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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週12月3日-7日週の為替相場は、基本的な円安トレンドの持続と調整的なユーロ安の深度と期間、調整ドル安の行方などをにらんだ神経質な展開となる。

前週末7日NY市場では円全面安のあと、円が買い戻される展開。

米国の雇用統計や失業率が改善したことで、ドル高やリスク選好の円全面安に振れる場面があった。

しかし、最新12月指標の先頭バッターとなる米国のミシガン大学消費者信頼感指数が悪化したほか、1年先の期待指数も1年ぶりの低水準となったことでドルが反落する。

財政の崖の打開協議についても、共和党のベイナー下院議長が「進展なし」と発言したことで、リスク回避の円買いがやや優勢になった。

今週は11-12日に米国でFOMCが開催される。

ツイスト・オペの期限到来に伴い、何らかの緩和措置が講じられる可能性があり、FOMCまでは調整的なドル安が警戒されやすい。

さらに米国の指標もハリケーン被害や財政の崖への懸念により、13日の小売売上高や14日の鉱工業生産などが伸び悩むリスクがある。

一方で前週はユーロが反落した。

6日のECB理事会では先行きの利下げやマイナス金利が協議されており、追加緩和の思惑が調整ユーロ安の後押し要因として警戒される。

今週は11日の独ZEW景況指数、13日のEU首脳会議、14日の欧州PMIなどをにらみ、ユーロ安の持続性と下げ止まりを見極める展開となりそうだ。

もっとも円については、14日に日銀短観、16日に衆院総選挙が控えている。

いずれも結果次第では、19-20日の日銀政策決定会合に向けての追加緩和の思惑を高めるものだ。

さらに円安材料に関しては今月の衆院選や日銀会合が「材料出尽くし」とはならず、来年3-4月に日銀正副総裁人事や、来年7月の参院選での「衆参ネジレ解消」に向けた新政権の有言実行による円高・デフレの克服努力と緊張感、経常黒字の先行き急減などが円の戻り売り(外貨の押し目買い)要因として残されている。

日銀総裁人事に関しては、このまま衆院選で自民党が勝利すると公約に掲げた「官民と日銀の協調による外債ファンド」を推進するため、同構想に前向きな岩田一政前日銀総裁が有力候補に浮上する可能性がある。

改めて先行きの円安期待を高めるものだ。

その他、米国のクリスマス休暇までには、財政の崖を巡る打開協議が暫定的に進展する可能性も消えていない。

その意味で今週は調整的なユーロ安やドル安、円高の行方を注視しつつも、改めて2007年からの長期円高トレンドの終幕と当座の外貨下げ止まり(円の頭打ち)の岩盤レベルを模索する流れとなりそうだ。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<10日・月>
08:50 日10月国際収支統計
(貿易赤字の拡大で経常黒字が減少傾向。長期スパンでの円安要因に)
16:45 仏10月鉱工業生産
18:00 伊10月鉱工業生産
19:00 伊7-9月期GDP[確報]
(ECBは前週、欧州景気の見通しを下方修正)
22:15 加11月住宅着工件数
(11月の雇用指標は改善。米国回復や中国底入れなどが支援材料に)
時間未定 中国11月貿易収支
(輸出は外需、輸入は内需の最新動向を反映。短期的な底入れ焦点)
北朝鮮、ロケットの発射を予告[10−22日]
(東アジアの地政学リスクが潜在的に円高を抑制)

<11日・火>
09:30 豪11月NAB企業景況感指数
(豪州の指標は改善傾向。中国の底入れなども支援材料に)
19:00 独12月ZEW景況感指数
(最近の独指標は「まだら模様」ながら、製造業PMIは改善)
22:30 米10月貿易収支
(内需の回復で輸入増加。外需は減速で輸出減。貿易赤字は再拡大も)

<12日・水>
08:50 日10月機械受注統計
(チャイナ・ショックの影響の度合いをにらむ)
18:30 英11月雇用統計
(英国中銀は成長見通しを下方修正。金融業界などでリストラ続く)
26:30 FOMC政策決定発表
28:15 バーナンキFRB議長、記者会見
(ツイスト・オペの期限到来で新たな緩和措置も。財政の崖への対応も焦点)

<13日・木>
06:45 NZ11月食品価格指数
(資源相場の下落は一服。6日にはNZ中銀のインフレ警戒がNZドルを支援)
10:00 韓国中銀、政策金利発表
(通貨高と潜在的なインフレの板挟み。据え置きならウォン高・円安・日本の株高支援)
22:30 加10月新築住宅価格指数
22:30 加7-9月期設備稼働率
(カナダの経済指標は改善傾向。ただし、7-9月期は世界的に悪化)
22:30 米新規失業保険申請件数
(年末商戦向けの臨時雇用などが雇用の改善持続を後押し)
22:30 米11月小売売上高
(既存店売上高は予想を下回る。ハリケーン被害などが悪影響)
 EU首脳会議[ブリュッセル、14日まで]、 ユーロ圏財務相会合
(危機対応の進展期待と失望・出尽くしの両にらみ)

<14日・金>
08:50 日12月企業短期経済観測調査[短観12月調査]
(チャイナ・ショックなどで悪化警戒。下振れの場合は日銀の緩和期待が円安支援も)
10:45 中国12月HSBC製造業PMI[速報]
(中国景気は短期循環的な底入れ機運。米国回復なども支援材料)
17:00 仏12月製造業/非製造業PMI[暫定値]
17:30 独12月製造業/非製造業PMI[暫定値]
18:00 ユーロ圏12月製造業/非製造業/総合PMI[暫定値]
(前週にECBは景気見通しを下方修正。米中の復調が過度な下振れを抑制)
22:30 米11月消費者物価指数
(資源下げ止まりや住宅・雇用の回復が物価の低下に歯止め。ドルを下支え)
23:15 米11月鉱工業生産
(ISM製造業景況指数の「生産」は小幅な上昇。ハリケーンや財政の崖がマイナス材料)

<16日・日>
第46回衆議院議員総選挙[投開票日]
(予測通りの自民圧勝なら、週明け早朝から短期的な円安の仕掛けも)



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コメント 1

macinu

円安すすんでおりますね~!!ドル円いくら位まで行くのでしょうか?
by macinu (2012-12-11 09:04) 

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