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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月29日-5月3日週の為替相場は、調整円高の深度、期間と中長期スパンでの円安トレンドの持続性を見極める展開となる。

前週は最終的に円が全面高。

週前半はG20会合で日銀の異次元緩和と結果としての円安が是認されたことを受けて、円安が進む場面があった。

しかし、その後は中国や米国、欧州での相次ぐ指標悪化、欧州中銀(ECB)利下げ観測、日銀政策会合の出尽くし、米国の1-3月期GDP悪化などにより、週後半にかけて調整円高が進展している。

過去3年、日本の大型連休の前後からは円高・株安が加速されており、今年も季節的な再現リスクに神経質となりやすい。

今週は引き続き米欧中で指標悪化が警戒されるほか、1日の米FOMCでの景気慎重見通しと緩和継続方針、2日ECB理事会での利下げ、3日の米雇用統計の伸び悩み懸念などが、それぞれドル安やユーロ安、円高の材料として注視されそうだ。

同時に日本勢が不在となる東京市場の連休中には、短期投機筋による円高仕掛けが煽られるパターンも見られてきた。

もっとも米国経済については、1月からの給与減税失効と3月からの強制的な歳出削減、欧州については2-3月のイタリア・キプロス危機、欧米ともに3月までの記録的な寒波などを受けて、現在の指標が過度に下押しされている側面も少なくない。

米国では最新指標である週間の新規失業保険申請件数が、直近2週ともに改善へと持ち直してきた。

3日の米雇用統計以降の経済指標では、過度な減速不安が和らぐ可能性も残されている。

また、日本については安倍政権が7月参院選対策のほか、来年4月からの消費税増税を正式決定させるため、4-6月期のGDP底上げに全力を注いでいる。

ここから過去3年に見られた「5月からの株安・円高」が再現されると4-6月の成長が失速してしまうため、国策として過熱調整の範囲を超えた株安・円高に歯止めを掛けると見られている。

さらに為替需給面でいえば、ドル/円やユーロ/円などでの外貨下押し(円高)局面では、生保を中心とした国内機関投資家による外債投資のための外貨押し目買いが想定される。

日本では資源輸入が増加する中にあって、輸入企業によるドル買い手当ての潜在需要も根強い。

その意味で今週以降は、4日の日銀による異次元緩和後に急膨張した投機的な円ショート・ポジション(売り持ち)の整理巻き戻しによる円高の行方を見極めつつも、需給面での円安再開のタイミングを模索する展開となりそうだ。


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経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<29日・月>
18:00 ユーロ圏4月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、業況判断指数
(4月指標はPMIなどが低迷)
21:00 独4月消費者物価指数[速報]
(落ち着きならECBの利下げ観測を後押し。ユーロ安材料)
21:30 米3月個人所得/個人支出
(小売売上高は9カ月ぶりの大幅マイナス。歳出削減などが重石)
23:00 米3月中古住宅販売成約指数
(3月は雇用統計が悪化。強制的な歳出削減なども重石)
[日]昭和の日、[中国]労働節
(日本のゴールデン・ウィーク中は円高仕掛けが入る季節パターンも)

<30日・火>
07:45 NZ3月住宅建設許可
(資源下げ止まりや世界経済の持ち直しが3月指標を支援)
08:50 日3月鉱工業生産[速報]
(輸出の持ち直しが示唆されると円安抑制要因に)
10:30 豪3月民間部門信用
(3月は雇用指標や自動車販売などが悪化)
15:45 仏3月消費者支出
16:55 独4月雇用統計
17:00 伊3月失業率[速報]
18:00 ユーロ圏3月失業率
(欧州の経済指標は悪化傾向。ただし、一定の減速は織り込みも)
22:00 米2月S&Pケースシラー住宅価格指数
(2月段階では住宅指標が改善を維持。給与減税の失効は下振れの波乱要因)
22:45 米4月シカゴ購買部協会景気指数
(米国の4月指標は悪化傾向。ただし、シカゴ周辺が拠点の自動車産業は打たれ強さ)
23:00 米4月消費者信頼感指数
(悪化警戒も、ミシガン大消費者信頼感指数は4月確報値が改善)
米連邦公開市場委員会[FOMC、5月1日まで]
(最近の指標悪化を受けた景気慎重見通しがドル安材料に)

<1日・水>
10:00 中国4月製造業PMI
(同じ4月分ではHSBC製造業PMIが悪化)
17:30 英4月製造業PMI
(4月は欧米ともに指標が悪化傾向)
21:15 米4月ADP雇用統計
(米国の4月指標は低迷。3月の悪天候の反動や歳出削減ショックの反動が下支え)
23:00 米4月ISM製造業景況指数
(米国の4月指標は減速傾向。歳出削減や欧中などの外需低迷、ドル高が重石)
27:00 米連邦公開市場委員会[FOMC]政策金利発表
(景気慎重見通しがドル安材料に。資産買入の縮小地ならしが持続ならドル高)

<2日・木>
10:30 豪3月住宅建設許可件数
(3月は雇用指標が悪化。中国経済の減速なども重石)
10:45 中国4月HSBC製造業PMI[確報]
(速報は悪化。少しでも上方修正ならリスク選好に作用)
16:45 伊4月製造業PMI
16:50 仏4月製造業PMI
16:55 独4月製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏4月製造業PMI[確報]
(速報は悪化が目立つ。一定の減速は織り込みも)
20:45 欧州中銀、政策金利発表
21:30 ドラギECB総裁、記者会見
(利下げがユーロ安材料に。材料出尽くしやリスク選好の支援でユーロ高の余地も)
21:30 米新規失業保険申請件数
(過去2週は持ち直し。改善続くと3日の雇用統計を支援)

<3日・金>
10:00 中国4月非製造業PMI
(製造業に比べると底堅さ。鳥インフルエンザなどが撹乱要因)
18:00 欧州委員会、春季経済見通し発表
(経済見通しの下方修正がユーロ安やリスク回避の円高材料にも)
21:30 米4月雇用統計
(4月指標は総じて低迷。3月の悪天候や歳出削減の悪影響一服はプラス要因)
23:00 米4月ISM非製造業総合指数
(4月指標は総じて低迷。株高や住宅持ち直し、資源下落が過度な下振れを抑制)
[日]みどりの日
(日本のゴールデン・ウィーク中は円高仕掛けが入る季節パターンも)


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