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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週11月5日-11月9日週の為替相場は、リスク回避によるユーロ安などから順番とした外貨の調整下落(円高)と、根強い円の戻り売り(外貨の押し目買い)トレンドの持続性をにらんだ展開となる。

前週末2日はクロス円で円が反発。

米雇用統計の改善を受けて、ドル/円主導で円全面安が進む場面があったが、米国株の大幅下落を受けてユーロ、ポンドなどの欧州通貨や、豪ドル、NZドルなどの資源国通貨が反落に転じた。

米国株は米雇用統計の上振れを受けた米大統領選でのオバマ候補優勢観測(ロムニー候補勝利のほうが株式市場にはプラスとの見方)、ハリケーン被害による当座の米国経済への打撃、アップルの幹部退任ショックや成長頭打ち懸念などを受けた同社株とナスダックの大幅下落などが悪材料となっている。

今週明け以降も米国株主導で世界の株価が下落に転じるとユーロを始めとした外貨の調整下落が警戒されやすい(円全面高)。

週前半は6日の米大統領選や議会選の結果見極めにより、ポジション調整の円買い戻しも想定される。

とくに豪ドルは6日の豪中銀会合での利下げ観測、ユーロは8日のECB理事会に向けた追加の政策催促などにより、戻り売りのリスクが警戒されそうだ。

さらにドルに関しては、米大統領選でオバマ氏が再選されると一時的にドル安の反応を招くリスクも排除できない。

もっとも豪ドルは中国の減速一服などにより、6日の利下げ後には「材料出尽くし」によって買い戻しの可能性をはらむ。

ユーロは調整下落の持続が警戒される反面、ドルは米国指標の改善や米国企業の年末決算に向けた海外収益の本国送金(リパトリエーションのドル転)などにより、底堅さの持続が見込まれる。

さらに今週は8日からの中国共産党大会が注目材料となってきた。

政権幹部の正式交代を契機に内需刺激策や株価対策への具体化期待が高まると、豪ドル、NZドルなどの資源国通貨にはプラスとなるほか、リスク選好の円戻り売り(外貨の押し目買い)を支援しそうだ。

また、今週からユーロ安の再燃や米大統領選を契機としたドル安のリスクがあっても、円相場については12月にかけての日銀の追加緩和期待が過度な円高に歯止めを掛ける。

8日には日本の経常収支で改めて黒字の減少が示される可能性が高く、短期的には調整円高が警戒されるものの、中長期的には2007年以降の長期円高の「天井到達(円高余地の狭まり)」と「円の先安余地の広がり」がジワリと意識されそうだ。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<5日・月>
09:30 豪9月貿易収支、9月小売売上高
(中国減速などが悪材料。ただし、中国の10月指標では回復の兆し)
10:45 中国10月HSBC非製造業PMI
(製造業PMIは速報から上方修正。資源下落などが支援材料)
18:30 英10月非製造業PMI
(英国の10月小売売上高指数は強めの数字だった)
22:30 加9月住宅建設許可
(隣国・米国での住宅回復がサポート要因)
24:00 米10月ISM非製造業総合指数
(製造業指数は予想を上回る。住宅や消費、雇用の改善や資源下落が支援材料)

<6日・火>
06:45 NZ7-9月期民間賃金、7-9月期平均時給
(7-9月の物価指標は落ち着き。利下げ観測がNZドルを圧迫も)
12:30 豪中銀、政策金利発表
(予想は利下げ。中国減速や欧州不安の一服による次回以降の様子見示唆なら豪ドル高)
17:55 独10月非製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏10月非製造業PMI[確報]
(製造業のPMIは低迷。調整ユーロ安にナーバスな地合い)
18:30 英9月鉱工業生産
(前月低迷の反動回復が焦点)
24:00 加10月Ivey購買部協会指数
(10月の雇用者変化は伸び悩み)
米大統領選挙、米上下両院議会選挙
(オバマ候補勝利ならドル安、ロムニー候補勝利ならドル高の一時的な反応も)

<7日・水>
19:00 ユーロ圏9月小売売上高
(失業率や製造業のPMIなどは悪化が持続)
20:00 独9月鉱工業生産
(IFO景況指数や製造業PMIは減速)
21:10 ドラギECB総裁、講演[フランクフルト]
(国債買い入れの具体化や次なる政策対応などが焦点に)
メルケル独首相、欧州議会で演説[ブリュッセル]
欧州委員会、経済予測公表
(改めて景気減速が確認されるとユーロを圧迫)

<8日・木>
08:50 日9月国際収支統計
(世界減速や中国問題で輸出が減少。経常黒字の縮小が円安材料に)
09:30 豪10月雇用統計
(前月の改善の反動悪化が焦点。中国の減速一服が下支え)
16:00 独9月貿易収支/経常収支
(世界減速やユーロ安の一服で輸出の増加や黒字拡大に歯止めも)
21:00 英中銀、政策金利発表
(予想は現状維持。当面の様子見がポンドを下支え)
21:45 欧州中銀、政策金利発表
22:30 ドラギECB総裁、記者会見
(予想は現状維持。国債買入始動への示唆がなければ失望や催促のユーロ安リスク)
22:30 米9月貿易収支
(世界減速で輸出減少。輸入は内需回復で下げ止まり、赤字拡大の可能性)
22:30 米新規失業保険申請件数
(前週は改善。年末商戦向け臨時雇用の始動と、企業のリストラ再開の強弱両材料)
中国 中国共産党大会が開幕
(政権幹部交代を契機とした内需拡大策や株価対策、金融緩和の具体化焦点)

<9日・金>
08:50 日10月マネーストック
(日銀の連続緩和などで当座預金残高は過去最高水準。伸び拡大が円安支援)
10:30 中国10月消費者物価指数
(資源下落で物価抑制。追加金融緩和への期待がリスク選好の材料に)
14:30 中国10月小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資
(10月の製造業PMIは回復。大型連休による特需や米国復調などが支援材料)
22:30 米10月輸入物価指数
(資源下落やドルの下げ渋りで物価抑制。米債金利の低位安定がドルの上値を抑制)
23:55 米11月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(住宅や雇用の回復が支援材料。株価下落や大統領選の混戦などは消費マインドに悪影響も)

<10日・土>
中国10月貿易収支
(米国の復調を受けた輸出回復や、内需の減速一服を受けた輸入の下げ止まり焦点)



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コメント 1

macinu

木、金と上がりましたね~!!今回はぎりぎりまで耐えて高掴みしないで済みました~!!これも細道様のおかげです~!
by macinu (2012-11-04 15:33) 

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