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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月1日-5日週の為替相場は、根強い欧州不安によるユーロ安やリスク回避の円高持続と、円安再開のタイミングを模索する展開となる。

為替相場では2009年以降の過去4年間、4−5月から欧州債務危機などを材料に円全面高が加速されてきた。

今年も程度の差はあっても、4−6月期の新たな四半期入りとともに、昨年11月からの円急落の反動調整的な円高が進む可能性は消えていない。

もちろん過去4年と異なり、今年は中長期スパンで円安トレンドに転換したという見方が強まっている。

問題は調整による円高・外貨安の「値幅」と「期間」を見極める展開となりそうだ。

その試金石となるのが3−4日の日銀政策会合である。黒田新体制による初の会合となり、すでに緩和強化への期待感が高まってきた。

それだけに実際の結果が事前報道の範囲内にとどまると、失望や材料出尽くしによる円高加速のリスクをはらむ。

ただし、黒田新体制は「物価2%目標の実現」が使命として課せられており、これまでの日銀のイメージを払拭させるようなサプライズ策を打ち出す可能性も残されている。

その場合は改めて円全面安を促す波乱余地も排除できない。

一方、日本以外のテーマとしては、引き続き欧州不安に対する警戒感が強い。

キプロスの債務金融問題や、イタリアの連立政権樹立協議の難航などに端を発して、改めてリスク回避が広がればユーロ安や円全面高を支援。

反対に政策対応や事態打開の動きが出てくると、ユーロ高や円全面安という不安定な中での一喜一憂が想定される。

また、今週は豪州、英国、ユーロ圏で中銀の政策会合が予定されている。

いずれも追加緩和の可能性が取り沙汰されており、先行きの緩和強化の可能性が示唆されると各通貨の下落を招きやすい。

ただし、いずれも追加緩和に対する織り込みも進捗しつつあり、現状維持で先送りされると「いったんの材料出尽くし」によって、単発的に各通貨が買い戻される上下動も警戒されそうだ。

そして今週の最後の重要イベントが米国の雇用統計となる。

先行指標となる週間の新規失業保険申請件数は、2008年以来の低水準へと改善してきた(失業減少)。

緩やかながらも米国の雇用の回復が確認されると、ドルの押し上げに作用。

同時に欧州不安から隔離される形での米国経済の持ち直しが再確認され、リスク選好による米国の株高と円全面安を後押しさせる余地も残されている。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<1日・月>
08:50 日3月企業短期経済観測調査[短観]
(改善幅が限られると、改めて日銀の緩和強化期待を後押し。円の戻り売り支援)
10:00 中国3月製造業PMI
10:45 中国3月HSBC製造業PMI[確報]
(HSBC製造業PMIは速報ベースで小幅改善。ただし、中国の成長ペースは緩やか)
23:00 米3月ISM製造業景況指数
(住宅・雇用の回復や株高などが景況マインドの改善を支援。前月急上昇の反動は警戒)
北朝鮮 最高人民会議[国会]開催
(北朝鮮の暴発リスクは潜在的な株安・円高や、東アジア地政学リスクによる円安要因に)
[オーストラリア、ドイツ、フランス、香港、英国]イースターマンデー

<2日・火>
08:50 3月マネタリーベース
(日銀は3月に当座預金残高を過去最高に拡大。高い伸び率が円高を抑制)
12:30 豪中銀、政策金利発表
(サプライズ利下げや先行きの緩和示唆なら豪ドルが調整下落へ)
16:45 伊3月製造業PMI
16:50 仏3月製造業PMI[確報]
16:55 独3月製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏3月製造業PMI[確報]
17:00 伊2月失業率[速報]
(イタリアやキプロス情勢の不透明感が重石。昨年からのユーロ高も欧州の成長を抑制)
17:30 英3月製造業PMI
(近隣の欧州ではPMIが総じて悪化。欧州債務金融不安も英国経済の重石に)
18:00 ユーロ圏2月失業率
(ユーロ圏の勝ち組であるドイツでも雇用指標が悪化)
23:00 米2月製造業受注指数
(同じ2月の耐久財受注は9月以来の大幅な伸び。ボーイングの事故後の回復も好材料)

<3日・水>
09:30 豪2月貿易収支
(中国などの世界回復や資源反発が輸出を支援。赤字減少で豪ドルを下支えも)
10:00 中国3月非製造業PMI
10:45 中国3月HSBC非製造業PMI
(中国の内需は物価上昇や不動産規制、株安などがマイナス要因に)
14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[4日まで]
(緩和期待が円高を抑制。リスク回避が広がっていると、緩和催促の円高にも)
21:15 米3月ADP雇用統計
(週間・失業保険申請件数の4週移動平均は08年以来の低水準に改善)
23:00 米3月ISM非製造業総合指数
(住宅・雇用の回復や株高などが支援材料。歳出削減と資源反発は下振れの撹乱要因に)

<4日・木>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
(想定の範囲内の緩和強化なら材料出尽くしや失望で円高。サプライズ策による円安余地も)
09:30 豪2月住宅建設許可件数、豪2月小売売上高
(前月悪化の反動回復が焦点。雇用指標が2月に大幅改善したことも支援材料)
16:45 伊3月非製造業PMI
16:50 仏3月非製造業PMI[確報]
16:55 独3月非製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏3月非製造業/総合PMI[確報]
(イタリアやキプロス情勢の不透明感が重石。雇用の悪化なども非製造業には悪材料)
17:30 英3月非製造業PMI
(欧州の債務金融不安などが重石となるも、株高が非製造業を下支え)
20:00 英中銀、政策金利発表
(追加量的緩和の観測拡大。ただ、まだ尚早論も強く、見送りなら短期的なポンド高に)
20:45 欧州中銀、政策金利発表
21:30 ドラギECB総裁、記者会見
(キプロスやイタリアに不透明感。景気慎重見通しや先行きの利下げ示唆ならユーロ安に)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週は改善傾向にブレーキ。歳出削減や資源高、統計面の季節調整が連続悪化リスクに)

<5日・金>
19:00 独2月製造業受注
(昨年からのユーロ高やユーロ圏内の低成長が重石に)
21:30 米3月雇用統計
(住宅回復や株高などによる消費改善が支援材料。歳出削減とハリケーン復興特需剥落が下振れ波乱)
21:30 加3月雇用統計
(カナダの経済指標は伸び悩みが目立つ。中銀も景気見通しに慎重姿勢)
21:30 米2月貿易収支
(資源反発や米国の内需拡大が輸入を押し上げ。赤字の再拡大がドルの上値を抑制)



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コメント 1

macinu

キプロス銀行の税率比が上がっとと先ほどニュースで見ました~!!明日は下窓ですか?
by macinu (2013-03-31 12:17) 

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