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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週12月17日-21日週の為替相場は、円全面安の過熱調整による円高と、中長期スパンでの円の戻り売り(外貨の押し目買い)トレンドの持続性を見極める展開となる.。

波乱材料は今日の衆院総選挙だ。

すでに自民党の大勝と政権復帰後の日銀への緩和圧力などが織り込まれる形で円安が加速されており、実際の圧勝なら一時的な円安のあと、材料出尽くしで円が買い戻し。

あるいは期待ほどの大勝とならない場合、失望での円高リスクをはらむ。

17日の週明け早朝からは薄商いの中で、上下に大きく振れる波乱リスクを秘めている。

続く注目は19-20日の日銀政策会合だ。

こちらも10兆円程度の資産買入増額が織り込まれる形で、円安が進展してきた。

ここに来て円安・株高の過熱感や1-3月にかけての景気回復期待などにより、「緩和見送り」の観測も浮上している。

今週からは緩和見送りや緩和催促による円高再燃のリスクが警戒されそうだ。

一方で19-20日までに一定の調整円高が見られると、日銀が政治的な批判を未然回避するために追加緩和を実施。

改めて円安が進む可能性も秘めている。

さらに今週は米議会での財政の崖を巡る打開協議が焦点となる。

共和党のベイナー下院議長は自らの再任問題もあって安易な妥協は難しくなっており、与野党のチキンゲームがクリスマス休会後の年明けまで長期化するリスクも浮上してきた。

引き続き協議の進展と難航のニュースで一喜一憂するという、不安定な相場地合いが続く。

同時に今週は米欧の経済指標にも注目が集まる。

ここに来て過度な世界減速懸念が一服しており、改めて当座の景気底入れを見極める展開となりそうだ。

その他、円相場の波乱は投機的な円ショート(売り持ち)ポジションが急膨張していることだ。

衆院選や日銀会合などのイベント終了と海外勢のクリスマス休暇入りなどとあいまって、短期的に円ショート整理の円高が加速されるリスクは厳然と残る。

一方でユーロは昨年から今夏まで、高水準のショートが積み上がりながら、短期的な買い戻し調整を挟みつつも、ショートの高止まりが長期化。

ユーロ安トレンドが持続された経緯がある。

円については19日の11月貿易収支で1兆円もの大幅赤字が予想されるなど、先行きの貿易赤字定着に伴う円安リスクが高まってきた。

その意味でドル/円、クロス円ともに、5日移動平均線や9日線、21日線、200日線などへの調整下落(円高)リスクを見極めつつ、こうした節目ラインを下限とした外貨の押し目買い(円の戻り売り)トレンドの基盤固めが注目されそうだ。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<17日・月>
日本の衆院総選挙の最終結果判明
(早朝から自民大勝の円安と、材料出尽くし・やや自民伸び悩みの円高の両リスク)
22:30 米12月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(財政の崖協議の難航が重石。欧中不安の一服や年末商戦の期待が下支えも)
23:00 加11月中古住宅販売件数
(11月の雇用指標は改善)
23:30 ドラギECB総裁、議会証言
25:00 コンスタンシオECB副総裁、講演[フランクフルト]
(最新の景気判断や債務金融危機問題の収束レベルなどが焦点)

<18日・火>
08:00 豪10月コンファレンスボード景気先行指数
(豪州と中国の指標は持ち直しの傾向)
17:30 スウェーデン中銀、政策金利発表
(利下げによる通貨安と、出尽くし・当面の打ち止めによる通貨高で上下動も)
18:30 英11月生産者物価指数、消費者物価指数、小売物価指数
(資源下落が物価抑制も、公共料金の引き上げなどが撹乱要因)
21:00 トルコ中銀、政策金利発表
(利下げによる通貨安と、出尽くし・当面の打ち止めによる通貨高で上下動も)
22:30 米7-9月期経常収支
(輸出増加などで緩やかに赤字減少。中長期的にドルを下支え)
24:00 米12月NAHB住宅市場指数
(米国の住宅市場は改善傾向。前月までの回復の反動鈍化が波乱)

<19日・水>
08:50 日11月貿易収支[通関統計]
(対中輸出の減少などで赤字が1兆円にも。円安地合いを支援)
14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[20日まで]
(緩和催促や失望警戒の円高リスクもはらむ)
18:00 独12月Ifo景気動向指数
(ZEW景況感は懸念ほど悪化せず。債務問題の進展や米中の持ち直しなどが下支え)
18:30 英中銀議事録公表
(追加緩和支持票の広がりがポンド安のリスク)
22:00 ノルウェー中銀、政策金利発表
(金利据え置きと当面の様子見観測が北欧通貨を下支え)
22:30 米11月住宅着工件数
(雇用復調などが住宅回復をサポート。ハリケーン被害や財政の崖懸念が撹乱)
 [韓国]大統領選挙、市場休場
(大企業叩きや格差是正、内需振興などで通貨高の是認思惑がくすぶる)
米企業決算 フェデックス
(世界景気の敏感株。先行き下方修正が一服なら米株高やリスク選好の円安支援)

<20日・木>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
15:30 白川日銀総裁、記者会見
(現状維持による失望円高のリスク。会合直前に円高再燃なら追加緩和も)
18:00 伊10月小売売上高
(10月の欧州指標は総じて悪化)
18:30 英11月小売売上高
(欧州債務問題の一服などで安定化も)
22:30 米新規失業保険申請件数
(前週までは改善。年末商戦向け雇用の一段落などが反動悪化のリスク)
24:00 米12月フィラデルフィア連銀景況指数
(財政の崖協議の難航が重石。欧中不安の一服や年末商戦の期待が下支えも)
24:00 米11月中古住宅販売件数
(雇用復調などが住宅回復をサポート。ハリケーン被害や財政の崖懸念が撹乱)

<21日・金>
18:30 英7-9月期経常収支
18:30 英7-9月期総合事業投資[確報]
18:30 英7-9月期GDP[確報]
(7-9月は五輪特需などが下支え)
19:00 伊12月消費者信頼感指数
(債務危機問題や政局不安などが重石)
22:30 米11月個人所得/個人支出
(小売売上高は予想を下回る。ハリケーン被害やガソリンスタンドの売上減など)
22:30 米11月耐久財受注
(11月のISM製造業景況指数では「新規受注」が悪化。財政の崖懸念などが重石)
23:55 米12月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(財政の崖への懸念と雇用復調・年末商戦期待などの好材料が交錯)



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コメント 1

macinu

いよいよ選挙も始まり、明日は上下どちらかに大きく窓あけるのでしょうか?
by macinu (2012-12-16 14:09) 

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