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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週3月25日-29日週の為替相場は、ユーロ安主導の円高持続と中長期スパンでの円の戻り売り(外貨の押し目買い)地合いの継続をにらんだ展開となる。

前週は週明けからキプロス・ショックが直撃。

ユーロ圏が同国への支援の代わりに、預金への課税を求めたことで混乱が広がった。

先週末には政策対応の進展期待により、ユーロの買い戻しや円の反落も見られている。

欧州中銀(ECB)はキプロスがユーロ圏との間で支援策をまとめない限り、キプロスの銀行に対する緊急資金供給策を25日までで打ち切る方針を表明しており、今週も債務金融危機の広がりがユーロ安やリスク回避の円高材料として警戒されやすい。

為替需給面でも日本企業の3月決算が迫り、海外収益の円転(ドル売りやユーロ売り)圧力が続く。

同時進行で海外勢は29日前後からイースター連休に入る市場参加者が想定され、これまで積み上がってきた投機的な円ショート(売り持ち)ポジションの手仕舞いが円高を助長させるリスクをはらむ。

今週のイベントとしては衆院財務金融委員会で26日、日銀の黒田東彦総裁を再任するための所信聴取が注目されるだろう。

黒田氏の現任期は白川方明前総裁の残り期間である4月8日までで、4月9日以降は改めて国会同意が必要になっている。

野党の民主党は再同意に慎重姿勢を示しており、黒田氏が野党配慮で緩和発言を自粛すると失望の円高へと作用。

同時に再同意までは新たな緩和策は行いにくく、臨時会合や4月3−4日の政策会合での「初動の遅れ」が失望円高や緩和催促の円高を招く波乱余地も排除できない。

もっともキプロス問題については、紆余曲折を経ながらも何らかの政策対応が講じられる可能性が残されている。

その場合はユーロ反発や円全面安を促すものだ。

また、期末円転についても今週でピークアウトしてくれば、今度は4月の年度明けからの国内機関投資家による新規外債投資がドルなどの押し目買い(円の戻り売り)材料として意識されやすい。

国内勢には調整的な円高・外貨安を「ドル買いやユーロ買いに動く好機」として待望する声も聞かれる。

さらに黒田日銀の初動の遅れについても、国会で再同意されると改めて早期の緩和期待を喚起。

先行きの円安材料となる余地が残されている。

今週は昨年11月から長期化してきた円安の調整度合いや、キプロス問題の深刻度合いをにらみながら、中長期スパンでの円安トレンドの継続を見極める展開となりそうだ。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<25日・月>
18:30 日・EU首脳会議[ファンロンパイEU大統領とバローゾ欧州委員長、安倍晋三首相らと会談]
(キプロス救済で前向き発言があるとユーロ高)
26:15 キング英中銀総裁、バーナンキFRB議長ら公開討論会に出席[ロンドン]
(それぞれ緩和継続を示唆ならポンド安やドル安の材料に。株価支援で円高は抑制)

<26日・火>
06:45 NZ2月貿易収支
(世界景気の回復や資源下げ止まりなどで赤字縮小期待。NZドルを下支え)
黒田日銀総裁、衆院財務金融委員会で所信聴取
(民主党が4月以降の再任に慎重姿勢。野党配慮で控えめ発言なら失望円高に)
14:45 スティーブンス豪中銀総裁、証券投資委員会の年次フォーラムで講演
(豪州経済への慎重見通しや通貨高牽制があると豪ドルを下押し)
21:30 米2月耐久財受注
(2月ISM製造業景況指数で「新規受注」は大幅改善。ボーイング受注回復も支援材料)
22:00 米1月S&Pケースシラー住宅価格指数
(1月の住宅指標は総じて改善。前月までの回復の反動調整的な鈍化は警戒)
23:00 米3月消費者信頼感指数
(歳出削減や資源反発などが重石。雇用回復や株高などで過度な下振れは抑制も)
23:00 米2月新築住宅販売件数
(2月の中古住宅販売は09年11月以来の高水準。ローン金利の低下一服は懸念材料)

<27日・水>
16:45 仏10-12月期GDP[確報]
18:30 英10-12月期GDP[確報]
(10-12月は世界的に経済が減速)
19:00 ユーロ圏3月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、サービス業信頼感
(欧州の3月景況調査はPMIなどで悪化が目立つ。伊政局不安なども重石)
21:30 加2月消費者物価指数
(資源反発や景気の回復などで物価の低下が一服も。カナダ・ドルを下支え)
23:00 米2月中古住宅販売成約指数
(1月は2010年4月以来の高水準。住宅は回復が持続も、反動調整的な鈍化は警戒)

<28日・木>
06:45 NZ2月住宅建設許可
(2月のNZ指標は改善傾向。資源下げ止まりなどが支援材料)
09:30 豪2月民間部門信用
(豪州の2月指標は改善が目立つ)
17:55 独3月雇用統計
(ドイツの3月指標はPMIやIFO景況感調査などが悪化)
21:30 加2月鉱工業製品価格、原料価格指数
(資源反発や景気の回復などで物価の低下が一服も。カナダ・ドルを下支え)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週は4週移動平均ベースで08年2月以来の低水準に改善。反動悪化は警戒)
22:45 米3月シカゴ購買部協会景気指数
(株高や住宅・雇用の回復などが支援。歳出削減や資源反発が伸び抑制の撹乱要因)

<29日・金>
08:30 日2月全国消費者物価指数
(物価2%目標までの緩和強化の思惑が、中長期スパンでの円安を支援)
21:30 米2月個人所得/個人支出
(2月小売売上高は予想上回る。株高による資産効果や雇用回復などがプラス要因)
22:55 米3月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(歳出削減や資源反発などが重石。雇用回復や株高などで過度な下振れは抑制も)
[米国]株式・債券市場はグッドフライデーのため休場
[欧州の主要市場]グッドフライデーのため休場[4月1日まで]
[ニュージーラント、豪州、香港、インド、シンガポール、ブラジル]グッドフライデーのため休場[4月1日まで]
(29日の前は海外勢による連休入りに備えたポジション整理が波乱材料に)



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