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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週1月14日-18日週の為替相場は、スピード調整的な円高と根強い円の戻り売り(外貨の押し目買い)地合いの継続をにらんだ展開となる。

前週にはドル/円、クロス円ともに調整的な円高・外貨安に振れる場面があったが、週後半からは円安が再加速された。

円安要因としては、21-22日の日銀政策会合での追加緩和観測や日本の経常赤字の拡大、ECB理事会での利下げ観測後退、米アルミ大手アルコア決算での世界的な素材需要の改善見通しなどが影響を与えている。

とくにECBの利下げ後退は、ユーロ/円主導の形で円全面安をダメ押しさせた。

年明けには米国でも12月FOMC議事録で債券買い入れプログラム(量的緩和第3弾=QE3)に関し、「2013年中に縮小・停止することが望ましい」という複数委員の意見が見られたばかりだ。

欧米の中銀が超金融緩和の一旦の休止(現状維持)、あるいは出口戦略の地ならし準備に移行する一方、日銀は「周回遅れ」で金融緩和を強化させつつある。

こうした金融政策のベクトルの違いが、4月の日銀総裁人事にかけての円安トレンドをサポートしやすい。

すでに海外からは、昨年までの「リスク回避の円高」という消去法的な円買いの売り戻しが広がってきた。

アジア系中銀などの公的ネームからは、「86.75円から90.75円のレンジを前提とした、期間2カ月物のレンジ型バイナリーオプション取引の仕込みが拡大している」という噂もくすぶっている。

これは一定の期間内、レンジ内で推移している限りは収益が得られるという取引だ。

当面は86.75円にかけて、オプションの権利を死守するためのドル防戦買いが想定される反面、90.75円までは強力なドル売りが出てこないという憶測も呼んでいる。

もちろん、円全面安には短期的な過熱警戒感が高まってきた。

今週以降もおりにふれて、突発的な調整円高に直面するリスクをはらむ。

一方で中長期スパンでいえば、2007-2008年からの金融経済危機によるリスク回避相場を経て、米国株を始めとした他国株や商品相場などの各種市場では、危機前の水準、もしくはそれに迫るレベルへと持ち直しが進展してきた。

一方で日本株や為替相場でのドル/円、クロス円などは、2007-2008年時の水準から依然として低い(為替は外貨安・円高)レベルに取り残されたままだ。

今後はポジション調整やスピード調整による外貨安・円高をこなしつつも、安全逃避で過大評価されてきた円高の修正と適正水準への回帰が継続。

テクニカルのフィボナッチ分析でいえば、2007-2008年の外貨高値からその後の外貨安に至る下げ幅の23.6%戻し、38.2%戻し、50.0%戻し、61.8%戻し、76.4%戻しといった節目レベルを順次、段階的に修復できるかどうか。

その可能性を模索する展開が続きそうだ。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<14日・月>
09:30 豪11月住宅ローン約定件数、11月投資貸付
(住宅建設許可件数は11月に前月の悪化から小幅な反動回復を示す)
19:00 ユーロ圏11月鉱工業生産
(11月段階での欧州指標は総じて悪化)
20:00 OECD11月景気先行指数
(世界景気の底入れが明確化されるかが焦点に)
25:55 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁講演[ハーフムーンベイ]
26:40 ロックハート・アトランタ連銀総裁、講演[アトランタ]
30:00 バーナンキFRB議長、講演[ミシガン大学]
(債券買い入れの2013年中の縮小・停止に注目が集まる)
[日]成人の日
(東京市場の休場時には、日本勢不在の中で円高仕掛けが入るケースも)

<15日・火>
06:45 NZ12月食品価格指数
(資源下げ止まりなどで物価の下落に歯止めも。NZドルを下支え)
09:00 日銀全国支店長会議[日銀本店]
09:30 白川日銀総裁、挨拶要旨公表
14:30 日銀1月地域経済報告公表
(21-22日の政策会合に向けて緩和期待。景気懸念一服なら緩和の規模や内容で失望も)
18:30 英12月消費者物価指数、小売物価指数
(電力ガスなど公共料金の上昇が上振れ要因。追加緩和観測の後退がポンドを下支え)
22:30 米1月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(財政の崖回避がサポート要因。資源下げ止まりなどが改善を抑制も)
22:30 米12月小売売上高
(自動車販売の伸び一服やガソリン価格の下落によるスタンドの売上減が下振れ要因)

<16日・水>
19:00 ユーロ圏12月消費者物価指数[改定値]
(物価下落の一服で追加緩和観測が後退。ユーロを下支え)
23:15 米12月鉱工業生産
(ISM製造業景況指数の「生産」は小幅悪化。財政の崖懸念などが重石)
24:00 米1月NAHB住宅市場指数
(米国の住宅は回復傾向。前月までの回復の踊り場調整的な伸び悩みは警戒)
28:00 FRB地区連銀経済報告[ベージュブック]公表
(財政の崖回避の影響が不透明感。最近の米国指標は総じて改善傾向)
米企業決算=JPモルガン・チェース[21:00]、ゴールドマン・サックス・グループ[21:30]
(住宅市場の回復や金融規制への対応進展などで底堅さも)

<17日・木>
09:30 豪12月雇用統計
(中国景気の底入れが支援材料。ただし、前月の大幅改善の反動悪化となるリスクも)
22:30 米12月住宅着工件数
(先行指標の建設許可件数は前月に08年7月以来の高水準に増加)
22:30 米新規失業保険申請件数
(財政の崖回避やハリケーン復興需要などが雇用の支援材料)
24:00 米1月フィラデルフィア連銀景況指数
(財政の崖回避がサポート要因。資源下げ止まりなどが改善を抑制も)
米企業決算=バンク・オブ・アメリカ[21:00]、シティグループ[22:00]、インテル
(銀行は住宅回復などが支援材料。インテルも世界減速の一服などがサポート)

<18日・金>
06:45 NZ10-12月期消費者物価指数
(10-12月までは世界的に物価下落の圧力)
11:00 中国10-12月期GDP、12月小売売上高、12月鉱工業生産
(中国景気は昨年後半から底入れの機運。10-12月GDPの落ち込みへの織り込みも進む)
18:30 英12月小売売上高
(年末商戦や欧州債務危機の一服などが支援材料)
23:55 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(財政の崖の回避などが支援材料。1月は雇用統計も小幅な改善)
米企業決算=ゼネラル・エレクトリック、モルガン・スタンレー
(米国内外の減速一服を受けた先行き見通しの悲観修正が焦点)

<20日・日>
ドイツ、ニーダーザクセン州議会選挙
(連立与党のうちの自由民主党が苦戦。与野党逆転のリスクも)



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