策金利発表
(声明で利上げスタンスが維持されると、カナダ・ドルを下支え)
23:00 米10月リッチモンド連銀製造業指数
(10月の製造業指標は強弱混在も、内訳の中身は依然低迷)
米企業決算 UPS、フェイスブック、アフラック、3M
(前週の決算発表は総じて悪化。UPSは世界経済の先行き需要の参考に)

<24日・水>
09:30 豪7-9月期消費者物価指数
(景気減速や資源下落が物価抑制。先行きの利下げ観測が豪ドルの短期下落材料にも)
10:45 中国10月HSBC製造業PMI[速報]
(9月の小売売上高は持ち直し。国慶節の大型連休もサポート要因)
16:00 仏10月製造業/非製造業PMI[暫定値]
16:30 独10月製造業/非製造業PMI[暫定値]
17:00 ユーロ圏10月製造業/非製造業/総合PMI[暫定値]
17:00 独10月Ifo景気動向指数
(ECBなどによる政策対応や資源下落で悪化に歯止めも。ドイツは株高がサポート要因)
23:00 米9月新築住宅販売件数
23:00 米8月住宅価格指数
(住宅指標は回復傾向。ただし、前月までの改善の反動鈍化は警戒)
27:15 米連邦公開市場委員会[FOMC]政策決定
(景気判断の上方修正が焦点。当面の様子見示唆ならドル支援の反面、株安とクロス円の調整円高も警戒)

<25日・木>
05:00 ニュージーランド中銀、政策金利発表
(前週は物価指標が大幅低下。利下げの可能性がNZドルを圧迫。材料出尽くしも焦点)
16:00 スウェーデン中銀、政策金利発表
(欧州不安の一服などで当面の様子見を示唆なら、北欧通貨をサポート)
17:30 英7-9月期GDP[速報]
(前期の特別連休の反動や五輪特需が過度な下振れを抑制)
21:30 米新規失業保険申請件数
(季節調整を受けた改善の反動悪化の一段落が焦点)
21:30 米9月耐久財受注
(9月ISM製造業景況指数の新規受注は5月以来の高水準。航空機の受注も増加)
23:00 米9月中古住宅販売成約指数
(前月悪化の反動回復が焦点。週間の住宅ローン申請件数も高水準)
米企業決算 P&G、スプリント・ネクステル、アップル、アマゾン・ドット・コム
(ハイテクやIT関連の決算は失望が相次ぐ。ただし、一定の抵抗力と織り込みも)

<26日・金>
06:45 NZ9月貿易収支
(中国減速や資源下落で輸出減少。NZドルの上値を抑制)
08:30 日9月全国消費者物価指数
(物価低迷が日銀緩和観測を後押し。30日政策会合までの円の戻り売りを支援)
21:30 米7-9月期GDP[速報]
(小売売上高や在庫投資の増加が支援材料。ただし、生産・輸出の減速や干ばつが足かせ)
22:55 米10月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(資源下落や住宅回復などがプラス要因。米大統領選の混迷や財政の崖への懸念は重石)
23:00 メキシコ中銀、政策金利発表
(前週は失業率が改善。当面の様子見が同国通貨を下支え)



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コメント 1

macinu

ダウ平均激下げしましたね~!!明日の為替も下窓ですかね~!!1週間」お疲れ様でございます。
by macinu (2012-10-21 12:46) 

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